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01,おととしのクリスマス

 みなさんはおととしのクリスマスがどんなだったか覚えていますか?

 おととしなんてもう覚えてない?

 ほう、そうですか? おととしのクリスマスといったら、そりゃあたいへんだったじゃないですか?

 空をUFOみたいに飛ぶクラゲの怪獣が現れて、それをかっこいい宇宙戦艦がやっつけたじゃないですか?

 覚えてない? そんなマンガみたいなことおこるわけがない?

 いえいえ、本当におこったことなんですよ? みなさんが忘れているだけで。

 北極の「サンタの国」の魔法の大鐘が、世界中に催眠音波を響かせて、世界中の人々の頭から事件の記憶を消してしまったのです。その後で、大規模な停電をロシアに落ちた隕石のせいにする嘘の情報を流してみなさんに信じさせたのです。なにしろ「サンタクロース」は世界中に支社がある、大組織ですからねえ。え? ロシアに隕石が落ちたのは今年の2月だったって? うーん、頭のいい子だなあ、もう1回催眠音波を聞かせてやろうか? どうせニセの記憶だから細かいことはいいんです。


 そんなわけで、本当はおととしのクリスマスは大パニックだったのです。


 そしてそして、事件の後でとんでもない事実が分かったのです。

 なんと、あの「空飛ぶ大怪獣」事件は、サンタクロースの一員である、日本の黒いサンタクロース、黒岩三太郎という男の仕組んだことだったのです!

 黒いサンタクロースというのは悪い子のためのサンタクロースで、悪い子相手のサンタクロースですから、いろいろとむちゃなことをするのですが、それにしてもおととしはやりすぎでした。「サンタの国」のおもちゃ工場まで破壊されてしまって、世界中の子どもたちに配るはずだったおもちゃまでみんな駄目になってしまったのですから!

 これには他のサンタクロースたちは大激怒です。

 黒岩三太郎はただちに逮捕されて、裁判にかけられ、サンタの国の氷の刑務所に、禁固50年の刑が言い渡されました。


 こうして黒いサンタクロースこと黒岩三太郎は氷の牢屋に閉じこめられ、

 そういうわけで、去年の「黒いサンタクロース」のお話はなかったのです。


 三太郎は今も牢屋に閉じこめられています。

 さてさて、今年の黒いサンタクロースのお話は、どうなってしまうのでしょうか?

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