表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3426/6871

3286


「アレキサンドライト、きらい?」

「そういう問題じゃないことくらいわかってるくせに、どうして論点をずらす訳?」

 キッチンに並んで立って、パスタをゆがく妹にちくちくやられている。俺はたらこの中身を大きなボウルにとり、皮はミキサーにいれた。ミキサーで皮を粉々にしてしまえば、パスタにいれても気にはならない。

 ガスコンロでは、パスタをゆがく寸胴のほかに、大きなお鍋をかけてあって、そちらではきのこ類とトマトジュース、生クリームがぐつぐついっている。味付けはお塩とこしょう、ほんの少しの白味噌だ。

 たらこの皮もボウルへいれて、オリーブオイルと小さなお鍋(名前がわからない。めちゃくちゃ小さいやつ)で溶かしたバターをいれる。お醤油をふたまわしする。場合によっては塩昆布をいれたり、あらびき黒こしょうをいれたりするんだけれど、今日はやめておいた。

 ボウルを妹のほうへおしやると、妹はゆがけた麺をボウルへどんどん投入する。トングでまぜてしまえば、おいしいたらこパスタだ。

 揚げたてのフライやとんかつ、てんぷらは、キッチンペーパーを敷いた大皿に盛って、ローテーブルへ置いてある。

 挽き割り納豆・はちみつ・お醤油・刻んだねぎ・大根おろしをよーくまぜた、納豆ソース。きゅうりのピクルス・たくあん・らっきょうをみじん切りにして、かたゆでたまごをかなりあらく刻んだものと一緒にたっぷりの全卵マヨネーズであえた、タルタルソース。ホールトマト・お塩・数種類のスパイス・飴色になるまで炒めたスライスたまねぎ・お醤油を煮込んだ、てづくりケチャップ。妹が手伝ってくれたので、ソースも完璧だ。

 妹がボウルを、ローテーブルへ持っていった。妹の死角になったので、俺は収納空間からパンをとりだす。あちらの市場で買った、発酵させているタイプのものだ。これ、たらこパスタのたらこにあうと思う。

 パン用のかごに盛って、ローテーブルへ持っていく。妹がエプロンを外し、俺もそうした。向かい合って座る。「いただきまーす」

「ご飯食べたら、いろいろ訊くけんな」

 ぴしゃりと云われた。俺は早速、パスタを口いっぱいに含んでいたので、肩をすくめるだけにした。


 たらこパスタおいしい。途中で乾燥パセリを振りかけてみたのだが、いける。予測通り、パンもたらことぴったりだった。

「このパン、おいしい」

「ああ」

「どこで買ったの? こんなおいしいパン売ってるとこ、見付けてない」

 肩をすくめる。妹は数秒、俺を見るが、追求はない。妹は好奇心はあっても、礼儀がそれを上回る人間なのだ。そして、妹にとっての一番の礼儀とは、訊かれたくないであろうことを追求しない、なのである。


感想ありがとうございます。はげみになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ