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7話 リュウゼと話し合い?


目を覚ますと、VIPルームらしき部屋のソファで私は寝ていた。


え?ここどこ?


「あ、目、覚ましたんだ」


ソファの背の裏から、リュウゼが現れた。


「御機嫌よう。」


嫌味っぽくいうと、リュウゼはにっこりと笑った。また、偽の笑顔だ。


「で、私をどうするの?」


「……どうもしないよ?」


リュウゼはキョトンとしている。


「え?」


「あ、そうだ。結界はってくれる?」


私は結界を言われた通り、この部屋にはった。ちなみに防音仕様だ。突然、結界をはれ、なんて言うのは何か特別な話がある限り、言わないだろうし。


「防音仕様?」


私は返事はせず、代わりに頷いた。


「じゃあ、話をしていいかな?僕はただ単に君に会いたかっただけなんだ。別に個人的に会いたかっただけだから、国に引き戻したりもしないよ?」


へ?


「じゃ、じゃあ、眠り薬が染み込んだハンカチを差し出したのは?」


「穏便に連れてくるためだよ?」


?よく分からない。まあ、確かに私は抵抗するだろうけど。


「……じゃあ、なんで()がマリーだってこと、分かったの?」


リュウゼは私が座っているソファの正面にある、別のソファに座った。そして、私の方を真剣な眼差しでみる。


「まあ、ここだけの話だけど、僕は生物の魂を見ることができるんだ。」


ん?魂を見る?どういうこと?


「本当に見えるんだ。丸くてほわほわしたやつが。」


うーん?


「で、その力は僕が生まれたときからあったんだけどね。今までずっと見てきたから、魂の判別はつくんだ。」


それで、見つけたってことか。


「じゃあ、なんでパラティールに来たの?」


「君が死んだって聞いて、死ぬはずがないと思った。だから、君が逃げるとしたら、パラティールにいくだろうなと。」


なんで、わかるんだろう?リュウゼは予知能力かなにか持ってるの?

リュウゼはふふふと怪しげに微笑んだ。


「じゃあ、僕からもいいかな?君がずっと質問してきたから僕もいいよね?」


リュウゼから笑顔のままだけど圧を感じる。これ、ゴリ押ししてるね。


「どうぞ。」


私は根負けしたので、そういった。


「じゃあ、今の君の名前は?」


へ?名前?確かに、ここまでリュウゼには「マリー」とか「君」としか呼ばれてないけど……


「……イシェル。イシェルが私の今の名前。」


「へえ。素直に教えてくれるとは思わなかった。」


「だって、ここで私が言わなくても徹底的に調べあげるでしょ?」


銀髪に緑目の少女というのはすごく印象的だろうから、ちょっと街中で聞き込みをすれば私が冒険者をやっていて、イシェルという名前でAランク冒険者をぶっ飛ばしたとか諸々の話はすぐ出てくるだろう。ていうか、調べ上げられたら、聞かれたくない話がバレるし。


「まあね。イシェルか。前とはだいぶ違うね。」


「そうね。あ、試しにその力、使ってみてくれない?」


魂眼(ソウル・アイ)を?いいよ。」


あ、やっぱり。悪寒がする。


「や、やめてください。」


そういうと、リュウゼは魂眼(ソウル・アイ)とやらを解除したようで、悪寒が消えた。やっぱり、その気持ち悪くなるのはそれのせいか。


「で?どうしたの?」


「いや、その、リュウゼと一緒にいると気持ち悪くなることがあって、それのせいかなーと思って?」


「へえ、普通の人は気づきもしないのに。やっぱり君は特別だね。」


特別?まあ、そうちゃそうなんだけど。そういえば……私は不意に疑問に思ったことをリュウゼに問いかける。


「ねえ、私にそんな話をしていいの?国の、反逆者に。私が結界にこっそり綻びを作って、話を漏らしてるとか、あとで私が言いふらすとか、考えないの?」


「君ーーイシェルがそんなことをしないのは知ってるし、それに万が一漏れたとしても、すぐ犯人はわかるからね。」


随分と信頼してもらえているようだ。


「で?他に何か話は?」


私はリュウゼにそう問いかける。


「ん?やっぱり、わかってたか。」


だって、リュウゼ、少し挙動不審だったし……


「あ、これ。」


そう言いながら、リュウゼは私に向かって何かを投げた。


左手でキャッチして、手を開くと、そこには紫色と透明色が入り混じった宝石が付いているネックレスがあった。……なんで?


「それに付いている宝石はエレスチャルという名前らしいよ。僕からのささやかな贈り物だ。紫色の瞳に合わせたつもりだったんだけどね……」


ああ、今はもう違うからね。

それにしても、リュウゼが贈り物をするなんて裏がある以外考えられない。


「付与を付けてくれない?こっちにも。」


リュウゼは私と同じデザインのネックレスを出した。ついている宝石は深い青色だけど。何かお願いしてくるのは裏があるに違いない。なんなんだろう、その裏は。


「念話系の付与をして欲しいんだ。イシェルのような付与は他の人はつけられないから。」


「何故?」


リュウゼは普通の人ならコロッと騙されそうな甘い笑顔を浮かべた。


「前から念話の道具が欲しいなあと思ってて?君なら、そういう道具を作れるでしょ?」


「……」


「友人と念話でいつでも会話したいと思うのは当然でしょう?」


怪しい感じしかしないのだが。けど、ここで断ったらあとで何されるか……

けど、リュウゼから悪い感じはしないし、ここは黙ってもらう、貸しを返すつもりでやろう。


「貸して。」


私はリュウゼに手を差し出す。リュウゼは私に青い宝石がついたネックレスを渡した。


両方のネックレスに私の魔力を注ぐ。

これで、準備はできた。あとは回線を繋げるだけだ。


「ここに来て。」


私は私の隣の空いているスペースを指差す。



今、個人的にリュウゼ推しです。皆さんは、リュウゼのことどう思いますか?

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