石狩平野冬景色(東鹿越~旭川~深川)
経路
東鹿越~滝川(根室本線)
滝川~旭川(函館本線)
旭川~深川(函館本線 特急ライラック)
東鹿越は島式ホーム一面二線の駅で列車交換機能がありますが、恐らくここに列車が二つ停まる事はそうそう無いでしょう。ホームから新得方面を見ると少し行った所までは線路が見える状態でしたが、そこから先は雪に埋もれて使われていない事が明確に分かるようになっていました。
ホームに停まっているのは散々乗ってきたキハ40形1700番台です。ってかこれ本当に多いな……。静岡の211系と同列な感じが凄くします。ですが、エンジン音は聞くたびに癒されますね。
東鹿越を出発した列車は金山湖を後にし、トンネルを抜けたりくぐったりします。この辺りはまだ山間部の一部なのでしょう。雪も深いですし、石狩川も川幅は狭く流れは急です。暫くすると、開けた土地に出ます。この辺りからは家々も多くなり、山部や布部からの乗客が多少ありました。
そしてのんびりと列車に揺られる事約40分。ラベンダーなどで有名な富良野に到着です。平地は富良野盆地の一部だったようです。富良野からは富良野線が旭川方面へ伸びています。元々はこの路線が根室本線として旭川~根室を結んでいたのですが、赤平、芦別を通るルートが出来てからはそちらが根室本線とされ、旭川~富良野は富良野線となりました。ただ富良野線沿線の方が旭川と富良野という都市を結んでいることもあり、人口は多いみたいで、列車は二両。しかも結構な乗客でした。
さて、富良野を後に列車は根室線を北西に進みます。雪はだんだんと深くなっていきます。そして自分は眠くなっていき……気付くと列車は滝川駅に到着しようとしていました。滝川が列車の終着。ここからは函館線に乗り換えます。列車にはいつの間にか多くの人が乗り込んでおり、立ち客が出そうでした。他の乗客と一緒に駅に降り立ちます。
滝川は石狩北部にある小さな市です。しかしこの地域では最大の人口を誇っており、街もそれなりの大きさでバス網もよく整備されているようです。
滝川では乗り換えに一時間程あるので昼御飯にラーメンでも食べようという訳です。札幌とか旭川で本当は食べたかったのですが、札幌は夜の時間帯に着きますし旭川は時間が無いので食べられないのです。という訳で滝川駅の程近く「味軒」という店でみそラーメンを食べました。自分はみそラーメンはあまり食べないので、どんな物かなと思って食べてみると……何と言えば良いのか……とにかく美味かったです。普段豚骨ラーメンばかり食べているので、こってりを味わうようにしていたのですが、みそは案外深みがあるようであっさりと頂けるようです。豚骨なら基本一杯食べて満足なのですが、みそならもう一杯いけそうです。
腹も満たしたので滝川駅へ。函館線のこの区間は勿論電化されているので架線があります。何だか久々に架線を見た気がして、妙な感慨がありました。滝川も函館線の主要駅なので全ての特急が停車します。この区間は函館線を吟っているものの普通列車が少ないので、ふらっと札幌、旭川に行くにも結構皆さん特急を使うみたいです。ただ自分は金を使いたくないので鈍行で行きます。滝川駅ホームに出て、列車を待ちます。待っているとだんだんと人が集まってきます。学生のような若い人が中心です。まだ列車を使うのに大金は掛けられないという年齢なのでしょうか。自分も人の事を言えませんが。
そしてアナウンスがあり、カメラを構えて待ちます。雪の中をやって来たのは三両編成の721系電車です。
721系はJR北海道の交流近郊型電車で、現在はJR北海道の電化区間の殆どで走っています。この電車はJR北海道が国鉄から民営化してから初めて新造した通勤用列車です。当時から札幌一極集中の流れはひどく、それらに対応するために作られました。保温のために片開き3つドアで、ドアのそれぞれにデッキがある為、客室は一両につき二つあります(なおその後にデッキを省略した形式が登場)。客室は転換クロスシート。デッキ出入口付近のシートは扉に合わせて二人掛けではなく一人掛けになっています。クロスシートは非常に掛け心地が良く深く腰掛けられます。こういうのが静岡に欲しいんだよなぁと考えてしまいました。また六両固定編成の中間車両は例の「uシート」で、この編成は主に快速エアポートに充当されています。他の三両編成は併結して快速に充当されたり、単体で近郊の普通列車として活躍しています。711系の引退や731系以降の形式の登場で、現在ではJR北海道唯一のクロスシート通勤電車になってしまったのでこれからも頑張って欲しいものです。
今回乗車したのは勿論三両のもの。モーター車にてシートをゲットし、ゆっくりと落ち着きます。列車が発車して間もなく街を抜けます。すると車窓に広がるのは一面の雪原。しかも厚い雲に覆われ、どんどん雪は強まっていきます。空と地の区別がつきにくくなってきて、北海道に来たんだなと改めて思いました。伊納を過ぎると列車は山の中へ。トンネルを出たりくぐったりして東に進みます。トンネル群を抜けると住宅街の近文に到着です。そして列車は直角にカーブして高架の上を走るようになります。見えてきたのは大きな道路や高い建物の街。
列車は北海道第二の都市の中心──旭川駅に到着です。何だか随分と立派な駅になってしまったようです。自分がチビの時に見たビデオでは地上駅だったので、少し驚きました。静岡駅より格好良いんですけどどういうことですか。しかし、ここでゆっくりもしていられません。すぐに折り返さなければならないのです。階段をダッシュで駆け降り、また上ります。
ここからは特急ライラックに乗車します。朝買った乗車券と特急券はこの為です。旭川~深川を乗り潰す為だけに旭川まで来たので、留萌線に間に合うように深川に戻らなければならないのです。普通列車から降りて五分でライラックは発車です。急いで自由席に飛び乗ります。
ライラックに使用されている789系0番台は元々津軽海峡線(現:北海道新幹線)で青森(新青森)~函館を結んでいた特急スーパー白鳥号で使用されていました。結局今まで北斗星、カシオペア、トワイライトやはまなすへの乗車はおろか青函トンネルすら通ったことはありません。ですので、出来れば新幹線が開通する前にこの車両で青函トンネルを通りたかったのですが、無理でした。現在ではこの緑色の前面が特徴の0番台は函館線に投入され、グレーでメタリックな感じの1000番台と共にそれぞれ「ライラック」「カムイ」として運行されています。1000番台は室蘭線の「すずらん」としても使用されていますね。
という訳でライラック号で深川へ向けて出発します。このライラック号とカムイ号はJRの中でも比較的表定速度の速い特急としても知られています。そういう事もあり、普通列車なら25分くらいかかる旭川~深川も18分で到着しました。っていうか駅間長い……。
そしていよいよここから留萌線の旅です。