表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に飛ばされたら適職が「魔王」しかない  作者: 弓良 十矢 No War
気ままなリッター、ジーナの秘密
1447/6872

1364


 お水は頻繁に、サッディレくんや、リエナさん、グロッシェさんにもらっている。マイファレット嬢や傭兵達も、俺が頼むとこだわりなくお水を出してくれる。たまにだけど、市場でお水を売っている氾濫士も居て、俺は40l銀貨1枚で売っているのを何度か買った。

 エウゼくんが俺の収納空間を勝手に開けた時に比べて、お水の量は相当増えているのだ。詰まり、お水が出てくる勢いも、桁が違う。

 悲鳴らしきものが聴こえたような、聴こえなかったような。まあどっちでもいいや。アフィテルディはもんどりうって外へ転がっていった。俺は収納空間を閉じて、振り返る。「セロベルさんごめん、床が濡れちゃった」

 セロベルさんは口を開け、閉じ、開ける。

「いや。別に、大丈夫だ」

「よかったー」扉を閉めた。「じゃあ、俺お菓子つくらなきゃなので」

 あしどり軽く、厨房へ戻った。あんなん人間じゃないからあれくらいの扱いでいいんだよ。俺は腹が立っているのだ。大体、あの量の貝貨を一週間もせずにつかいきるかね?

 サキくんとハーヴィくんは居なくなっている。ハーヴィくんが、あの男の声で怯えてしまったのだろう。相当嫌っているみたいだったし。……多分、私娼として働かせるってのは、あの男が云いだしたんじゃないのかな。そう云うのくわしそうだったから。ハーヴィくんのお姉さんは、あいつの云うなりなのだろう。

 胃がむかむかしてきた。吐きそう。あいつ、二度と顔も見たくない。


「マオ」

 セロベルさんが追ってきた。俺はエプロンを着け、手を洗っている。「……はい?」

「あいつ、警邏隊にふん縛ってもらった」

 仰ぐ。セロベルさんは頷く。「迷惑行為だからな。まあ、注意されて終わりだろう。酔っ払ってるみたいだったから」

「……そうですか」

「お前、ちゃんと考えて行動しろよ。目をつけられるぜ」

「はあ。すみません。腹が立ったので」

 手を拭う。注意で無罪放免か。ハーヴィくんが、誰の指示でもなく自分で私娼をやっていたと云っているから、どうしようもないのだ。家族がハーヴィくんに会いたがっても、本来なら追い返せない。ハーヴィくんが怯えているから、ハーヴィくんが会いたがっていません、でなら追い返せるけど。

 どうしようかなほんとに。ひきつぶしてやりたい。

「俺が目をつけられるくらいはいいですよ」

「よくねえよ……」

「じゃあ、ハーヴィくんはどうなるんですか? 私娼やれって云いだしたの、多分あいつですよ」

 セロベルさんは唸る。ハーヴィくんに私娼をさせていたのが誰かについては、俺と同意見のようだ。ハーヴィくんへ直に命じていたのはお姉さんだろうが、発案者はあいつ。お金がもっと欲しいから、弟に稼げる仕事をさせたらどうだ、みたいに、誘導したんだろう。

「……とにかく、今のところ心配はない。警邏隊がハーヴィの後見人になってる。実の姉でもその夫でも、自由にはできない。でも、それは今の話だぜ」

「俺は断固、ハーヴィくんは返しません。ハーヴィくんに危害は加えないと証人をたてて誓うくらいするなら別ですけど」

 まあ、そんなことするくらいなら、初めから私娼なんてさせないと思うけれどね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ