夜の雪原(留萌~札幌)
経路
留萌本線(留萌~深川)
函館本線(深川~岩見沢)
函館本線(岩見沢~札幌)
留萌駅から再び留萌線の列車に乗って深川駅に戻ります。ここで一つ、留萌駅のわがまちご当地入場券を購入するのを忘れました。何やってんだぁっ! と列車が出発してから気付きましたが後の祭りです。思いの外留萌駅に到着するのが列車発車のギリギリになってしまい、急いだ所為ですっかり頭からその事が抜け落ちてしまっていたのです。まぁ悔やんだ所でどうしようも無いので諦めて、次の日を見据える事にしました。
留萌線にのんびりと揺られ、深川駅に到着する寸前、腹に異変が。ん? 痛くないですかこれ。ここに来て腹痛。痛恨です。深川では何か美味しいものでも買おうかななどと画策していたのですが、これでは元も子もありません。今日中に札幌に着けば問題無いのですが、これはヤバそうだという感じです。ちゃっちゃと深川駅から出てコンビニで一応の夕飯を購入し、後は待合所で札幌方面の普通列車を待ちます。
深川駅は滝川市の北側に位置する深川市の中心駅で、通常の旅客列車は全てが停車します。待合所からボーッと見ていても、来るのは789系のみ。しかも、どちらの方面からの列車からも降りてくる人はおり、また乗る人もあり、一特急につき客は合計で三十人弱は移動していたように思われます。特急SUGEEEEE!! 特急とか普段「ふじかわ」しか見ないので、こんなに頻繁に、しかも大量の輸送をしているというのは面白いものです。「ふじかわ」も一時期よりは客が増えたような気はするけど……「東海」が無くなっちゃったんですよね……。乗りたかった、165系に。
まぁそんな事はどうでも良くて、待っていると何本目かに漸く普通列車が到着です。列車は当然721系。乗客はあまり居なかったので、二人掛けクロスシートに陣取ります。漸く楽な体勢になる事が出来ました。
列車は駅間が長い為このような普通列車であっても快調に飛ばします。函館線のこの区間の制限速度は120km/hで、721系の最高速度も120km/hなので、もしかしたらその位出てたかも知れません。馬鹿速い。
さて馬鹿速い馬鹿速いと言っている内に滝川駅に到着です。函館線はこの時間帯になると特急が30分ヘッドで運行されているので、ここで後から到着する特急「ライラック」に抜かされます。上り線ホームにも列車が来たようなので見ると、電車特急ではなくディーゼル特急が到着していました。キハ183系特急「オホーツク」です。キハ183系も国鉄時代の車両で古いのですが、何回も改番したりごちゃごちゃに組成をしていました。前面も前期に製造された900番台·0番台と後期に製造された500番台·1500番台(550番台·1550番台など後に改番)で異なっていました。しかし、初期型900番台·0番台は昨年2018年に引退してしまい、現在は後期型の車両で統一されています。この車両も最近は特急「北斗」運用を外れてしまい、今は石北線系統の「オホーツク」「大雪」でのみ使用されています。恐らく北海道内でも最古参の特急型車両と言えるでしょう。この時間は、時刻表によると下り「カムイ」「ライラック」が一本無くなる代わりにそこを埋めるように「オホーツク」が設定されています。別々の特急を何本も走らせるよりも一本に集約してしまおうという事でしょう。しかし「オホーツク」はグリーン車付きの四両編成で、ディーゼルのため札幌~旭川の所要時間も「カムイ」「ライラック」に比べて十分くらい長くなります。果たして、キハ183系はこの運用に堪えられているのか……。
滝川駅を出発し、列車は真っ暗な雪原を駆け抜けます。時々砂川や美唄のような街が現れますが、すぐに抜けて再び雪原へ出ます。
ぐだぁとしながら車窓を眺めている内に滝川以来の留置車両と大きな駅構内が見えてきます。列車は終点の岩見沢駅に到着します。
列車を降りると、ひんやりとした空気が顔に当たります。列車は折り返し普通滝川行きとなるようで、乗客が降りるや否やさっさと乗り込んでしまいました。
ここからは乗り換えです。階段を上り5番線へ。停車しているのは区間快速「いしかりライナー」小樽行きです。こちらは2パターンある「いしかりライナー」の中の緑色種別の方(江別~札幌で快速運転)です。ここからは札幌近郊区間に入るので車両はいよいよロングシートかなと思っていたのですが、停車していたのはまたもや721系三両×2でした。コイツ多いな……。
ここでも特急の待ち合わせがあるので発車は遅いです。また、ここでは先に貨物の通過も待ちます。カメラを構えてみるのですが、やっぱり暗い中では撮る事は出来ませんね。ブレッブレでした。特急「カムイ」が発車すると「いしかりライナー」もいよいよ出発です。
「いしかりライナー」は江別までの各駅と、野幌、大麻、白石、札幌と、札幌からの各駅に停車します。これまでとはうって変わって住宅街を走るようになります。それでも昨日の根室線と同じようにこの時間に札幌へ向かう人は少ないのか、客室はガラガラでした。江別で多少人の出入りがあったものの、大した変化はありませんでした。江別からは快速運転で快調に飛ばしてくれます。ホームを高速でスルーしてくれるのは気持ち良いですね。だんだん街明かりが増えていき、札幌貨物ターミナルと苗穂駅を過ぎると、列車はいよいよ速度を落として高架を走行し始めます。見えてくるのは大量の光るビルと明るい街灯と自動車のライト。
列車は札幌駅に到着します。既にホームには帰宅客が大挙しており、流石北海道最大の都市──札幌です。ホームから下って改札を出ても、コンコースは行き交う人でいっぱいです。東京とまでは行かなくとも、大都会です。駅から出でも、その印象は変わりません。静岡の何倍デカいんですかあの街は。自分は地図には強いと思っていたのですが、計画都市の所為で、○(方角)条とかいうのばかりで道に迷いそうでした。っていうか普通に迷いました。怖い札幌……。