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マルジャンからどれだけ状態異常を譲ってもらっても、ある程度時間がたつと毒状態に戻ってしまう。
カウンタは訳のわからない速度でまわりつづけているが、それも波みたいなものがあって、四桁目ががちゃがちゃ動いて減っているのが見える時もあれば二桁目までがくるくるまわって見える時もある。
どちらも理由がわからん。
とりあえず、俺はサローちゃんのつくった、解毒作用のあるお薬を服んだ。特定の毒にきくのではなく、腎臓や肝臓の働きをよくしてくれるみたいで、お酒の呑みすぎにもきくようなことを云っていた。
お薬はさっぱりした、柑橘系っぽい味だ。生姜もはいってるみたい。
カウンタは、文言通りにうけとるのなら、「封印が解除されるまでの時間」が表示されているのだろう。だから、これがゼロになったら、封印は解ける。多分そういうこと。
封印が解けたらどうなるのか、がわからない。
ありそうなのは、ほーじくんへの負担がなくなる、ってことだ。封印が、封印をつかった人間の魔力によって維持されていると仮定したら、だけど。
ほーじくんの負担がなくなって……終わり?
もしくは、完全にあちらとの縁が切れる。だから、魔法とか特殊能力をつかえなくなって、魔王じゃなくなる。
それとも、あちらの世界へまたとばされるのだろうか。
そう期待していると自覚して、自己嫌悪でつらい。戻ってどうする? 魔王で、封印されたから悪しき魂だってみんなにばれてて、死ぬかもしれないのに。
それでも、ほーじくんにまた会いたいなと、そう思う。
俺は椅子に座っていた。収納してあった椅子だ。傍にはマルジャンが丸まっていて、また毒状態になっている。
あちらの魔物には、こちらの世界の環境そのものが体に悪いのかもしれない。「状態異常を譲って」
気分が悪くなるが、俺はすぐにその状態を脱した。状態異常無効だから、なのか、もともとこちらの人間だから、なのか、それはわからない。
あちらとこちらは似ているけれど、ちがう。こちらのなにかがマルジャンには毒なのかもしれない。
あちらにはカカオもないし、海綿も存在しているかビミョーだった。異世界だからそれは当然だろうけれど、存在しない(料理がないとか調理器具がないとかそういうことじゃなく、生きものや植物それ自体が存在していない)ものは多くある。
そうじゃん。
石炭も石油も見たことがない。あちらでは。ってことはそれがないかもしれない。じゃあ、排気ガスがマルジャンには毒なのかも。




