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「そうび」

「ああ。ほら、あるだろ、魔力が高まるおまもりとか、体力を高める手袋だとか……」

 首を傾げた。

 セロベルさんはばつが悪そうに目を逸らす。「知らねえのな。まあ、あるんだよ色々」

 ゲームみたいだな。身に着けただけで攻撃力が増えるとか、そういうの。

「とにかくライティエは、年齢制限にひっかかっちまって入山できなかったってよ。等級40近くまで増やしたのが二十一歳の時で、突然魔力が高くなって、そこからつかえるようになったらしい」

「40って……凄いですね」

 俺はLv1だからな。二十歳前後っぽいイルクさんが等級20だったし、血のにじむような努力だったのだろう。

「因みに、今は等級50以上だと」

 すげー。


 装備品のことは気になったが、セロベルさんは警邏隊の仕事がある。帳簿を片付けて、警邏隊の鎧を着こんだセロベルさんを、グロッシェさんと送りだした。

 お風呂はいりたいなあ。……寒いけど、水浴びしようか。

 グロッシェさんとおやすみを云いあい、厨房の灯を落として、中庭へ出た。井戸がある。汲むのは手間だが、収納空間があるから運ぶのは簡単だ。お風呂がつかえる状態なのは間違いない。セロベルさんがすすめてくれたんだから。

 井戸を覗きこんだ。くらくてなにも見えん。灯持ってないし。

 桶を投げいれた。引きあげたら、なかのお水は収納空間へいれる。その繰り返しだ。

 一回で1Ⅼも汲めていないだろう。十回で5Ⅼくらいかな。それを考えると、果てしない。

 汲んでいると、水位が下がってきた。引きあげるのに時間がかかるから解る。お水、なくなりそう。


 予感は的中した。何十回目かで、木桶が井戸の底にあたったのだ。縄を持つ手に今までと違う感触があった。水がまったくない訳ではないが、汲めるほどの水位はない。

「……足りる? かな?」

 試すほかない。厩あらため湯殿へ針路をとる。

 裏庭はひっそりしていた。トゥアフェーノがすみっこで丸まっている。ダストくんが云うことをきかせられるから、昨日今日と、裏庭で大人しくしているのだ。ただ、一応傍の木に繋がれてはいた。

 一瞬トゥアフェーノが首をもたげ、こちらを見た。が、俺と解ると興味を失い、ふあっと欠伸をして丸まる。ちょっと驚いた。

 はやあしで湯殿へ辿りつく。お水、足りるかなあ?


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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