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龍戦記 ~龍を従える者~  作者: 龍神静人
第1章 青年期 ―邂逅編―
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第0話 プロローグ

 僕の集落は、今は昔の面影はなく、酷く荒れ果てた姿になっている。

15年前、僕がまだ幼かった頃、突然なんの前触れも無く現れた一匹の黒い竜によって集落の人たち殺されたらしい。家も畑も家畜も生い茂る草木も、命あるもの全てを竜の口から放たれた炎によって奪われたのだ。


父と母は、僕を守ろうと最後の最後まで戦って、そして亡くなったのだと聞かされた。


 今に至るまで、じいちゃんが親代わりとなって僕を育ててくれた。時に優しく、時に厳しく今となっては本当の親だと思っているし、きっと僕の父と母も生きていたらこんな感じで育ててくれたんだろうなと思いを馳せていた。


 そんなじいちゃんとの生活の中で、唯一じいちゃんを鬼だと思うほど厳しかった日課があった。それは、剣術の鍛錬だ。それを思い出すと今でも身震いする程だ。特に森に入っての獣との実戦形式は、何度死に掛けたことか。そんな剣術の鍛錬はほぼ毎日行われた。


龍人族の誇りだけは、手放してはならんぞ。強者であれ。何者にも屈するな。そして諦めるな。命ある限り最後まで足掻け。不屈の闘志を燃やし続けろ!我らが龍人族の誇りじゃ。


そう教えてくれたのは、じいちゃんが亡くなる前日の事だった。


 じいちゃんが亡くなって以降、一人で生活していく中で次第に、この集落にいたであろう皆の事を思い、父と母の事を考え、じいちゃんが僕に何を望んで育ててくれたのかを真剣に考え始めた。


 いつまでもココで一人で生きていくなんて考えられない。じいちゃんも外の世界の事をいろいろ話して教えてくれてたのは、いつか僕がここを出るだろうと思っていたに違いない。


(外の世界へ行こう。)


僕はそう決めた。



□□ 出発当日 □□



外の世界でいろいろ経験して、成長した姿を見せに必ずココに戻ってくるからね。


昨日、お墓に行ってじいちゃんにそう告げた。



僕は、龍人族の末裔。たぶん最後の生き残りだろう。


だから、


せめて、最後の龍人族であるなら、15年前の黒い竜を探し出して一太刀でも浴びせたい。そして、皆の無念を僕が晴らてあげたい。


父と母が命をかけて僕を守ってくれたように。


僕も守ろう!


龍人族の誇りを。



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