第四十四話 その愛を。
街まで送ってやろう、と言う瑠璃に案内され、私達が海の中を進み浜辺に出ると、ベルツ一家が心配そうにそこで待ってくれていた。
「レオン様、フォレス様、リコちゃん様!」
私達の姿を認めたイザベラさんが駆け寄って来る。
「ただいま、イザベラ。もう魔物の脅威は大丈夫だよ。人魚が戻って来てくれたからね」
レオンが優しく微笑みながら頷いて迎えてくれたイザベラさんの肩をポンポンっと叩く。
「……本当に有り難うございます、皆さま。それで、エリックは……?」
「ああ、彼は今、人魚と一緒だ。神殿で名付けと宣誓の儀式をしたから、もうあの二人は番だよ。
今日は二人きりでいたいと言うから、今日は神殿に残ることにして貰った。
……新婚さんの邪魔をする程、ボクらも野暮じゃないからね」
そのレオンの言葉に、ローザさんがううっと目頭を押さえてしゃがみ込んでしまう。
「……お兄様ぁぁーー!!」
だけど、そんなローザさんを面白くなさそうに眺めながら、私の隣で手を握って立っていた瑠璃が厳しい声で言った。
『人間よ、此度の災厄の原因を作った罰を受ける覚悟はあるのだろうな?』
背後から絶対零度の冷気を放ち……や、物理的に寒いヤツなので私も凍えそうだよ瑠璃!
ベルツ一家もそんな瑠璃に怯えたように言葉を失ってしまっている。
「皆さん、ご紹介しますね、こちらは瑠璃。人魚の友達で、今はこんな可愛い姿ですけど、海底神殿に顕現していた……水龍です」
私のその言葉を聞いて、彼らはギャッとカエルの潰れるような声を発した後、あわあわと慌ててその場蹲って頭を下げた。
……紹介するの、早まったかしら……?
『そこの娘の責任だけではないぞ。監督不行届きの罪は重い。下手をするとこの海に魔物が溢れ返っていたのだからな』
瑠璃が更に零度を高めて威圧する。
……ってちょっと! 本当に寒いから自重しよう、瑠璃! 気持ちは解るけど!
「水龍様、此度の事態を引き起こしたこと、誠に申し訳もございません。我々親も責任は重々感じております。
不肖ながらこのわたくしが全ての罪を引き受けますので、どうか夫と娘はご容赦頂けませんでしょうか?
夫はこの街の商業の要・ベルツ商会の代表を務め、娘はその次期代表でございます。
今ここで罰をお受けし、儚くなるにはサウスにとって少々重すぎる人材でございますゆえ……」
イザベラさんが瑠璃の前に土下座をしながら、懇願するように頭を上げる。
……ああ、やっぱりこの家族はイザベラさんが要かもしれない。
ヴィムさんには申し訳ないけど、私はそんな実感を抱いてしまう。
『イザベラ・ベルツ、妾を前にしてどのような罪でも受けると言い放つとは……見上げた心掛けよ。
良かろう、そちの望み、今ここで叶えてやろう』
瑠璃の小さな身体に魔力が集まって行くのが解る。
その威圧的な雰囲気が極限にまで達しようとした所で……
「瑠璃、だーめ! 本気でもないのにそんなに威圧的に振る舞うことなんかないよ」
彼女の本心が解ってしまった私が、そっと瑠璃の身体を抱き締めた。
「本気で断罪するつもりなんてないんでしょ? 今回のことは誰も悪くない。それは、ローザさんはちょっとやり過ぎちゃったかもしれないけど……。
でも、ローザさんが言わなくたって、いつかアーシェさんは同じ不安を抱えることになっていた筈だよ。番になる前にその不安が払拭出来て良かったって、瑠璃だって思ってるクセに。もう、素直じゃないんだから!」
抱き締めた片手を離し、瑠璃のその可愛いほっぺをツンツンと突く。
むはっ! やわらか~い!
『止めんか、璃心! 妾はケジメという物をだな……!』
私の腕の中で真っ赤になりながらもがく瑠璃。
ダメダメ、可愛い瑠璃を悪役になんか絶対したくないもん、私。
「本当に優しいんだから、瑠璃は。貴方が責めなければローザさんもイザベラさんもずっと自責の念に囚われることになっちゃうもんね?
……でも良いんだよ、瑠璃が似合わない悪役になんかなる必要はないんだから」
……貴女も幸せになって、と、私は抱き締めた瑠璃の耳元で囁いた。
「イザベラさん、ローザさん。彼女は水龍だけど、今では私の大切な友達です。瑠璃、という名前も私が付けた物ですしね。
だから、彼女に変わって私が貴方達に罰を与えてあげる」
そう言って私は土下座をしたままのイザベラさんの手を取り、立ち上がらせた。
まだ怯えているようなイザベラさんを安心させるようにニコリと微笑んでみる。
……効果はないようだ!
……いいもん。話は続けちゃうもんね!
「……ずっと孤独と闘って来た瑠璃に、愛情を下さい。称えるのではなく、悪い事をしたら叱ってあげる、イザベラさんのその愛を瑠璃に。
できれば貴方達一家だけではなく、街の人達全員が、瑠璃やアーシェさんを神として称えるのではなく、家族として迎えてあげて欲しい。
長命な彼女が今代の人達を見送ってもなお、その優しさがずっと瑠璃を包んでくれるように働いて下さい。……お願いできますね?」
私のお願いに、イザベラさんは泣きながら微笑んで「勿論です、リコちゃん様!」と請け負ってくれた。
うん、イザベラさんがこう言ってくれるなら大丈夫。
『璃心、妾はそんなこと望んでおらぬぞ!!』
イザベラさんを立ち上がらせる為に瑠璃の隣に立つことになっていた私の腕を、ポカポカと弱い力で叩く瑠璃。
もう! そんな可愛いことしてもリコさんが喜ぶだけですからね!
「瑠璃、私達はこの街に留まることは出来ない。そして貴女も、ここを離れることは出来ないんでしょう?
私の大切な友達が、また孤独を感じて泣いてるんじゃないかって不安を私にずっと抱かせるつもり?
……唯一の友達が消えてしまうのを見守るだけの生き方なんて、貴女にして欲しくないんだよ。
出会った人全てを幸せにしたいなんて、そんなのエゴだよ、出来る訳がないなんてことは、私も理解しているつもり。
……けどさ、心を寄せて、私に名前を付けて欲しいなんて可愛いことまで言ってくれた瑠璃を……大切な友達の瑠璃を幸せに出来なかったら、私がこの世界に来た意味なんかない」
そうして私は、再び可愛い瑠璃をギュッと抱き締めた。
「……孤独に慣れないで、瑠璃。私には仕事もあるし、ずっと一緒にはいられない。それは本当に申し訳ないと思うけど……。
私だけじゃない、貴女を慕う人達に囲まれて生きる幸せを、貴女にも知って欲しい。
……大好きだよ、瑠璃。付き合いの長さだけが友情を築く方法じゃないって教えてくれて、ありがとう」
抱き締められながらもポカポカと私を叩いていた瑠璃だったけど、その言葉を聞いてその腕を私の背中に回し、
ポロリ、とその可愛い瞳から涙を零して呟いた。
『……この天然タラシめ……! 良いわ、主のその願い、叶えてやろうではないか!』
天然タラシ、の言葉にレオンとフォレスが深く頷いている。
だからやめてってば! 私は心を寄せた人達が幸せになれる方法を一生懸命考えているだけなんだから!!
------------------
ぐすっと鼻を鳴らした瑠璃が、私にしがみ付きながらも精一杯の虚勢を張って唇を尖らせ、潤んだ瞳で私を見上げて言った。
『璃心、確かに妾はこの土地を長時間離れる事は出来ぬ。
じゃが、妾を友と呼んだその重み、忘れるでないぞ。必ずまた会いに来い。
……主の危機は、妾も全力で護るからの』
言い切った瑠璃がまた私にしがみ付いて来た。
うほぉぉーー!! 可愛い女の子に抱き付かれる至福っ!
生まれて来て良かったと思ってしまう程だよね!
『金髪男よ、先ほどの魔石を我に貸せ』
ふと、レオンを見つめて手を差し出す瑠璃。
呆然とこちらを見ていたレオンがハッと我に返り、異空間から先ほどのアーシェさんの魔石を瑠璃に差し出した。
それを受け取った瑠璃が
『──この石に水龍の加護も与えてやろう』
そう呟いて魔力を込めると、魔石がキラっと光って二つに割れ、その眩さに思わず瞑った目を開けた時には、瑠璃の小さな手の中に、一対の指輪が出来上がっていた。
リングの部分は蒼水晶で出来ていると思われ、淡く光を放っている。
その台座に、アーシェさんの涙の結晶が二つに分かれ、合わせるとハートの形になるような、羽のような形で取り付けられていた。
『璃心には時間がないのじゃ。金髪男よ、時間を与える故、今直ぐ璃心を誑かせ。
良いか、必ず璃心と心を通い合わせ、この指輪を受け取らせるのじゃぞ。出来ぬなどとは言わせぬ。護ると誓った言葉を今こそ果たせ。
……人間共、妾とあの甘党を屋敷に案内せよ』
そう言い放って一対の指輪をレオンに渡し、私から離れて行く。
……ちょっと瑠璃!? なにレオンを煽ってくれてちゃってるの!?
あの人、それでなくても全力で私をメロメロにしてるのに時々本当にヤバいんですからね!?
「……一生で一度の特別技能を展開してみせよう、水龍よ」
何故だか黒い笑顔で請け負うレオン。
『頼んだぞ』
瑠璃もニヤリと笑い、『ほれほれ、神殿で璃心と飲んでいた液体を振る舞う故、主も来ぬか!』とフォレスを誘う。
「やりぃ~!」
心底嬉しそうな表情のフォレスがその後に続き、イザベラさんを筆頭に屋敷へ向かう列に付いて行ってしまった。
……ちょっとフォレス!? その扱い易さはそろそろ問題ですってば!!
「……リコ、行こう。水龍様のご命令を違える訳にはいかないよね?」
スッと私の隣に立ったレオンが当然のように私の腰を抱き、頭にキスをしてそう言った。
……ヤッバい、今のレオン、魅了スキル全開だ!
「話したいことがあるって言ったよね。ちょっと突然過ぎるけど……覚悟は出来たよ。
……行こう、リコ。ボクの話を聞いて欲しい」
真剣な瞳で見つめられてしまえば、嫌だなんて言える筈もなく……
私はレオンに抱きかかえられるようにして歩きながら、幾つかの転移装置を経由して何処かに連行される。
……正直、怖いです、レオン様ーー!!
------------------
そうして辿り着いたのはいつの間にか空に出ていた月が辺りを優しく照らす、白い煉瓦で出来た教会。
中に入れば、色とりどりのステンドグラスが優しくその白い床を照らしている。
人魚を模しているのだろうか、複雑な形の十字架めいた建造物の前で、私を向かい合わせた状態でレオンが立ち止まる。
「リコ、暫く昔話をしても良い?」
ちょっと話が長くなるから座ろうか、と、私の肩を抱き、建造物の前に設えられた長椅子に座るレオン。
当然のように私はその隣に座り、レオンの片手でホールドされながら向き合わされている。
月明かりが照らすステンドグラスの光を受けて、レオンの綺麗な金髪がキラキラと輝いているようだ。
そしてその真剣な色を放つ瞳に見据えられ、私は何も言うことが出来ず、ただ黙ってレオンを見つめていた。
「……ボクが女の子達の願いや幸せを守ろうと思うようになったのは、初恋の女の子の存在があるんだよ」
吐息すらかかるその距離で私を見つめ、何処か寂しそうな瞳で語り出すレオン。
……レオンの初恋。
それは確かに、色んな女の子に優しくしているのを知っている私だけど、好きな人の恋話なんて出来れば聞きたくないんだけどな……。
「……そんな顔しないで、リコ。これは絶対に君に話さなきゃいけないことだから」
真剣な瞳でレオンが言うので、私は渋々頷いた。
ありがとう、とレオンが言葉を繋ぐ。
「フォレスと同じ教会で育てられていた琥珀色の瞳の可愛い女の子。コロコロ笑って、フォレスがからかうと涙さえ浮かべて抗議して、
ボクが頭を撫でてあげると世界中の幸せを集めたかのような幸せな微笑みをボクに向けてくれていた女の子。
……その子の名前はね、リコリア。……リコ、と、ボクとフォレスは呼んでいた」
突然の告白に私は目を見開く。
レオンの初恋の女の子が、リコ、と呼ばれていたこと。
いつだったかレオンが私の名前や琥珀色の瞳をずるい、と拗ねていたこと。
その原因は……初恋にあったのか。
「教会で育てられていたことから察することが出来ると思うけど……リコリアも孤児だった。
だけど、そんな寂しさは微塵も感じさせることがないくらい良く笑ったし、怒ったし、時には涙も流したし……。
本当に自分に素直で……恐らく思い込みじゃなく、彼女を大切に思っていたボクを、リコリアも憎からず思ってくれていたと思う。
フォレスもまた、妹分だなんて言いながら……リコリアに淡い恋心を抱いていた筈だ。
だから、ボクは誰にも負けたくなくて訓練もしたし、知識も学んだし……とにかく容姿だけじゃなく、ボクの能力や内面を彼女に認めて欲しくて、とにかく必死だった」
フッとそこでレオンが息をつく。
私を見つめる瞳には……今まで見たことのないくらいの寂しさに満たされている。
……うっ、私、レオンのその表情にはすごく弱いんだよね……。こっちまで泣きたくなっちゃうんだもん。
「その彼女がね、ある日突然、ボクとフォレスの前で光に包まれて消えてしまったんだよ。
原因なんか解らない。だけど本当に突然、光に包まれて……差し伸べたボクの手は届かなくて。
瞬きをした次の瞬間には、彼女は消えていた。
……フォレスと二人で大泣きしたよね……。大切に思っていた女の子が突然消えてしまったんだから。
だけどそれ以来、どんなに泣いてもどんなに願ってもリコリアに会うことは出来なくて……十四年前の事だよ」
十四年前……私が三歳の頃か。
何故だか私、その頃の記憶が一切ないんだよね。生まれたばかりの頃や、初めてのハイハイなんていう定番の写真もアルバムにはなかったし。
一人娘だから、あっても可笑しくないな、と思ってはいたけど……。
……まぁ、圧倒的シリアスな告白をしてくれているレオンを前にして、そんなことはどうでも良いことだ。
「だから、君と初めて出会って、その綺麗な琥珀色の瞳で見つめられてリコ、と名乗られた時、本当に驚いたんだ。
あのリコリアが帰って来たんじゃないかと、そう思った。
だから絶対に君を守ろうと思ったし、無理矢理にパーティーに入れたのも、もしかしたらリコリアが、と思ったからだと言うのも事実だよ」
……だけどね、とレオンがそっと私を抱き締めて耳元で囁く。
「思い出の中のリコリアなんかより、君はずっと魅力的だった。
ボクの知らない知識で魔法を使うし、あっという間に事件を解決してしまうし、たまにボクを喜ばせる言葉をくれるかと思えば、フォレスや街の女の子達を夢中にさせてボクを慌てさせるし……ついには水龍まで籠絡する始末だよ。
……ボクはね、色んな女の子に甘言を言っていた自覚はあるけど……いつでも女の子たちのその奥にリコリアの影を追い求めていて……。
……だけど、リコ、君の後ろにだけは、リコリアの幻影は決して現れなかった。
思い出の中にしかいないリコリアよりボクは……現実の君に強く惹かれていることを、毎日感じざるを得なかったよ」
そこで、ふと身体を離してレオンが私を見つめる。
その綺麗な蒼い瞳は涙に濡れていて、月の光を反射してキラキラと輝いているけれど……
悲しいだけの涙じゃないのが解ったので、私は微笑んでつっ、とその涙を片手で拭ってあげる。
出来れば泣いて欲しくはないけど、この涙は悲しみや寂しさを纏ったものじゃないから。
「……リコ、リコ・イチノセ。最初は名前やリコリアと同じ色の瞳に魅かれたのは事実だ。
……けど今は、そんな事は関係ないと思える程……リコ、君が好きだ。リコリアの幻影なんか関係ない。
ボクはリコ・イチノセ、その個人の煌めきに……完全に心を持って行かれた。
君が、君だけが、唯一ボクを心から幸せにしてくれる。好き……大好き……!」
叫ぶようにそう言いながら、レオンがギュッと私を抱き締めた。
……ねぇ、これ、夢じゃないですよね!?
妄想から生まれ、溺愛し続けたレオンと現実に出会い、その彼が私を好きだと言ってくれている。
確かにレオンはずっと、口説き文句めいた言葉を言ってくれていたけど、それは私が女の子だから言ってくれてるんじゃないかって、少し思ってた。
けど、こんな風に涙すら浮かべて真剣に言ってくれている言葉を、もうそんな風に受け取る事は出来ない。
……どうしよう、すっごく嬉しい。
もう、一方的に私が好きなだけじゃないんだって、自惚れてしまっても良いんだよね?
それって……どれだけの奇跡だろう。
出会えた事だけでも奇跡なのに、こんな私をレオンが好きだと言ってくれている。
こんな奇跡、もう私の人生で二度と起こらないんじゃないだろうか。
レオンの温かい腕の中でその言葉を噛みしめ、私は心が幸せに満たされるのを感じていた。
……嬉しいよ、レオン。私も貴方に伝えたい。
私の言葉が貴方にこんな幸せをあげられる自信はないけれど……でも聞いて欲しい。
「……私ね、初恋も知らないままここに来てしまって……レオン、貴方と出会って……。
……初めて恋をしたんだよ、レオン」
そう告げた私の言葉を、レオンは確かに聞いてくれた筈だ。
なのに、信じられない、といった表情で私を見つめている。
「何度も言っちゃってる気がするけど……レオン、私も貴方が好き。大好き!
……でも、私の秘密は、もう少しだけ、待って貰えるかな? 今はまだ、全てを話す覚悟が出来ていなくて……。
いつかきっと話すから。今は恋の告白だけ、受け取ってくれると嬉しいな。
この告白も、私にとっては生まれて初めてのもので……大切な気持ちだから」
私の生まれて初めての精一杯の告白、貴方に届いたかな?
レオン……レオンドール・フォン・アウンスバッハ。
……私は、貴方が大好きです。
「……ねぇ、レオン、貴方の秘密、聞いちゃったね。いつか約束したよね。秘密を話してくれたその時は……」
──君の唇を貰うから、と。
私が顔を真っ赤にしてレオンを見上げると、レオンはその花のような顔をクシャッと崩して満面の笑みをくれる。
……本当に、君には一生敵わない気がする、と呟き、そっと私の顎を取って……
「仰せのままに、お姫様……」
涙を落しながらその綺麗な瞳を閉じ、そっと顔を寄せて来るレオン。
恥ずかしくて、私もそれ以降は瞳を閉じてしまったので彼の表情は解らなかったけれど……
上向いた唇に、世界で一番優しい温もりがそっと触れたのを、私は確かに感じていた。
お読み頂き、有り難うございました!




