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4.女への価値観

「わかった!」


俺の命令にも似た呼びかけを聞いて、

ミナミは、

嬉しそうに店内に入っていった。

さっき冷たい態度とられた分、

頼りにされたことが、

たぶん嬉しかったんだろう。


でも、悪ィな。

頼りになんか、

まったくしてねぇから。


女なんて面倒な生き物だ。


感情的になって、

笑って、騒いで、泣いて。

本当にうっとぉしい。


俺の中での

女の存在価値は、

金とSEXの相手ってコトだけだ。

それ以外に、

何の価値も見出せない。


いつから、

女に対してこんな考え方をしてるのか、

わからない。

ただ、

気付いたときには、

男も女も、

おれにとっては、

さほど存在価値はねぇ。


遊び友達は、

腐るほどいる。

でも、それも、

『友達』なんて言葉は

使いたくないほどだ。


俺は、

人間という生き物自体を、

信じてない。


『友達』って何だ?

『恋人』って何だ?

『家族』って何なんだ。


結局、人間はみんな一人だ。

そして自分だけの事しか考えない、

卑怯な生き物だ。

結局みんな馴れ合いの集まりじゃねえか。


自分が一番大事なんだから、

俺は自分に有益であるものは、

それがたとえ誰であろうと、

利用するものは利用する。


それが俺の生き方だ。



俺は、ミナミが店の中に入ったスキに

こっから逃げることを、

思いついた。


嘔吐感がさらに増さないように

最小限の力で

ゆっくりと立ち上がった。



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