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異世界に飛ばされたら適職が「魔王」しかない  作者: 弓良 十矢 No War
買いものに行ったら帰り道が異世界につながっていた
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 夢は見なかった。

 目が覚めたらクッションにかじりついていた。慌てて口から出す。だ、大丈夫、被害は大きくない。

 状態を起こし、ぼーっと室内を見る。「……戻れてない」

 お花のういた水鉢が飾ってある棚と、閉じた窓、かんぬきのかかった扉。すべて昨夜の通り。世は並べて事もなし。

 なくねえ。異世界人が生命の危機にさらされています。

 かんぬきを外して戸をうすく開け、外の様子をうかがう。あけがただ。まだ陽は登り切っておらず、ほのぐらい。

 ……とりあえずトイレ行こう。

 外へ出た。トイレは遠くなくて、すぐに辿り着く。用を足した後小川で手を洗っていると、ふいと、魔法つかえるのかな、と思う。

 ……小石がある。


 ちょっと悩んでから拾った。

「崩潰?」

 小石が砕けた。


 さらさらさらさら……と、砂粒になって手から滑り落ちてゆく。

 上質な小麦粉みたいに、細かくって均一だ。砂絵につかえそう。


「……あっ、あさごはんはなにかなっ?」

 なかったことにした。知らない知らない。小石? なんの話ですかね?

 綺麗かどうかわからんが、少し上流へ行って水をすくい、口をゆすいだ。あ、この水おいしい。

 咽が渇いていたが、おなかをこわしたくないのでやめておく。手についた砂は洗い流した。はい、もうしらないー。小石なんて最初っからなかったってことで。

 変な汗をかいていた。心臓がどきどきしている。え? え? 魔法ってあんな威力あるの? こわくない? つかいみちもねえわ。破壊にしか用いないでしょうよあんな魔法。

 さーっと離れへ戻った。ベッドへ転がって心臓が落ち着くまで待っていると、ナジさんが来た。

 体を起こす。「おはようございます」

「おはよう。よく眠れたかい?」

 はいと答える。嘘ではない。信じられないことに、命の危険にさらされていても人間は熟睡できる。

 ナジさんは、もう少ししたら朝ご飯だと云った。それと、各地への問い合わせの結果は、暫く待たないと解らないとも。

「不安だろうが、私たちのことは家族と思って、ゆっくり待っていなさい」

 引き攣った笑顔で頷いた。

 逃げるのは今じゃなくてもいい。多分。今逃げても右も左も解らなくって、きっと死ぬ。

「それと、わたし達はまた収穫に出る。暫く家をあけるが、家内にいってあるから、マオは心配しなくていい。ただし、なるたけ外には出ないでおくれ」

「はい……」

「シアナンは連絡を受け取るために残るし、大丈夫だから」

 じゃあご飯だとナジさんはにこにこ顔で出て行こうとする。と、立ち止まって振り向いた。「そうだ、ひまだろう。本が幾らかあるから、自由によんでいい。ここへ運んでおくからね」


 一時間後。食事をとって、みんなは荒れ地へ、収穫のため出発した。

 はなれへは、ダストくんが本を運んでくれている。情報収集の時間だ。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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[一言] ➤信じられないことに、命の危険にさらされていても人間は熟睡できる。 真緒さんだけですよ…
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