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 お湯がわいていたし、ついでにパスタをゆがいた。四等分くらいに切って短くして。

 スープ皿に、ゆがいたパスタをいれ、できあがったスープを注ぐ。サッディレくんは麺なし。

「セロベルさん」

 こと、とお皿をテーブルへ置く。「お夜食できたよ」

 セロベルさんがすっと上体を起こした。

 目をしばたたき、お皿にはいったスープを見る。

「……あ。マオ、帰ってたのか」

「うん。さめないうちにどうぞ」

 サッディレくんがお肉をお皿へ盛りつける。バランス感覚凄い。

 アーレンセさんは、野菜スープとお肉の煮込みを、ちょこっとづつ別のお皿へ盛っていた。

 俺は、麺たっぷりの野菜スープ。お酒の分解には炭水化物が必要。……食べたいだけだ。

 席につく。サッディレくんとアーレンセさんも座って、お祈りをはじめた。俺は手を合わせて、おいしいものを食べられる感謝を心のなかで云った。


「ん」アーレンセさんが麺をもぐもぐ噛む。「これ、おいしいです。スープのなかにいれてもおいしいんですね。もっちりしてる」

「かたいお水でゆがくと、もっともちもちしますよ」

 重曹いれたお水でゆがくと、中華麺になる筈。牛肉麺とか担担麺とか食べたい。

 かたいおみず、と、アーレンセさんは首を傾げていた。

「うまいな」

 セロベルさんはスープをふうふうさましてから口へ含み、小さく云った。

「そう。おかわりありますよ」

「……一番最初も、お前いつの間にか料理してて、寝てた俺を起こしたよな」

 ああ、そうだったな。セロベルさん、あの時凄く疲れてた。

 見てみる。セロベルさんは、少しお肉がついた、と思う。少なくとも、ひょろ長い感じではなくなった。このまま元気になってくれればいいけど。


 お皿洗いはセロベルさんがやってくれるそう。任せた。

 サッディレくんとアーレンセさんが、お湯を用意してくれて、ありがたくお風呂にはいった。寒さに強張った四肢がほぐれ、眠くなってくる。

 リッターくん、あの後首尾よく帰れたろうか。ひとを担いで移動なんて、見咎められたら大事だ。

 お風呂を出て、部屋に戻って寝た。歯磨きはお風呂で済ませている。ベッドは、ブランケットが増えて、もぐりこむとあたたかかった。


「おはよーマオ」

「おはようメイラさん」

 今朝も、メイラさんは素振りしている。「ご要望は?」

「なーんでも。あ、今日はお弁当お願い。戻れそうにないから」

「はーい」

 欠伸が出てしまった。ねぶそく。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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