第四十七話 衝撃の事実
翌朝。
私は幸せな温もりに包まれ、目を覚ます。
いつになく安眠出来ていたみたい。その理由は……
「おはよう、リコ」
チュッと額にキスを落としてくれる王子様。
この抱き枕さんのおかげに他なりませんね。
「……ずっとこのままでいたいなんて思っちゃうよね……。
だけど、ちゃんと心からの安心を手に入れて、毎日こんな朝を迎えることが出来るようになろうね」
切なげに微笑むレオンに、私は軽く頷いた。
「……うん、レオン。私、あんな残念なヤツには負けないよ」
決意を込めてそう告げ、まだ温もりを残すベッドを離れる。
──北へ向かう為に。
階下に降りると既に起きていたフォレスがニヤニヤしながら私達を迎えてくれた。
「よぉ、お二人さん、ゆうべはお楽しみでしたか?」
朝からそんな下品な事を言っているフォレスの後頭部に瑠璃が氷の礫をぶつけている。
『蒼髪! 主も少し緊張感という物を持たぬか、馬鹿者!』
そう言いながら更に大きな氷の塊を顕現させているけど……
「瑠璃、おはよ。今日も可愛いね」
さすがにあの塊をぶつけられたらフォレスも無傷ではいられないので、私は素早く瑠璃に駆け寄ってその可愛い頭をナデナデしてあげた。
『……まったく、このパーティーには常識が足りぬようじゃの……』
そう言いながらもなんだか嬉しそうだったので、私は調子に乗って更にグリグリと頭を撫で、更にはハグをしてその温もりを楽しむことにした。
「……瑠璃、私頑張って来るからね。待っていてね」
耳元でそう囁けば、瑠璃もギュッと私にハグを返してくれる。
『……約束じゃぞ、璃心。もう妾を孤独にしてはならん……!』
ギュウウ、と私に抱き付く腕に力を込める瑠璃。
むはぁぁーー!! 可愛いよぉぉぉぉーーーー!!!!
「……ドンマイ」
そんな私達の後ろで、フォレスがポン、とレオンの肩に手を置き、レオンもまた複雑な表情で私達を見ている。
……勿論、その後、誰も見ていない所でおまじないを要求されました……。
レオン様、貴方が嫉妬深いのはだんだん解って来ましたけど、瑠璃にまで嫉妬全開なのはなんか違うと思います!
『飛竜を呼んでおいた。これに乗って北へ向かうと良い』
玄関を出ると、二匹の大きな竜が瑠璃に頭を下げるようにして鎮座している。
首と尾の長い胴体に、今は畳まれているけれど大きな翼を有しているだろうドラゴン。
水色の鱗に覆われた胴体から生えている両足を折り曲げ首を下げ、瑠璃に傅いている。
……こんなおっかない生き物を従えるなんて、やっぱり瑠璃って凄い存在なんだねぇ……。
『今から向かえば今日の夜にはノーボルク山に辿り着くじゃろうが……夜はあやつの支配下。一度麓で降り、夜を明かしてから再度登るのが良いじゃろう。
……竜たちよ、我が眷属を頼むぞ』
瑠璃がそう言って優しく微笑みながら二匹の頭を撫でてやると、ドラゴンはグルゥ……と嬉しそうに喉を鳴らしてスリスリと瑠璃の小さな手に頭を寄せている。
その光景はなんだかとても和やかで思わずほっこりしてしまうけど……
「リコ、行こうか」
真剣な声音のレオンの声にしっかりと頷き、私達は瑠璃や、心配そうに見送ってくれるベルツ一家の人々に頭を下げてドラゴンに跨った。
尚、当然のように私の背後にはレオン様が跨り、背中からガッチリと私をホールドしている。
「ひゃー! ドラゴンに乗れるなんて夢みてェーー!!」
隣のドラゴンに跨ったフォレスは子どもみたいにはしゃいでいる。
……ホント、あの無邪気さにはなんか救われる気分だよ。
「皆さま、お気を付けて!」
『用心を怠るでないぞ! 璃心、待っておるからな!!』
心配そうな表情で見送ってくれる人達に手を振り、私達は飛竜に乗って大空へ飛び立った。
竜に乗って空を旅するなんて、なんてファンタジー! 異世界サイコー!
……なんて、普通だったらはしゃいじゃう所だけど、ディールとの対峙を目の前にしてそんな場合ではなく……
「ひゃっほぉぉ~~!! サイコーーーー!!!!」
「うるさいよフォレス! 神妙な雰囲気を出そうとしてるんだから騒がないで!」
……まったくもう。フォレスのせいで考え事も出来ないよ!
「難しく考えんなよ、リコ! 大丈夫だって。お前のタラシっぷりなら魔王だろうが夢幻王だろうが相手じゃねーよ。
折角の空の旅だ、楽しまなくてどうする? 後のことはその時考えれば良いんだって!」
アハハ、と爽やかに笑いながらフォレスが飛竜を操って私達の乗っているドラゴンの回りを一回転してみせる。
ホントに身体能力高いな、あの甘党め。
……けど、確かにそうかもね。今から難しく考えても仕方がない。どうせ相手には深い意味なんてないんだから。
行き当たりばったりは、私も割と得意技だったりするよ。
「……フォレスの言う通りだ、リコ。君にはフォレスも水龍も……そして誰よりもこのボクが付いている。
ねぇ、リコ。風がとても気持ちが良いね! 太陽もあんなに輝いて、白い雲を照らして君の瞳みたいにキラキラしてる。
君とこんな風にこの景色を見られた奇跡にボクは心からの感謝を捧げるよ」
飛竜の手綱を握りながら私を背後から抱き締めるという器用なことをやってのけ、そんな事を言うレオン。
軽く顔を上げてその表情を見れば、レオンもまた無邪気な男の子みたいに楽しそうに笑っていた。
「……フフ。そうだね、レオン。こんな景色、次にいつ見られるか解らないもんね!」
なんとなく気が軽くなった私は、吹き抜ける風とその美しい景色を思いっ切り楽しむことにした。
せっかくレオンと一緒にこんな綺麗な景色を見ているのに、あんなヤツに邪魔されるなんて勿体ないもん!
「まだ君に見せていない素敵な場所もいっぱいあるんだよ。
……色んな所に一緒に行こうね、リコ。君のその笑顔を、ボクは隣でずっと見ていたいから」
ギュッと、私を抱き締める力が強くなる。
そしてレオンは、私の耳元にそっと唇を寄せて言った。
「……大好きだよ、リコ」
手綱を持つ彼の右手に光るのはあの指輪。
照れくさくて、レオンの顔を見ることは出来なかったけど、私も、とそっと呟き、
私はレオンのその手を握り、自分の指輪をそっとレオンの指輪に嵌められた指輪の隣に重ねて、本来の形であるハート型にしてみる。
キラリと太陽の光を受けたその魔石が、眩い光を放って私達を包んでくれるようだった。
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瑠璃の助言通り、麓で野営をした私達は現在、再び飛竜に乗って山頂を目指していた。
さすがに今日はフォレスもはしゃぐことはなく、神妙な面持ちで手綱を握っている。
夢幻王・ディール。
正直、関わるのは気が重いけど……対峙するのは避けて通れない道だ。
「リコ、ボクがついてる。突然現れた魔族なんかに、君をどうにかなんかさせやしない」
力強くそう言ってくれるレオンの手をギュッと握って勇気を貰った。
……大丈夫。私だってこの手の温もりを決して手放したくない、と決意を新たにして。
そうして辿り着いた山頂部は、雲に覆われているせいか、視界を白く染めている。
飛竜から降り立ち、周囲を見渡す私達の前に、時を置かずして再びあの男──夢幻王・ディールが現れた。
「やぁ、リコリア、来たね! 待っていたよ」
相変わらず唇の片端を意地悪そうに歪めながら私達の前に立つディール。
「……ちょっと待って? リコリアって誰のこと……?」
私の手を握ったレオンが驚いた表情で私を見た。
……あ、そう言えば夢の中でアイツが私をそう呼んでいたこと、レオンにはまだ話してなかったや……。
「……君には初めまして、かな。デュレクの英雄、レオンドール・フォン・アウンスバッハ。
僕はディール。その気はないけど、魔界では『夢幻王』なんて呼ばれているよ。
リコリアを連れて来てくれてありがとう。そして、今日こそその子を返してもらうよ」
不敵な笑みを浮かべたまま、ディールがスッと私達に向かって歩いて来る。
「……リコ、彼は何故君をリコリアと呼ぶの? まさか、君は本当に……」
驚愕の表情で目を見開き私を見つけるレオン。フォレスですら言葉を失って私を凝視している。
レオンの初恋の女の子の名前は……確かにリコリア、と言っていたけど……
「違うよ、レオン。私は一之瀬 璃心。リコリアなんて人、知らない。
……きっとアイツが私達を動揺させようとしているだけだけよ。惑わされちゃダメ。アイツは夢と幻を司る魔族なんだから」
ギュッとレオンの手を握る手に力を込める。
……アイツが司るのは夢と幻、そして虚飾。
偽りの言葉で人を動揺させて心を乱すのはアイツの得意技なんだから。
「……レオン、貴方が好きだと言ってくれたのは、私? それとも思い出の中で生きるリコリアさんの幻影?
この名前や、瞳の色がリコリアさんに似ているから、好きだなんて言ってくれたの……?」
答えなんか知っている。
だけど、もう一度レオンにも確信して欲しくて、私は彼の瞳を見上げて尋ねた。
「……そうだね、リコ。ボクが好きだと思ったのは間違いなくリコ・イチノセ、その人だ。
名前や瞳や……そんなの関係ないよね。大丈夫、もうボクは君しか見えていないから」
私をギュッと抱き締めてレオンがそう言ってくれて、胸がキュン、と疼く。
信じてはいたけど、他ならぬレオンの口からその言葉が聞けて、私はとても安心してしまった。
「アハハ! 可愛いねぇ、生まれたての恋人達の絆。
……ホント、虫唾が走るくらい可愛いよ」
コツコツと、その先端の尖ったピカピカの靴を鳴らしながらディールが近付いてくる。
「……悪いけど、君達には少し黙っていて貰う。再びリコリアを奪われる様を指を咥えて見ているといいよ」
私とレオンの目の前に立ったディールの瞳が妖しく光ったのを認めた瞬間。
私を抱き締めていたレオンは何かに弾き飛ばされ、後ろに立っていたフォレスと一緒に後方で尻もちをついている。
そして、次の瞬間には彼らの姿は何かシャボン玉のような物で覆われてしまった。
「大丈夫。命に関わることはしない。僕はね、あの金髪から絶望を貰いたいだけだから。
リコリア、折角実体で出会ったんだから、少しは僕にも君を堪能させてね?」
シャボン玉に包まれてしまった二人は、中で何かを叫び、その壁を必死で叩いているようだけど、その声や音は私に届くことはない。
「……レオン、フォレス……!」
ディールが駆け寄ろうとする私の手を掴み、存外強い力でその腕の中に私を抱き込む。
「やめて! 離して!!」
必死の抵抗にもビクともしないどころか、笑顔さえ浮かべたままだ。
そしてディールは、ふと、ニヤついていたその表情を酷く神妙なものに変化させ、私の耳元に口を寄せて囁くように言った。
「……リコリア、僕のリコリア。待っていたんだよ、ずっと……。
それこそ、アイツに渡すのが嫌で隠そうとしてしまうくらい、僕は君に執着しているみたいだ。
……やっと、会えた。会いたかったよ、僕のリコリア……」
……コイツ、真剣な表情なんか出来たんだ……。
思わずそんな感想を抱いてしまう程の、圧倒的な切なさを伴ったディールの顔が、私の目の前にある。
「……アンタなんか大嫌い……!!」
でも、そんな表情に絆されるリコさんじゃないですよーーだ!!
「……本当に可愛くない子に育っちゃったよねぇ……。
けど良いよ。僕はあの金髪みたいに君が欲しい訳じゃないし。その心が誰に誑かされようと、君が僕のモノだなんてことは生まれた時から……僕が君を認めたあの時から僕が決めた絶対の真実なんだから」
私を抱き込んだ片手の力を抜き、ぷにっと私の頬を抓るディール。
やめなさいよ、もう! 誰がいつ、アンタの物になったのよ!?
「真実を教えてあげよう。金髪、蒼髪……そしてリコリア。
絶望という君達の感情が僕の活力になる。
……リコリア、虚飾というのはね、あらゆる感情を飲み込んで成長していくけれど……絶望という名の感情は、特に甘美で僕の好物なんだよ」
ククッとディールが悪魔の微笑みを漏らした。
……正直、少し怖い程の威圧感が私を襲う。
ああ、コイツはやはり魔族の最高峰、虚飾を司る夢幻王・ディールなのだと、私は初めて実感した。
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「リコリア、君が普通の人間では持ち得ない筈の闇適性を持ってしまったこと……話はそこから始まるんだ」
私を手放したディールが何処か楽しそうに語り始める。
「デュレク新聞のあの情報は半分当たっていて……半分は嘘。リコリア、君はね、滅亡したある王国に生まれた、たった一人の子どもなんだよ。
……生まれた瞬間に鑑定をした親族がその闇適性を認めて、王妃の不貞を疑った王が激怒してデュレクに捨ててしまったけれどね。
確かに珍しいけどさ、闇適性を持つなんてそんなに難しいことじゃない。光があるなら闇も存在しているんだ。
それを認めない人間の方がどうかしている。闇適性があるってだけで自分の子どもを捨てるなんて……魔族の僕にだって信じられないよ!
人間こそ、僕たち魔族以上に虚飾と……そして悪意に塗れた腐った種族だよね。
うんざりした僕が夢を介して疑念と不信を与えてやったら、あっと言う間に内部紛争を起こして国が滅亡しちゃった! アハハ!」
楽しそうに笑いながら語るディール。
ってかアンタ、一つの国を滅亡させるとか、なんて残念なことしているの……!?
……それは確かに、リコリアさんなる人には不幸な事だと思うけど、私には関係ないんじゃないでしょうか……?
そんな残念な理由で滅亡しちゃった国の人達にもちょっとだけ同情するよ……。
折角生まれて来た子どもが闇適性を持っていたからっていう理由だけで捨ててしまうなんて、絶対に許せないことではあるけど。
「だからね、あいつらがいらないと言うなら僕が貰おうと思って、デュレクの孤児院に密かに捨てられた君をずっと見守っていた。
……魔界で一緒に暮らすことも考えたんだけどさ、正直、僕には親の愛なんて捧げられる自信はなかったし、子どもなんて面倒臭いと思ったしさ。
僕のモノ、と定めた君を見守って、何かあれば助ければいっかー、くらいの気持ちだったんだよね」
……かっる!
ちょっとアンタ、年端も行かない子どもに情を寄せたなら少しは責任を持ちなさいよ!
何処まで残念なんだ、コイツは!!
「ところがさー、デュレクは本当に平和な街でさ、教会の前に捨て置かれた君は、神父と……あの蒼髪、年上の孤児の愛情を受けてスクスクと育って……。
ついには近所に住んでいたあの金髪──デュレクの英雄、アウンスバッハの御曹司の興味まで引いてしまったんだよね。
確かに当時の君は本当に可愛かった。コロコロ変わる表情も、柔らかい髪も、からかえば涙さえ浮かべる大きな瞳も最高に可愛かったよ。
今でもそれは変わってないみたいだけどね。……それどころか、水龍を籠絡する程にまでその魂の輝きは成長してしまっているけど……。
……正直、面白くはなかったよね。僕のモノなのに、君に群がる周囲の人間が君に夢中になっているんだから」
プゥっと頬を膨らませるディール。
……そんな表情しても全然可愛くないし!
それに、リコリアさんなる人の過去をそんなに熱烈に語ってくれた所で、私とは違うのだから一ミリも響かないんですけど!
いい加減、レオンとフォレスが心配だから解放して欲しいんだけどな!
だけど、ディールは私の内心をよそに更に語り続ける。
「当時の僕は、異空間の研究に没頭していてさ。丁度そこには、『女神』から異空間の使用を許可されているアウンスバッハの御曹司もいたし?
リコリアを僕しか知らない場所に隠したら、アイツもきっと慌てるだろうな~と思ったら、試さずにはいられなくてさ。
……ところがさ、その異空間は何故だか異世界に通じてしまったんだよねー!
当時はまだ研究中だったし、事故みたいなものだったけど。
まぁ、とりあえずリコリアをあの金髪から離すことには成功したし、まぁいっかーって放置していたのに……。
夢を介せば異世界にいたって君を見守る事は出来たしね。……干渉することはできなかったけど。
だけど、君が寝付きが良いのも、寝ぼすけなのも、出来るだけ長く夢の世界に留めておこうなんていう、いじらしい努力までして見守っていたのに……」
ほわぁぁーー!!??
私の寝付きの良さと寝坊癖がアンタのせいですって!!??
何てことしてくれてんだ、コイツ! この寝坊癖のせいでどれだけ苦労したと……
……って、アレ? 今語られているのは私のことじゃなくて、リコリアさんの事ですよね……?
でも、これじゃまるで……
「……ねぇ、リコリア。異世界に飛んだ反動で消えた筈のこの世界の記憶なのに、あの金髪の記憶だけは君の心の奥底に微かに残っていて、
小説を書くなんて方法で毎日、毎日、まーいにち! あの金髪に対する想いを蓄積させてさ……。
ついには溢れ返った想いの反動でこの世界に戻って来ちゃうなんて、本当に想定外だったよ」
……え、何それ?
それじゃまるで私がこの世界から日本に飛ばされてしまったリコリアさんみたいじゃない……?
そりゃまぁ確かにレオン可愛い格好良い大好きと藤子に語りまくって呆れられ、
ついにはそれでは飽き足らず妄想を小説にしちゃうくらい萌えまくってたけど……
「……そんな訳ないじゃん。私はちゃんと日本で生まれて……両親だっているし……」
呟くようにそう言った私の言葉を、ディールがハッと笑って打ち消した。
「親? ねぇ、それは確かに君を産んだという証拠のある人? 君の幼い頃の記録はあの世界には残っていない筈だよ。
……君の名前はリコリア・フォン・ブロスフィール。
滅亡しちゃったけど、ブロス王国のたった一人の後継者だよ。
メリアから亡国の王女が闇魔法を使うのを確認しましたって報告を受けた時は……本当に驚いて、一瞬、時間が止まったかと思ったよね!」
ディールのその衝撃発言に、私だけじゃなく、シャボン玉の結界に阻まれているレオンもフォレスも、息を飲んでその動きが止まり、言葉を失ってしまう。
虚飾を司るコイツの言葉をそのまま鵜呑みにする訳じゃないけど、もし本当の事なら色々と衝撃的すぎる内容だ。
トリップして来たんじゃなくて戻って来たという事とか、両親の事とか……
……でも、一番の衝撃は。
「亡国の王子様設定が本物だった……!!??」
思わず呟いた私の言葉に。
「一番に反応するのそこなの!?」
有り得ない、といった態でディールが呟き、シャボン玉の結界に阻まれた奥ではレオンとフォレスがガクッと膝をついている。
……あれ? なんか場の空気が全力で私に向かってこう言ってくるようじゃないですか。
『残念』と。
……ちょっと! 私は残念って言う方の側の人で言われるなんてお門違いなんですからね!!??
お読み頂き、有り難うございました!




