大金星!
目の前が一面灰色だった。
多分、鉄骨とかが降ってきたのかな。
鉄の匂いもする…ような気もするし。
ちょうど俺が歩いてた所に鉄骨が降ってくるなんて事あるの?
マジで今日は運が悪いらしい。
悲鳴だとか、ピーポーパーポーうるさいし、。
全身痛すぎ。
これは死ぬわ………。
そう思ってからあっという間に…。いや、そうでもないな。
多分、2、3分後くらいに…。彼、武田隆二は死亡した。
ん。
なんだ、これ。感触がねえ。
真っ暗だ。
死んだ後の表現でよく真っ暗って表される事よくあるけど、ほんとに真っ暗だ。
確か…鉄骨に押し潰されて死んだんだよな…?俺…。
なんだ、その死因は。最後の最後まで運わりいじゃんかよ。
てかどうなってるの?俺、これ。こんな事考えてていいのか?
「うう、」
なんかちょっと五感が戻ってきた。
うわ!眩しっ!!!
真っ暗って、俺、目瞑ってただけか。
ちょっとずつ瞼をあけてって…。
「んん、青い。」
すんごい青い。綺麗な空だ。
バシャッ…
なんか触った。
ああ、草だ。手に土がついてる。汚ね。
………。
うーん…。これは、多分、草原かなんかに寝転がってる…?
ゆっっっくりと体を起こして……。
うう!立ち眩みがヤバイ!!!
………。
…………。
………………。
治ったあ。
「よいしょっと…。」
なんとか体を起こして、一応座ってるような体型になれた。
「でもってここは…?」
…
「え」
「は?」
「マジでどこだよ、ここ……」
さっきまでは街中の歩道にいたのに。
今、俺のまわりには、見たことのない広大な草原。
そして、画面の中でしか見たことのないような生き物たちが、たしかにそこに存在していたのだった…。