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村へ帰るレアディさんを見送り、アーレンセさんも給仕にまわり、俺とセロベルさんがテーブルに着く。
「グロッシェさんは」
「風呂掃除。昨夜は大勢つかってたってさ」
お風呂気持ちいいもんな。
さて。
なんと切り出したらいいか解らない。「えっと、色々調べてみました」
「無茶苦茶な方法でな」
セロベルさんがすかさず混ぜ返す。昨夜あれからなにかあったのか、寝不足らしく、欠伸を噛み殺していた。「お前ほど無鉄砲もめずらしいぜ。他人に頼れって、お前こそ赤の他人の為に無理すんじゃねえよ」
「無理はしてないです。大丈夫。で、平たく云って胸糞悪い情報を入手したので、俺は怒りました」
「ハ?」
「ルッタさんは、予定通り、俺の悪口を云っておいてください。セロベルさんは暫く不名誉に耐えて。以上」
もともと気色悪かったけど、昨夜でもっとずっと性質が悪いと解った。
とりあえず、頑張ってみる。うん。
唖然とするセロベルさんへ訊く。「ところで、さっきあーれんせさんがやってたのってなんです?」
「……あ?」
「サッディレくんのほっぺたに」
「ああ、修復者と握手すると運がよくなるっていうだろ。触れてもらえればいいって考えもある。なかでも口付けが一番効果が高いってな」
へー。生きる縁起ものって感じだな。
セロベルさんは片肘をつく。「でもよ、それは単に、修復者にそこまでしてもらえるほど好かれてるからってだけだぞ。修復者には理不尽や不公平は起こらない。修復者が大切に思っている人間なら、運がよくなって当然なんだよ」
……すっごくややこしいけど、修復者が好きなもの・ひとは、それがなくなると修復者にとっての不運だから、そのもの・ひとまで運がよくなっているように見えるってこと、かな。
「ま、基本的にはな。幾ら修復者だからって、どうしようもないことはある。でも、運が絡む場合は途轍もなく有利だ」
「……じゃ、アーレンセさんには気にいられるようにします」
ルッタさんがふきだして笑った。
ごめんなさい、と華奢な肩を震わせている。面白かったですかね?
ルッタさんにパンを幾つか渡し、送りだした。エウゼくんのところに寄ってから、ラッツァクへ行くそう。奥へと促されても絶対行かないように、と云っておいた。
「おはよう」
リエナさんが木箱を抱えてきた。後ろからグロッシェさんもはいってくる。
グロッシェさんと目があったが、すいっと顔を背けられた。リエナさんが木箱を置く。「あらいい匂いね」
「おはようございます。リエナさんの分もありますよ」
「まあー、綺麗なパンね。シアイル料理のお店で見たことがあるわ!」




