3311
さっき見たのと全然違う。4000000000秒を切っていた。まじで?
なにか、カウンタを減らすような行動があるんだろうか。この調子で減り続けてくれたら、思ったよりもはやくあちらへ戻れるかもしれない。
もしかしたら、誰かは、封印された人間でも普通に接してくれるかも。
俺が喜んだことがわかったみたいで、マルジャンとヤラが軽く揺れた。そう、俺は喜んでいる。
迷惑だろうけれど、ほーじくんと同じ世界に居たい。
未練たらたらで、みっともないよな。
マルジャン達に魔力を譲る。……カウンタは動きが遅くなる。
手を洗う。……変化なし。
お水を飲む。……変化なし。
ほかに、どんなことしたっけ? マルジャン達を洗って、あとは偸利をつかった。
偸利がなにか関係あるのか?
俺は室内をうろうろし、「いきもの」をさがした。洗面台の下に、うっすら青かびがあったので、偸利で枯らす。カウンタは……まわるのがはやくなってる!
どうやら、体力・魔力が残り秒数の減りかたに関係しているらしい。マルジャンとヤラはこっちに来てから、魔力の減少になやまされているし、毒状態で体力も目減りしている。
俺は魔力の枯渇を起こしたりしていないし、こちらに魔力がないってことはないと思う。ただ、「還元」がないから、空気中にある魔力が少なくて、食べものから補うしかないんじゃないかな。マルジャンもヤラも、毒が苦しくて、あまり食べられていなかったみたいだし、その可能性はあると思う。
魔力を補うには、魔力薬と甘いものだ。
それに、俺は使役した生きものから魔力をとれる。
マルジャン達を見ると、俺の思惑がわかったのか、二匹とも怯えた様子で後退った。
四月の雨亭で働けていたことと、リエナさん、それにサローちゃんに感謝しないと。
こちらの世界の食べものは、二匹に悪影響かもしれない。なので、あちらの市場で買った塊の黒砂糖をローテーブルに出して、二匹に食べさせた。二匹とも嬉しそうに食べているので、問題ないだろう。
「マルジャン、ヤラ、死なない程度に魔力を譲って」
しゅうー、と二匹は抗議らしい声をたてるが、使役しているので逆らえない。メニューをたしかめてみると、カウンタが猛烈な勢いでまわっていた。よしよし。
俺は二匹に魔力薬も服ませ、しばらく魔力をもらい続けた。さすがに黒砂糖に飽きてきた様子の二匹に、どこかに隠れているよう云って追い出し、施錠して寝る。寝るのだって、魔力の為だ。
もしもあちらに戻れるのなら、俺にはやることがある。




