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高校生のパパ  作者: 凰火
2/17

パパだけど高校生です

???

「起きて…ねぇ起きてよ〜」


俺は誰かに揺さぶられていた


???

「うぅ〜あと50分…」


???

「それだと遅刻するよ〜、今日はパパの始業式なんでしょ〜」


???

「そうだった!完全に忘れてた!」


俺は起き上がり、急いで制服に着替えた


???

「パパそれ、中学の制服だよ」


???

「あ、本当だ、ありがとな由奈」


内ポケットに中学のときのクラスと番号、あと俺の名前、佐伯拓真(さえき たくま)と書かれた名札が付いていた


由奈

「お姉ちゃんと叔母さんが朝食を作ってるから早く降りて来てね」


拓真

「あぁ、わかった」


由奈(ゆな)とその姉である由美(ゆみ)は双子だ

けれど見た目と性格で判別可能だ

俺は初めて着る高校の制服に着替え、リビングに向かった


拓真

「おはよう母さん、おはよう由美」


と俺は自分の母と娘に挨拶をした


「おはよう拓真」


由美

「おはようございますお父さん」


やっぱり由奈より由美のほうが丁寧だな

見た目の判別だが、由奈は基本的に髪型はツインテール、由美は基本的に髪型はポニーテールだ

顔がほぼ同じなので見た目は髪型で見分けている

たまに髪型を交換して俺をからかうが、そのときは仕草や性格で見分けている


由奈

「パパ全然起きなかんだよ〜」


由美

「お父さん、次はもっと早く起きてください」


拓真

「めんもくない」


「ほら、ご飯できたからささっと食べて学校に行きなさい」


拓真、由美、由奈

「は〜い」


俺、由美、由奈の3人は朝食を食べて学校に向かった


拓真

「由美と由奈は今年から中等部だったけ?」


俺が通っている、私立笹神学園は中高一貫の学園である、創立者は学園の名前になってる笹神財閥の人らしい


由奈

「そうだよ〜」


由美

「今年からお父さんと一緒の学校だよ」


拓真

「確かにそうだな」


由美と由奈が家にきて2週間、解ったことは2人の見分け方、年齢、あとなぜか俺のことを本当の父親みたいに慕ってくれていることだけだ


拓真

「いいか、学校内で俺に会ったとしても『パパ』や『お父さん』って呼んだらダメだからな」


由美、由奈

「何で?」


拓真

「高校生で子持ちはマズイからだ」


由美、由奈

「わかった」


拓真

「じゃあ高等部はこっちだからまたあとでな」


由美

「はい」


由奈

「迎えに来てよ〜」


俺は2人に手を振りながら入口前の掲示板に向かった


拓真

「俺の名前は〜あった、1年2組だな」


俺は1年2組の教室に向かった


???

「よぉ!拓真、今年1年間よろしくな」


拓真

「おぉ大介、お前と同じクラスか、こちらこそよろしくな」


俺に話し掛けてきたこいつは、前谷大介(まえたに だいすけ)

まぁ簡単に言うと中等部のときに知り合った友達だ


大介

「あと亮助と光希も一緒だ」


拓真

「そうか、あいつらも一緒か」


小鳥遊亮助(たかなし りょうすけ)花沢光希(はなざわ みき)も中等部のときの友達だ

大介と亮助とは一緒にバカをやっては時期もある

光希はなぜか俺にだけ罵声を浴びせるが、いつの間にか近くにいる

大介と亮助曰く、ツンデレらしい……俺には意味が分からん


亮助

「よぉ拓真、今年1年は暇にならずにすみそうだ」


拓真

「確かにお前らがいると暇にならんな」



光希

「なんだ、また拓真と一緒か…う、嬉しくないし、非常に残念だな〜」


拓真

「あはは〜今日も光希の言葉には毒があるな〜」


大介

「はぁ、いい加減素直にしないと取られるぞ、光希」


亮助

「そうだぞ、拓真は意外と女子から人気なんだから、そろそろ行動するはずだ」


光希

「わ、私には関係ないもん!」


光希はふん、って言って俺から顔を背けた


亮助

「そうだ拓真、朝可愛い中等部の女の子2人と一緒に登校してただろ」


光希

「え!」


大介

「おぉ拓真〜詳しく聞かせてもらおうか〜」


光希

「そ、そうよ!詳しく聞かせなさい!」


拓真

「わ、分かったから光希、首は絞めないで〜」


鬼の形相で光希は俺の首を両手で絞めていた


光希

「あ、ごめん」


拓真

「げほげほ、光希の首絞めは軽く人を殺すぞ」


光希

「そんなつもりないのに〜」


大介

「まあまあ、それより拓真、話を聞かせろ」


拓真

「親戚の子だ、この学園に通うから今は家で預かっているんだ」


亮助

「ふ〜ん、良かったな光希」


光希

「え?なんで私?」


大介

「まぁ拓真はあんまり嘘はつかないからな」


実際あの2人は姉さんの子どもだから本当なら俺の姪にあたるから嘘はついていない……

けど、少し前に戸籍を見たら俺の子どもとして登録してあった、さすが姉さん抜かりがない


拓真

「そう言えばもうすぐ始業式が始まるんじゃね?」


周りの奴らは体育館に移動し始めていた


大介

「うわ、まじだ、行くぞ」


俺たちは無駄にデカイ体育館に移動した

この学園の体育館は中等部と高等部の生徒全員入っても余裕があるくらい広い

まぁ学園の敷地がアホみたいに広いからかもしれない

そしてこの学園の始業式は中等部と高等部は同時に開催される、理由はあとでわかる

俺たちは自分達のクラスが割り当てられた場所に移動した


先生

「え〜ただいまから始業式を始めます」


先生が言い終わると、いきなり体育館が真っ暗になった


拓真

「またいつものあれか…」


大介

「あぁ、あれだな」


そして照明の光が空中に照らされて、そこに初老の男性がいた


学園長

「皆元気にしておったかー、おっと中等部の1年生は初めてじゃったな、どうもワシがこの学園の創設者であり現在の学園長じゃ」


そうここの学園長は普通の登場のしかたはしない、絶対何かの演出を入れる

今回はたぶん天井からワイヤーでぶら下がっているんだろうな

ライトに照らされながら降りてきた学園長が置いてあったマイクの前に立つと、一気に体育館が明るくなった


拓真

「ぅくっ」


一気に明るくなったせいで眼が一瞬見えなくなった


学園長

「それでは諸君、長々と話すのは退屈だろうから、一言だけ言おう……1年間皆仲良く、そして病気や怪我の無いように過ごすのじゃぞ!」


うわめっちゃ短い


先生

「それでは今から中等部2人、高等部2人でチームを作って下さい、男女比は気にしなくていいですよー、それでは始めて下さい」


先生が言い終わると皆動き出した


???

「パパ見っけ」


拓真

「由奈、それはダメって言っただろ」


由奈

「あぅ〜ごめんなさい」


由美

「由奈、お父さんと似ているからって叔父さんに失礼でしょ」


由美ナイス、周りの奴らが怪しい目で見ていたのをさっき気づいたから出遅れてた


拓真

「取り合えずこれで中等部2人確保、あと高等部1人…」


光希発見、けどあえてその近くにいる亮助に手を伸ばす


光希

「拓真、組もう」


伸ばした手を横から握られた


拓真

「イダダ、わ、わかったから、手を離して〜」


光希の握力は恐ろしい

危うく骨が折れるところだった

俺たちは床に座り、終わるのを待った


由奈

「ねぇパパっ…」


俺は咄嗟に由奈の口を手で塞いだ


光希

「ねぇ拓真、今この子拓真のことパパって言わなかった?」


拓真

「気のせいだ」


光希

「じゃあなんで口を手で塞いでるのかな〜」


拓真

「あはは〜」


俺は由奈から手を離した


由奈

「叔父さん、またパパと間違えちゃった〜」


拓真

「俺と義兄さんは似ているからな〜あはは」


光希

「なんだ間違えだったの」


由美

「叔父さん、これからなにがあるの?」


拓真

「もうすぐわかるよ」


学園長がマイクを取った


学園長

「今からまず最初にお互いに自己紹介をしろ、そのあとにワシがこの学園のどこかにお年玉を用意した、全部で五ヵ所じゃ、それぞれの場所にはちゃんと4つ用意してあるから、見つけたチームはすぐに体育館に戻ってくるのじゃぞ」


そうこの学園は始業式に学園長が用意したお年玉を探すゲームが行われる

別に生活費には困ってないが、小遣いとして手に入れたいものだ


拓真

「と言うことで光希、こいつらは姪の佐伯由美と由奈だ、由美、由奈、こいつは俺のクラスメイトの花沢光希だ」


俺が端的に言い終わるとすぐに立ち上がり走った


光希

「ちょと私どっちがどっちなのかわからないよ」


拓真

「ツインテが由奈で、ポニテが由美だ」


光希が走りながら聞いてきた、一応走る速度は由美と由奈に合わせて減速している


拓真

「由美、由奈、きつくなったら言えよ、抱えてやるから」


由美、由奈

「うん」


光希

「私は?」


拓真

「光希は体力有り余っているだろ」


光希

「拓真のバカ…」


拓真

「何か言った?」


光希

「学園長室に行こうって言ったの」


拓真

「俺はこの近くにある中等部の生徒会室だと思うぞ」


光希

「ならそっちに行こう」


生徒会室にて


拓真

「封筒発見!」


光希

「えぇー」


由美

「叔父さんスゴーイ」


由奈

「さすがパ、叔父さん」


拓真

「まぁこのゲームの主旨を考えたらここだろうと思っただけだ」


光希

「そう言えばこのゲームの主旨って……」


拓真

「中等部の生徒に高等部の生徒が学園内を案内させる、だ」


由美

「それで高等部の生徒会室じゃなくて、中等部の生徒会室なんですね」


拓真

「そうゆうこと」


光希

「早く体育館に戻ろう」


拓真

「と、その前に光希、今俺が両肩に手を置いている子の名前わかるか?」


光希

「えっと、由奈ちゃん?」


拓真

「ハズレ、由美だ」


由美

「先輩、髪型がツインテールなのが由奈です」


光希

「じゃあ聞くけど私の名前覚えてる?」


由美、由奈

「花沢光希先輩」


光希

「…正解」


拓真

「まぁ落ち込むな光希」


光希

「落ち込んでないもん」


拓真

「そうか、なら行こうか」


俺たちは再び走って体育館に移動した


拓真

「学園長、持って来ました」


学園長

「うむ、おぬしは佐伯拓真だったかの?」


拓真

「そうです」


学園長

「では尋ねよう、そこにいるメンバー全員のフルネームを言えるか?」


拓真

「はい、そこのツインテールの女の子は佐伯由奈、そして、ポニーテールの女の子は佐伯由美、最後に花沢光希」


学園長

「では、ぬしら名前を順番に言うのじゃ」


由奈

「佐伯由奈です」


由美

「佐伯由美です」


光希

「花沢光希です」


学園長

「全員正解、ご褒美じゃ」


俺たちは手に持っていた封筒と学園長が持っている封筒を交換した

封筒は少し厚みがあった


学園長

「ぬしらが一番早かったから少し多めに入れてあるからな」


厚さからして三十枚は入っているぞ

つまり、千円札の束なら三万、万札なら三十万入っていることになる

学園長…太っ腹すぎ

他の生徒がちらほら見え始めた

大抵の生徒はこのゲームの主旨を知らないからな、学園内を走り回って探したんだろうな


拓真

「そろそろゲームも終わるだろうな」


光希

「拓真…さっき封筒の中身数えたけど三十万あった」


拓真

「ん?そうか、わかった」


光希

「驚かないの?三十万だよ」


拓真

「封筒の厚さから中身が三万か三十万って予想してたからな」


光希

「よく封筒の厚さでわかるね」


拓真

「まあな」


由奈

「パ、叔父さんこれが終わったら買い物に行こう」


由美

「叔父さん、私も行きたいです」


拓真

「わかったよ、お昼食べたら行こうな」


光希

「私も…」


学園長

「皆のもの褒美が無くなったから、これにて終了、ただちに体育館に集合じゃ」


たぶん学園全体に放送されたのは学園長によるゲーム終了の知らせだった


拓真

「光希、学園長の声で聞こえなかったが、何て言ったんだ?」


光希

「もういい」


ゴス


腹にストレートをくらった


拓真

「うぐっ、な、なにするんだ…」


光希

「拓真のバーカ」


光希はそのまま行ってしまった


拓真

「…由美と由奈もそろそろ戻った方がいいぞ」


由美、由奈

「はーい」


2人は返事をすると中等部の列の方に行った

俺は2人を見届けてから、最初の位置に戻った





はいどうも、三作品目ですけど、他の二作品はまだ完結してない

なので更新は私の気分しだいで更新します

それではノシ

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