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高校生のパパ  作者: 凰火
13/17

災害は災難へと…

俺、佐伯拓真は学園では普通に暮らして、普通に恋をしたいと思っていました。けど、最近になってそれは無理に近いと思っています。

何故なら、まず俺は普通の人間ではないと周りの人に気づかれて、オマケに忘れていた許嫁(仮)まで出てきたからだ。


拓真

「俺…独り身で人生終わるのかな?」


白河

「何言っているんですか拓真さん?許嫁である私がいる限り独り身じゃないですよ」


昼休み、昼食を食べながら他人に聞こえないように呟いたはずなんだが、白河さんには聞こえたらしい。


由美

「お父さん、私たちがいるじゃないですか」


由奈

「そうだよパパ、私がいるから独りじゃないよ」


拓真

「…由美、由奈、俺はいい娘を持ったよ」


右手で由美の頭を撫でて、左手で由奈の頭を撫でようとして、手が止まった。

何故ならいつも由奈が座っている場所には今、白河さんが座っているからだ。

ちなみに由奈は白河さんの隣に座っている。


白河

「あれ?撫でてくれないんですか?」


拓真

「撫でないよ」


俺の左手は白河さんの頭に触れる寸前で止まっている。


白河

「残念です」


白河さんは少し落ち込んだ顔になった。


由奈

「由美ばっかり撫でてもらってズルい!」


拓真

「あ、すまんすまん」


俺は左手で由奈を手招きして、由奈が近くに来てから頭を撫でた。


大介

「こうして見てると、本当に拓真が親のように見えるよな」


亮助

「あぁ、でいつか拓真は白河さんと結婚するんだろ?いいよな〜」


光希

「…負けないもん」


拓真

「光希、何に負けないんだ?」


光希

「た、拓真には関係ないよ!」


拓真

「?」


光希は急に顔を赤くして弁当を一気に食べた。


拓真

「光希、そんなに一気に食べるとつ…」


光希

「ん!んん!?」


拓真

「言わんこっちゃない。」


光希は食べ物を喉に詰まらせたようだ。

俺は自分のお茶の入ったペットボトルを渡した。


光希

「んっんっん…はぁ、た助かった〜」


拓真

「大丈夫か?」


光希

「う、うん。ありがとう。…て、これ拓真が飲んでたヤツじゃ…」


拓真

「ん?そうだけど?」


光希

「…//////!」


光希の顔は一瞬で真っ赤になった。


拓真

「…取り合えずそれ、返してくれないか?」


光希

「!?!?」


バキバキ!


拓真

「…新しいの買って来る」


光希が両手で持っていたペットボトルは、光希の手によって握り潰された。


光希

「…あ、ごめん」


拓真

「別にいいよ。気にしてないから」


俺は光希の頭を軽く手を置いて、教室を出た。


大介

「光希、良かったな」


光希

「な、何がよ」


亮助

「拓真との間接キス、どうだった?」


光希

「バカ!」







拓真

「さて、どれにしようかな?」


俺は購買の近くの自販機で買う飲み物を選んでいた。


拓真

「…まともな物がないな」


一般的な自販機に売ってある飲み物は無く、この学園で開発された飲み物らしき物が並んであった。


拓真

「…電気サイダー、…スプラッシュサイダー、…寒冷サイダー、ってサイダーしか無いのかよ?!」


思わずため息が出そうになった。

俺は別の自販機を探した。


拓真

「お、今度は普通のやつが売ってある」


見つけた自販機にはお茶など、一般的な飲み物があった。

俺はペットボトルのお茶を買って、教室に戻った。




拓真

「…ねぇ、白河さん」


白河

「はい、何ですか?」


拓真

「いい加減離れてくれない?」


白河

「嫌です♪」


拓真

「はぁ…」


教室に戻り昼食を食べ終わると、白河さんが左腕に抱きついて離れてくれないでいた。


???

「拓真!」


拓真

「え?うわ!?」


声がした方を見ると、鉄球が飛んで来てた。

俺は咄嗟に白河さんを投げ飛ばし、武器が入ってるバックを掴んで、窓から飛び降りた。


ガチャン!


鉄球が窓を壊す音を聞きながら、地面に着地した。


拓真

「流石に二階から飛び降りて来ないだろう」


ズドン!


俺のすぐ後ろに何か重い物が地面に落ちた音がした。

俺は恐る恐る振り向くと…


彩夏

「た〜く〜ま〜」


そこには鉄球を頭上で振り回し、臨戦態勢の彩夏がいた。


拓真

「な、何で彩夏が怒っているんだよ…」


彩夏は大変ご立腹のようで、如何にも俺に鉄球を投げ飛ばす気満々である。


彩夏

「拓真には関係ない!」


拓真

「ぬわ!?」


彩夏は言い終わると同時に鉄球を投げ飛ばしてきた。俺は左に回避して、彩夏の動きを止めるために、彩夏に接近した。


彩夏

「甘い!」


彩夏は鎖を少し引っ張り、左に回転した。


拓真

「え?!」


鎖が俺に当たり、鉄球が周りをぐるぐる回り、鎖がどんどん絡まってくる。


拓真

「お、重い…」


俺と彩夏の間に伸びた鎖に鉄球が絡み付いて、鉄球の重さで動けなくなった。


彩夏

「捕獲完了♪」


拓真

「指鳴らしながら笑顔で言わないでください。今の状況だと、普通に怖いです」


彩夏

「さぁゆっくり話ましょう。返答しだいで拓真に痛みが走るけど」


拓真

「それ話じゃなくて、拷問じゃないですか!?」


彩夏

「大丈夫、ちゃんと話せば骨一本で許してあげる」


拓真

「鬼だ…」


彩夏

「私、力には自信あるんだ〜」


拓真

「…知って、ぬわ?!」


彩夏は俺の近くまで来て鎖を掴み、一回転して投げた。鉄球ごと俺を…


拓真

「…ぐふ!」


鎖の長さの限界か彩夏が止めたのか分からないが、急に鎖が引っ張られ、空中で一瞬止まり、落下した。

当然鎖が引っ張られた瞬間、全身に痛みが走った。


拓真

「…し、締まる〜」


落下する時、鎖がどこかに引っ掛かり、俺は宙ぶらりんになり、鉄球の重さで、俺に巻き付いている鎖が徐々に締め付けられていた。


彩夏

「お〜、見事に引っ掛かってる」


拓真

「ぐぬ、ぬ〜」


仕組みがよく解らないが、彩夏は右手の袖に鎖を戻しながら、近づいて来た。

俺は両手を動けるだけ動かし、かろうじて落とさなかったバックの中からサブマシンガンを取り出し、彩夏から伸びてる鎖を狙って撃った。


彩夏

「ちょ!?危ないじゃない!」


彩夏は自分が狙われていると思ったのか、あちこち動き回った。


拓真

「チャンス!」


鎖が引っ張られ、上に上がった瞬間、銃口を少し上に向けて撃ち、鎖を破壊した。


拓真

「ぬわー!?…イテ!!」


鎖が壊れた瞬間、鉄球の重さのせいで凄いスピードで地面に落ちた。


彩夏

「あ!私の武器を壊したね!」


拓真

「壊すように仕向けたのはそっち」


俺は体に巻き付いている鎖を外し、バックからサブマシンガンのマガジンを取り出し、交換した。


拓真

「で?どうする?このまま武器なしで殺るのか?」


彩夏

「降参。流石に銃相手に遠距離戦は勝てないもん」


彩夏は両手を上げて降参のポーズをした。


拓真

「…はぁ、今日は厄日だな」


朝から戦いがあったしな、今日は


彩夏

「はぁ、今日は支部に寄って帰らないといけなくなったじゃない」


拓真

「奇襲した彩夏が悪い」


彩夏

「む〜」


彩夏は抗議するような目で睨んできたが、俺は無視した。


拓真

「まったく、弾は無料じゃないんだから無駄に撃たせるなよ」


俺は地面に落ちている空薬莢を掃除しながら彩夏に言った。


彩夏

「何で私に言うの?」


拓真

「撃つ原因になったから」


彩夏

「もともと拓真が…」


???

「拓真さーん!大丈夫でしたか!」


ゴス!と脆い音が聞こえ、横から何か重い衝撃と共に、近くの壁に激突した。


拓真

「…白河さん、たった今、大丈夫じゃなくなった」


俺は飛んで来てた白河さんを確認して、目の前が真っ暗になった。





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