あなたは誕生日に良い思い出はありますか?
突然ですが私は誕生日が嫌いです!
年を一つ取ってしまうのも若干ありますが。
それよりも誕生日には碌な思い出が無いからです。
まず小さい頃は3月24日なので通知簿が返ってきます。
ヤンチャな私の評価が良いはずもなく祝われる前に叱られてしまい喜べませんでした。
それでも、忘れられるのも嫌なので社会人になってからは自分の誕生日を親しい人に祝って貰えるように自分でアピール&プロデュース。
しかし、その後も順調にイヤな思いが続き、彼女にフラれたり。喧嘩に巻き込まれ病院送りにされたり。事故に巻き込まれて単車がオシャカになったり。正に振ったり殴られたり事故られたりの出来事が続きました。
そして、極めつけが忘れもしない24歳の誕生日の事です。
その日は高級料亭に母と連れてお食事をしようと予約を入れました。
チョット値が張るので銀行から数万円を引き出し封筒へ。
そのまま仕事に行き(引っ越し作業に奮闘)一件目の作業が終わり昼食になりました。ご飯を買いに行こうとトラックの中に隠していたセカンドバッグを取り出そうとすると……。どこにも見当たりません! 携帯も入っていたので慌てて同僚に電話を掛けてもらうが『電源が入っていないため……』と応答されるばかり。
途方に暮れつつも銀行やらカードやらを停止するために午後からの仕事をキャンセル。手続きを終えたところでフッと今日の午後の予定を思い出します。そう高級料亭の予約……。更に慌てたまま事情を説明しキャンセルの電話を入れました。すると何故か電話口が料亭の女将に変わりその女将さんが私に告げるのです。
「アンタさんは今日大事な日なんでしょ。お代は後でええさかいに今日はうちで食事していきなはれ」と……。正直、予約の電話一本入れただけの顔も合したこともない単なるお客に言える台詞ではないと思います。その言葉に感動した私は今度は母親に電話をして事情説明。どうにか10万円を借りつけお食事に出掛けました。
美味しい煌びやかなお食事を頂きデザートと共に女将さんが登場。母に花束を差し出します。母が少し笑いながら受け取り、女将さんが退室した後にそっと私に手渡してくれました「お誕生日おめでとう」と……。
その後、私の誕生日はそのことを思い出し感謝をする日に成っています。
美味しい料理と真心を女将さんありがとう!