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雀躍!ぷりんせす☆彡 キャラコ・ヨタキ 2

 

 コマが舞台からはけ、大柄な男性ふたりが出てきて、重たいものを持ち上げたり、観客を抱えて走ったりしている。キャラコはそれを見るでもなく見ながら、サーカスにはいれないかを考えている。大勢の前だと緊張する癖がなんとかならない限り、無理だろうか。

 ぼーっとするキャラコの目に、軽業をしていた女の子達がうつった。化粧を落としに行くのか、お喋りしながら即席の舞台の裏から出てくる。あちらに演者が集まっているらしい。座長が居たら……。

 キャラコはそちらへ歩いて行った。キョウスケのことはすっかり頭から抜け落ちている。とりあえず、サーカスにはいれないかを訊くだけでも、と、そればかりが頭のなかをぐるぐるしている。

 舞台の裏にまわると、馬車が数台停まっていた。そっと近寄る。低めた話し声がした。「もうちょっとしっかりしたものをつくってやりたかったんだが……」

「なにを云ってる、充分だ。さすがは築城家だよ」

「分断されちまったのが痛かったなあ。道具は全部、リコの馬車にのせちまったから」

「あっちはあっちで大変みたいだぜ。コマが居ないんで、スルミッチェがすねちまって」

「マルグニシェンもスルミッチェも、コマの云うことしかきかないからなあ」


「ぬすみぎき?」

 びくっとした。

 振り向く。舞台裏の壁に寄りかかって、あの女の子が居た。あの……熊と舞台にあがっていた、コマと云う女の子が。

 舞台上ではきりっと引き締まった、大人びた表情をみせていたが、舞台を降りると笑顔が可愛らしい。身長は、キャラコの胸くらい。十歳前後……だろうか。痩せていて、肩幅がせまい。舞台衣装の上にローブを羽織っていたが、肩からずり落ちそうだ。

 コマはぴょんと、キャラコの前まで跳んだ。ちょっと吊り目で、目付きはよくない。瞳は黒で、きらきらしていた。「ぬすみぎきは、よくないのだ」

「……あ。えっと。……ごめん」

「ふしんしゃ、は、座長にひきわたす、のだ」

 キャラコは慌てる。こう云うのは第一印象が大切だ。不審者として引き渡されるのは拙い。

「あの。勝手にはいってごめんなさい、わたし、実は、サーカスに興味があって。結構、力もあるし、その、」

()()()()?」

 コマは首をぐいっと傾ける。瞠られた目が無患子のようで、ちょっとこわい。

 コマが更に近付いてきた。キャラコは後退る。

 馬車の間をぬけた。なにかにぶつかる。大きな楠だった。

 コマが木にへばりつくキャラコの目前で停まった。「こ。……コマちゃん?」

「さーかす、なんて云わないのだ。()()()()()()()

 こっちのひと。

 ……裾野のひと、と云う意味合いでは、ない……ようだ。コマは上目で睨んでくる。

「おねえさん。異世界のひとなのだ?」

 頭がまっしろになった。


 キャラコがまっさきにやったのは、偽装だ。それを、コマにつかった。他人にだってつかえるのは立証済みだ。それは詰まり、他人のパラメータを見ることができる、ということで。

 キャラコには見えた。


 千葉駒(チバ・コマ)

 体力:良 魔力:優 運:??  職業加護によるパラメータの上昇を見る⇒

≪黒騎士≫

 LV.4

 特殊能力:

「悪しき魂」「言語:異世界Lv.2」「伝糸」「収納空間:Lv.3」「不倒」


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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