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11話 リュウゼにまたもや捕まりました。

最近、更新を休んでいて申し訳ありません。


今回はまたリュウゼの話です。

リュウゼが商店街にいたので、私は踵を返し、逃げようとした。その時、私の頭の中に声が聞こえた。


『イ、シェ、ル?』


リュウゼが念話で話しかけてきた。それと同時に悪寒が背中を走った。


私はゆっくり顔をリュウゼの方へと向ける。リュウゼはその場を動かず、ただ私を見つめている。いつものように笑顔を浮かべているが、目が全く笑っていない。


その目には冷たい光が宿っていた。


『何処に行こうとしてるの?』


返事をしない私にリュウゼが念話で訊いてきた。


『お、お店を見にいこうかと。』


私はリュウゼの問いに対しての返事をした。出来るだけ冷静な感じで言おうと思ったのだが、リュウゼの眼差しが怖すぎて、それどころではない。


『へえ。君はお店を見にいく途中に友人を見かけたのに、声もかけずに踵を返すんだ?』


リュウゼが、怒っている。そして、皮肉をぶつけてくる。


私にとって、リュウゼは最も怒らせたくない人のリストに入っている。


腹黒いのもあり、何をやるか分からないのだ。それに、今リュウゼは私の居場所を握っている。色んな手段を使って、私を殺しにかかる可能性もなくはない。


『その、忙しそうだったので……』


私は苦し紛れにそういうと、


『それでも、念話で挨拶ぐらいはしてもいいと思わない?』


『思、い、ま、す……』


確かに……


『じゃあ、君の態度について、ちょっと()()()()()()。』


これは、完全に怒らせてしまったな……


私は冷や汗を流していた。すると、いつの間にかリュウゼが私の目の前まで迫っていた。


「じゃあ、ちょっと付いて来てくれるかな?イ、シェ、ル?」


そういうリュウゼに手首を強い力で掴まれた。


ーーー詰んだ。



そのまま私はリュウゼに引っ張られつつ、昨日、私が目覚めた部屋に連れてかれ、引っ張られる私をヴォルフは気の毒そうに見ていた。


私は昨日座ったソファに着くと、ようやくリュウゼから解放された。


「じゃあ、ちょっと話し合おうか、と言いたいとこだけど……」


そこまで言うと、リュウゼは視線をヴォルフに向けた。


「それ、なに?」


ヴォルフのことをそれって言うの、なんかムカつく。


「ヴォルフ。昨日拾った狼。」


私がそう言うと、リュウゼはヴォルフの首根っこを掴んで持ち上げた。


「ふーん。イシェルは()()思ってるんだ。けど、ヴォルフ……だっけ?ーー

は獣人だよ?」


え?獣人なの?


リュウゼがそういうと、ヴォルフの姿が狼から人に変わった。ジャケットにズボンを穿いていて、首には私がつけたチョーカーが。そして、狼の耳と尻尾が付いている。


本当に、獣人なの?


私が固まってフリーズしていると、リュウゼから解放されたヴォルフが口を開いた。


「あー、騙してて悪かった。俺、獣人なんだわ。」


私は衝撃で口を開けたまま、固まって……いなかった。


騙されたのは、少し悲しいが、あの状況ではしょうがないかな。


そっか。獣人だったのか。他の獣となんか違う感じがしたのは獣人だったからなのか。


「ううん。別に怒ってない。」


私はヴォルフにそう言う。けど、ちょっとやらせてほしいことがある。


「あの、その……獣状態になって、撫でさせてくれない?」


前世からの夢なのだ。獣人と親しくなったら、もふもふしてみようという。


ヴォルフは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに了承してくれた。


「ああ、別にいいぜ。償いの代わりみたいなもんだし。」


すると、ヴォルフの姿がまた獣状態に戻った。私はヴォルフに手を伸ばし、ワシャワシャと撫でまわした。毛もふわふわだし、撫でていて、凄く気持ちがいい。


「姫さん、撫でるの好きだよな。寝てる間もずっと俺のこと撫でてたし。」


まあ、確かにそうかも。ってか「姫さん」って呼んだよね?


何故、姫さんと呼ぶのか訊こうとしたら、リュウゼがヴォルフの首根っこを掴んで、持ち上げた。


()()()()?」


ああ、機嫌が直ったと思っていたのに、またリュウゼの目が凍りついた。


「ん……?」


ヴォルフがだらだら汗を流し始める。なんで、なんで、リュウゼがキレてんの?


「ちょーっと、いいかな?」


怖い笑顔のまま、リュウゼが隣の部屋にヴォルフを連行していった。


怒ったリュウゼはアランぐらいしか、止められない。


私は1人、部屋でお茶をすすっていた。


すると、


ドガァン


という、けたたましい音がして、ドアから6人程の人が侵入してきた。


それぞれ、覆面を被っており、男女の判別がつかない。


ここはリュウゼと宰相の泊まるホテルだから、リュウゼ、もしくは宰相目的と考えてよさそうだ。


私はそっと机にカップを置きながら、考えていた。


こちらに気づいた2人が剣を構えたまま、向かってきた。


全員が来ないのは私をそこまで強くないと思っているからなのだろう。


これでも、私は冒険者。賊ぐらいは余裕だ。


私は向かってきた内の1人の攻撃を手を使って受け流し、蹴って相手をぶっ飛ばした。


次にもう1人の足を引っ掛けて、転ばせる。地面に倒れこむ途中のところで、踵落としをした。


靴を履いたままやったので、しばらくは痛みで起き上がれないだろう。


そこまでやったところでリュウゼとヴォルフが戻ってきた。


次回もできるだけ早いペースで更新できるよう頑張ります。


応援よろしくお願いします。

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