2話 魔法と令嬢
「英雄様、突然で悪いのですが、自室に案内する前に【魔力鑑定】を受けていただきます。ついてきてください。」
「魔力……てことは、魔法とか使えるってことか!?」
「えぇ、そうですね。どの魔法に適性があるか確認をいたします。」
おぉぉぉぉ…!!テンション上がってきたぜぇ…!魔法ってアレだろ!?手から火球出したり、雷召喚したり、爆発起こしたりするアレだろ!?くぅ――ッ!!異世界最高かよっ!
「ちなみに、ルシアは魔法…使えるのか?」
「そうですね…。使える、というより得意です。特に雷魔法ですね。これは自慢ですが、一応王宮内で1番の使い手なんですよ?えっへん。」
「えっすご…。」
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「残念だが、魔力は多い方なのに魔法の素質はてんでないね。使える見込みは無いと思った方がいい。」
………だそうです。さよなら魔法。こんにちはステゴロ。もしくは剣。
あ〜〜〜〜!!!モチベ消えた!戦うモチベ消えたぁ〜!!あ〜〜あ!!
と、落ち込んでいるとルシアがフォローしてくれた。
「え、英雄様っ!その…、属性魔法が使えなくとも、身体強化や《固有魔法》は問題なく使える…はずです!」
身体強化って……結局ステゴロか剣じゃん。いや悪かないんだけどね?
――ってちょっと待て。固有魔法って?
「ええと、《固有魔法》とは、人間の想いや人生の結晶である…と言われています。習得するには多大な戦闘経験と感情の高ぶりが必要…らしいです。また、発動する際には属性魔法と違い詠唱が必要になる…と。」
なるほどね…。結局、すぐ使える代物ではないのか。それにルシアの口ぶりからすると…
「もしかして、ルシアでもまだ使えない感じ?」
「はい…。お恥ずかしながら…。」
「おっと、侯爵家始まって以来の天才と言われているルシア嬢でも無理なのかい……。」
なんか、鑑定士の婆さんが急に入ってきたんだが。ん?侯爵家……侯爵家!?ヤバいじゃん、お偉いさんじゃん!!タメ口きいちゃったよ!
「ルシア…いやルシアさん…?あなたもしかして侯爵令嬢……様……?」
「えぇっと、確かにそうです…が!私より英雄様の方が立場は上なので!敬語は辞めてください!!」
「えっそうなの!?俺一般人だよ…?」
「前の世界ではそうだったかもしれません……ですが、この世界で魔王を倒してきた過去の英雄様方は、その手柄により伯爵や公爵、中には王族になった方もおられます。」
「わぉ、すんごい。」
「それに、既に私は英雄様の部下…?配下…?という立場にあります。なので権限は英雄様の方が上ですし、一応……私に何をしてもよい、というふうになっています。ですからタメ口程度は何の問題にもなりません。」
…………ガチでか。この美少女に何をしてもいいとか、マジですか。いや別にエロいこととか考えてないです。誓って。ガチのマジで。
「オーケー、分かった。その…何をしてもいいっていうのは、本当なのか?」
「えーと、まぁその…はい、そうです…。」
「なるほどね。それじゃあルシア君に命令です!」
「へっ!?」
ルシア…なんか顔赤くない?もしかしてエロい事考えたんじゃないでしょうね。まったく、俺は欠片もそんな事考えてないのに、嘆かわしい。
……ほんとに考えてないよ?
「それじゃあ、今後俺のことは英雄様ではなく、名前で呼ぶこと!」
「………あっ、そういう…。了解しました!ハルキ様!」
様付けは変わらないのね…。ホントは敬語も外させたかったんだけど、出会って1日だしまだいいか。それと、
(エッチな事じゃなくて良かったぁ……!)
という小声が聞こえたんだが、まったくもってエロい事を考えてない俺はもちろんそれを無視した。
「………あんたら、イチャイチャするなら速く出てってくれんかね。あたしも忙しいんだけど。」
うん…ごめん婆さん。
ハルキ:むっつり。魔法使えないので剣士√一択。
ルシア:むっつり。魔法の才能が凄いらしい。
婆さん:基本聞き専で若人の邪魔をしないいい人。それはそれとして居座られたら困る。




