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 手ぶらだし、自転車でもない。でも、俺には収納空間があるので、荷運びについて心配は要らないのだった。

 久々のドラッグストアは、明るくて煩くてひとがいっぱい居て、楽しい雰囲気だった。俺は這入ってすぐのところに置いてある、アルコール消毒液を手にまぶして、奥へ進む。

 ここの店長 (そしておそらくオーナーでもあるひと)は、感染症に対して相当に慎重な姿勢をとっているのだ。お惣菜コーナーも、お客が自分でとるのではなくて、マスクとゴム手袋で完全防備の店員さんが、指示した分だけショーケースのなかのものをパックに詰めてくれる。パンコーナーも一緒。……なあ、このお店ってドラッグストアだよな?

 持ち運ぶのは幾らでもできるけれど、問題は代金を払えるかだ。俺はお財布のなかを見て、パスタ2㎏パック、皮の破れたたらこ500g三パック、あじフライ六尾、えびフライ二十尾、きびなごふたパック、てんぷらの詰め合わせふたパック程度が限界だと判断した。ここでは物々交換も不可能だろうしな。

 先に、質屋さんにでも行って、適当なアクセサリをお金に換えればよかった。俺は泥棒を捕まえてから縄をなうタイプの人間なのだ。不備ばかりである。


 たらこパスタは、普通はスパゲティーニをつかうだろうけれど、俺はタリアテッレをつかう。そのほうがたらこが絡む気がするし、そもそもパスタの味そのものが好きなんだよな。

 タリアテッレはかさが多いので、買いものかごのなかで主張している。これをばれないように収納するのは、難しいかもしれない。

 俺はお目当てのものを、次々、かごへいれていった。お惣菜コーナーで揚げたてのフライとてんぷらをパックに詰めてもらい、とんかつもあったのでそれも追加する。鮮魚コーナーにはきびなごがなくて、南蛮漬けは諦めた。明日か明後日には入荷するそうだ。

 たらこが思っていたよりも安かったので、四パック買うことにした。かごが重たくなっているだろうが、カートにのせているのでなんの問題もない。

 生クリームとオリーブオイルもかごに放り込み、無添加のトマトジュースときのこのバラエティパックをその上にのせた。きのこのトマトクリーム煮をくいたくなったのだ。生クリームは、たらこパスタにもつかう。

 お会計をすませ、サッカー台にかごをのせた。十二円払って大きな袋も二枚買ったので、それに買ったものを詰め込んでいく。妹が家でぷりぷりして待っているかもしれない。フライでゆるしてもらおう。

 両手に袋をさげて、お店を出た。お店の脇のほうから、きゃっと小さな悲鳴が聴こえた。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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