北海道上陸(武蔵小杉~千歳)
経路
武蔵小杉~品川(横須賀線)
品川~羽田空港国内線ターミナル(京急線 快特)
羽田空港~新千歳空港(某航空会社)
新千歳空港~札幌(千歳線 快速エアポート)
札幌~千歳(千歳線 快速エアポート)
三月の初めでも、川崎の未明は肌寒いものでした。ですが、寒く暗く静かな朝、旅の始まりである駅へ向かう、何だかとても情緒があるようで私は好きです。趣があると言うんですかね。
祖母宅を出発し、まだバスの動かない時間なので小杉駅まで歩きます。こうして歩いている内に、段々と中心部のビル群が大きくなってきます。周りが住宅地ばかりなだけに、一層一点に集中したビルディングが美しく、また異様に思えました。不思議な光景です。
まずはJR武蔵小杉駅から横須賀線に乗車しました。今日は品川までの乗車です。朝から品川で降りる人は多かったです。
羽田に行くので勿論ここからは京急です。川崎で乗り換えても良かったのですが、朝の時間帯には京急空港線に「快特」という種別があるので、それに乗りたいと思って品川での乗り換えをしました。この快特は、品川の次は羽田空港国際線ターミナルです。他の京急蒲田などの駅には一切止まらないんです。つまり空港に用がある人しか使わない列車です。入線してきたのは半年前にデビューした都営5500形でした。まだ乗車した事が無かったのでラッキー、旅の幸先も良いものです。
流石京急! という感じのスピードは出ませんでしたが、ノンストップで羽田まで行けるとは驚きでした。
羽田空港には以前にも行った事がありますが、久々に行ったのでやはり大きいと思わざるを得ませんでした。二階出発ロビーは特にそうです。どこまであるんだと思わせる高い天井や、端が遠すぎるロビーの全長。流石に日本の中心、玄関口でもある空港です。
低予算を掲げていたので、某航空会社の飛行機を利用しました。飛行機に乗るのは、自分が赤子だった時以来なので航空券発券や手荷物検査など慣れない事もありましたが、何とか飛行機に搭乗出来ました。飛行機の中は殆ど埋まっていて、日本で最も便数の多い路線である事を裏付けているようでした。
飛行機が動き出してから幾らか滑走路をグルグル回り、漸く離陸の旨がCAさんから伝えられました。そうすると、キーンとかグォーンなどのエンジン音と共に一気に加速し、浮かび上がります。「これがGか」みたいな事も思うくらいに負荷が掛かって、不思議な気分になりました。地上を離れてどんどん上昇し、それに連れて東京の街並みはどんどん小さくなっていきました。
飛行機が完全に雲の上に上がってからは、遮る物の無い青空と美しい雲海(?)が窓の外に広がり、とても幻想的でした。
飛行機は一時間半もかからずに下降を開始し、苫小牧と思われる港も見えてきました。程無くして、飛行機は定刻で新千歳空港に到着しました。
飛行機から降りて、いよいよ北海道上陸です。
新千歳空港も羽田同様、鉄道が乗り入れているので、便利です。案内に従い、新千歳空港駅へ。18切符を見せて改札内に入ります。
ホームには既に先発の快速エアポート小樽行きが停車していてました。まぁ乗ろうと思っていたのは次発の列車なので見学だけします。
停車していた733系はJR北海道の交流通勤型電車です。快速エアポートは6両固定編成で、中程に一両「uシート」という座席指定車を連結しています。グレードは割りと高いみたいですが、結局乗らなかったのでよく分かりません。惜しい事をしました。西日本の「Aシート」の名前はこれをパクったんですかね。
普通車はオールロングシートで、結構デカめの窓が特徴的です。北海道特有の片開きドアや、731系以降お馴染みの高い運転台。これは前面展望を阻止しています。静岡に居てはまず味わえない様子で、とても興奮しました。
千歳線は、札幌~苫小牧(実際は白石~沼ノ端)を結ぶ本線と南千歳~新千歳空港を結ぶ支線とで構成されている路線で、札幌近郊の移動には欠かせません。都市間輸送と言うよりは、所々に点在する苫小牧、千歳、恵庭、北広島といった都市(都市間は大体、林だったりします)や新千歳空港と札幌とを繋ぐ役割の方が大きいでしょう。その為列車は、札幌に近付くに連れて乗客が増えるのが通常です。
また、JR北海道の路線の中では唯一全線が電化されていて、本線は複線です。エアポート快速や普通だけでなく、室蘭本線を経由する「すずらん」「北斗」や石勝線を経由する「スーパーとかち」「スーパーおおぞら」などの特急列車、札幌貨物を発着する貨物列車も通るなど、道内で一番忙しい路線と言っても過言では無いと思います。
ロングシートは大体恵庭辺りで埋まってしまい、その後は北広島、新札幌で人を拾って、終着大都会札幌へ。吐き出された人は改札を出たり、乗り換えしたりします。
道内の中心となる札幌駅は、各方面への列車が発着する一大ターミナルです。ここから、近郊では石狩当別、小樽、苫小牧、岩見沢。広域では室蘭、旭川、函館、帯広、釧路、網走、稚内に一本の列車で行く事が可能です。その為、札幌駅には絶えず列車がやって来て、自分みたいな鉄道ファンを飽きさせません。目の前に停まっている列車に乗れば、あんなに遠くまで行けるのかと、妙な感慨を抱かずには居られませんでした。
しかし、いつまでもここで遊んでいる訳にも行かないので、また快速エアポートに乗って千歳に向かいます。
千歳からはいよいよ旅行の目的の一つである夕張への普通列車に乗車します。