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13話 森にいったらドラゴンを発見しました。

森は当初の様子と少し変わっていて、戦闘の跡がいくつか見つかった。


焼けていたり、木が倒されていたり。


その大半は私がやらかしたのかもしれないが、そこは黙っておこう。


償い、といってはなんだが、私は土魔法を森にかけることにした。

先日の戦闘のせいで森が荒れているため、再生するには時間がかかると考えられるので、その再生が早まるような補助の魔法をかけることにしたのだ。


確か、土属性と光属性を掛け合わせたものだったかな?


無詠唱でもできるけど、初めて使う魔法のため、詠唱があった方がいいだろう。


私は大きく息を吸って、地面に右手をついた。


『母なる大地よ、命の(みなもと)なる光よ、その力を借りて、汝、大地に命の息吹きをもたらさん。大地(グラウンド)再生(リジェネレーション)!』


私は詠唱をすると、手の下にオレンジ色の優しい光を持った魔法陣が展開し、大地に力を散開させていった。


そして、周囲の地面が一瞬、淡く光って、暗い色をしていた森の植物達が彩りを復活させていく。


良かった。しっかり出来たみたいだ。


私は軽く土のついた手を払ってから、森の散策を再開した。





ーーしばらくしてから気づいたことがある。


全くといっていいほど魔物がいないのだ。


これも魔物暴走(スタンピード)の反動かと私は考えていた。


魔物は魔素で出来た体を使い、倒されたらその体の一部は空中に魔素としてまた霧散し、残るのは凝縮された魔素の塊といわれる魔石だけ。

活動するときにもある程度の魔素を使うそうだ。


だから、この辺りには殆ど魔素がないはずで、そのために魔物がいないのでは?


私は今まで読んできた魔物研究の論文の知識を使いながらこの状況の仮説を立てていた。


そもそも、なんで魔物暴走(スタンピード)が起こるの?


不明、と片付けていたけどその件についてもいくつか仮説があって……そう、例えば、上位の魔物がやってきて、弱い魔物達はパニック状態で逃げてくるから、とか……


ズシン、ズシン


地面が大きく揺れて、私の体もほんの少しの間、浮いた。


これはなに?


そう思い、私はゆっくり振り返った。


ーーーそこにいたのはドラゴンだった。


しかもかなり高位のゴールデン・ドラゴンだ。

日本でいえば、5階建のマンションぐらいの大きさで、全身は黄金の鱗で覆われていた。


一言、感想を言わせていただこう。どうせ、森の奥だから誰もいないだろうし。


「趣味悪い。あと、いちいち光が反射するから目が疲れる。」


私はドラゴンを前にぼそりと呟いた。


ええ、趣味が悪いんですよ。本当に。

黄金のドラゴンなんて。動くたびに光が反射して目の前がチカチカするし、ていうか、森という所に金色は合わない。


『ほほう、小娘、いってくれるな。』


しわがれた声が突如聞こえた。どうやら、念話のようだ。


そういえば、本に高位のドラゴンは念話ができるし、人の言葉を理解する人もいる、と記述してあったね。


つまり、私は今ドラゴンに真正面から挑発したのだ。


ドラゴンは誇り高き生物。要するにプライドが高いので怒らせると面倒くさいとか。


まあ、いいや。


多分、魔物暴走(スタンピード)はこの金ピカさんのせいで起こった。このまま放置すると、街の方へ向かうだろうからここで、チャチャっと片付けちゃった方が良さそうだ。


ドラゴン相手になら少し無茶しても良さそうだし?


『この誇り高き我を侮辱するとは許せぬ!ここで消し炭となるがよい!竜の息(ドラゴンズ・ブレス)!』


ドラゴンが口を開け、ブレスを放った。ちなみに竜の息(ドラゴンズ・ブレス)は魔法だ。さっき、しっかり魔法陣が展開していたのを目撃したので。


私は無言でバリアを展開し、竜の息(ドラゴンズ・ブレス)を防いだ。水属性のバリアなので、きっちりと相殺してくれます。


さてと、私はどうやって反撃しましょうかね。出来るだけ、あんまりドラゴンの体を傷つけないように倒したい。


何故なら、先程、魔物を倒したら魔石しか残らないといったが、実はそれは弱い魔物だけ。強い魔物は全身に強い魔素を凝縮させているので、強い魔物の体は残ることが多く、稀少価値が高い。


世間一般では、ドラゴンの肉は高級食材で鱗も防具を作るのに使えるので、ドラゴンを倒せば億万長者、なんて話もある。


その中でもゴールデン・ドラゴンは高く売れる。貴族に人気だからだとか。


ともかく、私の資金を増やすため、私はこのドラゴンを出来るだけ良質な状態のまま、パパッと倒したい。


『なっ、我のブレスを防ぐだと!お主もなかなかやりおるのう!だが、これは防げるか!我主に教わった秘技!TAIATARI!』


体当たり……


物理的な方法で来るとは思わなかった。


だけどこのまま、バリアをはったら、ドラゴンが傷ついてしまう。ってことで、解除して、私は横に飛んでドラゴンを避けた。


ドガアァン


ドラゴンが大木にぶつかったため、大きな音が森中に広がった。


そろそろグズグズしていないで倒さないとな。私はまたこちらに向き直ったドラゴンと相対しながら考えていた、その時だった。



次の部分に続きます。14時更新予定です。


現在イシェルの頭の中は、ドラゴン=資金源 になっています。


詠唱の部分では厨二病頭をフル回転させながら考えました。どこかおかしなところがあったらご指摘お願いします。

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