表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に飛ばされたら適職が「魔王」しかない  作者: 弓良 十矢 No War
買いものに行ったら帰り道が異世界につながっていた
20/6794

19

 

 四人ともきょとんとした。やった! 成功だ。

 聴いたこともない職業なら誤魔化せると思ったのだ。キャラメイクの時に見た「職業」に、仲居はなかった。おそらくこの世界に「仲居」という「職業」はない。

 ほっとした。お茶をすする。長老三人は顔を見合わせ、低声で喋る。「なかい……って聴いたことあるか?」

「ないな」

「どういう職業なのか見当もつかん」

「マオ」ナジさんが此方を向く。「その職業の加護は?」

 あれだな、職業にくっついてる特殊能力。えーと……。

「状態異常に強い……みたいな?」

 魔王のスキルのなかでも一番穏便そうなのを云ってみた。すると四人とも、おおっ、と驚く。

「状態異常軽減か」

「「護衛魔導士」や、「舞姫」と同じだな」

「どちらもめずらしい職業だ。「なかい」というのも、めずらしい職業なんだろう」


 ああ~よかったああ、多分乗り切った。よかったよおおお。


 お茶がおいしい、クッキーも。ぽりぽり食べながら長老達の会話を聴くともなく聴く。どうやら、「職業」を手掛かりに、出身地や住んでいたところを調べようとしてくれていたよう。もの凄く規模の大きい迷い子と思われているみたいだった。

 えっと。大体、適職は、十歳前後に調べる。「神降ろし」という「職業」のひとが適性を教えてくれる。

「職業」によっては、体格による有利不利があって、だから身長の伸び切った十六歳から二十歳くらいに「選択」する。パラメータと特集能力も大事なんだけど、それは、各地にある「い」(井かなあ?)でお伺いを立てれば判るらしい。

 たとえば、適職が「戦士」と「魔導士」で、魔力が高いし華奢だから「魔導士」、みたいに選ぶのだ。勿論、「職業」とは別に仕事を得る。だから、「戦士」でも農業をやっていいし、「魔導士」が拳でファイトしたってかまわない。

 ただ、すべての職業には「職業加護」がついている。戦士なら体力強化、魔導士なら魔力強化、というふうに。職業加護があるとないとでは大違いだから、かなり不名誉な名前の「職業」しかなくても選択するものみたい。

 選択は簡単。「い」で宣言するだけ。めでたく職を選ぶと、以降パラメータに表示される。仕事を得る時に有利であれば伝えるけど、「職業」を云わなくても雇ってくれるところはある。恐らく、日本での「資格」みたいな扱い。

 適職診断と宣言は記録されるのが慣例で、「い」での記録をさがせば少なくとも職を選んだ場所は解る筈、ということ。

「だから、マオのいた場所も解るかと思ってね」

「はあ。このお菓子おいしいですねえ」

 気付くとトレーが空だ。ダストくんがくすくすしながら自分の分をくれた。ありがとうと云って早速ぽりぽり食べる。

 長老達が微笑んでいる。ナジさんもクッキーをくれた。「問い合わせてみるから、暫くうちに居なさい」

「え。いいんですか?」

「困っている子を放っておいたらばちがあたる」

 でもでも、既に随分お世話になってしまっている。うーん、と考えてから、お金を持っていることを思い出した。

「あの、しゅくはくひよう、はらいます」

「ん?気にしなくていいんだよ」

「でも、持ってるので……これで足りますか?」

 ポーチからお財布を取り出した。中身を掴みだしてじゅうたんの上へ置く。貝がらが数枚と、銀貨も数枚。貨幣価値が解らんので、とりあえず掴めるだけだした。

 顔を上げると、四人が目を瞠っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ