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第88話 けろりんぱ

「ラスボスが蛙ぅ?!」


ルゥが言った。


「フハハハ!!そう―…」


「ってか自分で"ラスボス"って言うなんて痛いわね」


ジャンヌが言った。


「う、煩―…」


「お前に言われたらおしまいだな」


シャーンが言った。


「あいたたたー」


「意味分かんねえよ三編み」


「陣痛かしら?」


「な、何!?」


シャーンが動揺した。


「シャーン!?お前らオレがちょっと目を離した隙にそこまでいってたのか?!」


ルゥが食い付いた。


「にゃ〜いつの間ににゃ?」


アミュも楽しそうに便乗する。


「ばっ?!ち、違っ―…」


シャーンが顔を赤くしながら否定すると


「シャーン…まさか…認知しない気?!」


エリアが信じられないという風な顔で言った。


「いやだから違っ―…」


「見損なったにゃ短足…よくある無責任な"俺の子じゃない"宣言かにゃ…」


「…お前の足の長さぐらい見損なったよシャーン」


「いやだからそんなんじゃねえしその例えの意味が分かんねえよ?!」


「…本当に酷いにゃ…足の長さぐらい」


「だから足の長さは関係ねえだろ!?」


「ひっ、ひっ、ふー」


「テメェも紛らわしい事してんじゃねえよ?!」


「時期的に考えると…」


指を折りながら出会った月数を数える。


「…ん?お前ら十ヶ月も一緒にいねえよな!?」


ルゥが突っ込んだ。


「まさか…別の子…?」


「な!?」


エリアが言うとシャーンが絶句した。


「ま…まさか?」


ジャンヌを見るシャーン。


「シャーン…残念だったな…」


「仕方ないにゃ…引き際が肝心にゃ…」


「泣かないでシャーン…」


「くっ…!!」


悔しそうに下を向くシャーン。


「ってどうでもいいわー!!?何乗ってんの俺?!」


シャーンが叫んだ。


「た、短足…」


「可哀想…!!無理して元気なふりしてるわ…!!」


「シャーン…オレ…可哀想なシャーンが大好きだよ…!!」


「そうにゃ…短足は足が短いという事だけが存在理由にゃ!!」


「ほっとけ畜生!!!?」


「バーンバニッシュ」


ドカアアアアアアアアアン


メンバーが吹き飛んだ。


「そ…ソラ…?!」


「な、何すんだよソラ兄?!」


「いったいにゃー?!」


信じられないという顔でソラを見るメンバー。


「何してるのは…こっちの台詞だよ…」


ソラが静かに言った。


「今は…ふざけてる場合じゃないでしょ…?」


「「「「…っ!!」」」」


メンバーは自分の置かれてる状況を思い出した。

そう。ふざけてる場合ではなかった。


「…そう…だったな…」


「急がなきゃ…いけないわよね…」


「…ごめんにゃ…」


メンバーが下を向いた。


「そうだよ…みんな…」


ソラが言った。


「…ピンキーが喋れなくて困ってるでしょ?」



・・・




・・・・・・




ばっ!!


一斉に"ラスボス"ピンキーを見る。


「ね?」


「「「「「ぶっ!!」」」」」


メンバーが吹き出した。


「…なんだよなんだよ…」


ピンキーはすねていた。


「にゃ…悪かったにゃはははは!!」


「だ…ぶっ…駄目だよ姉御…」


「そっ…そうだぞ猫…」


「か、可哀想よ…!」


「メルヘンね!!」


「おわ!?陣痛は治まったのか三編み?!」


シャーンが言った。


「は?陣痛?」


何くわぬ顔でジャンヌが返す。


「て…テメェ…!?」


シャーンが言った。


「お前っ…俺がどれだけ心配―…」


「ふざけるのも大概にしろ貴様らぁ!!!!」


ピンキーが叫んだ。


「「「「「「!!」」」」」」


「我はラスボスだぞ?!無視して良いワケねぇだろ!?ふざけんな畜生!!」


「バーンバニッシュ!!」


ドカアアアアアアアアアン


「!!」


ピンキーが吹き飛んだ。


「き…貴様?!」


「ふざけてるのは…そっちでしょ?」


ソラが言った。


「そうね…ふざけてるわ…!!」


「ああ…おい蛙」


ルゥが言った。


「…なんだ?」


ピンキーが起き上がった。


「なんでこんな事するんだ?」


ルゥが聞いた。


「月を落としてるの…お前だろ?」


「フハハハ!!良く分かったな!!」


「…コイツはどう見ても普通の人間だらな」


「我がこんな事をするのはコイツが望んだからだ」


ピンキーがオーブを見ながら言った。


「オーブが…望んだ?」


「そうだ」


「なんでそれをお前が叶えるんだ?」


シャーンが問う。


「フハハ!それはコイツが我を捕まえたからだ!」


ピンキーが答えた。


「そして我は我を捕まえた人間の道具となる」


「…どうしてにゃ?」


アミュが問うた。


「それは我が」


ピンキーが口を三日月型に歪めながら言った。










「ラスボスだからだ」










((((((答えになってねー!?))))))


メンバーが心の中で突っ込んだ。


「そして我は願いを叶える蛙…ネィバーランドの神なのだ!!」



・・・




・・・・・・




「「「「「「え?」」」」」」


疑問符がとぶ。


「…ネィバーランドの…神?」


ソラが言った。


「お前が…?」


ルゥが言った。


「フハハハ!!そうだ!」


ピンキーが言った。


「我はな…人間の願いを三つ叶える事が出来るのだ」


「…そう言えば…そんな事言ってたような…」


ソラが言った。


「…なら…」


ルゥが呟いた。


「月なんて落とすなよ!?」


「そ、そうにゃ!…あたしらの願いを叶えろにゃ!!」


「そうよ!この世界を…救ってよ!!」


メンバーが叫んだ。


「フハハハ…それは無理だな」


ピンキーが覆した。


「なん―…」


シャーンの質問の途中でピンキーが言った。









「月は明日落ちるのだからな」










「「「「「…え?」」」」」


メンバーが絶句した。


「…嘘だと思うなら外を見てみるが良い」


ピンキーが言い終わる前にメンバーは既に実行していた。


「う…嘘…?」


「そんな…?」


「明日?!」


「フハハハ!!明日はクリスマス!!世界が始まった日に世界が終わるのだ!!」


ピンキーが言った。


「時は満ちた…だから貴様らの役目はもう無いのだ!!」


言い終わると


「なんで…こんな願い叶えるの?!」


ソラが言った。


「神だからだ」


「神でも…やって良いことと悪いことがあるわ!!」


ジャンヌが武器を構えながら言った。


「何を言う?コイツを追い詰めたのは貴様ら人間であろう?」


ピンキーが言った。


「どういう…事?」


エリアが聞いた。


「フハハハ!!貴様らに話す筋合いは無い!!」


そう言うとピンキーが消えた。


「っ!?」


否。メンバーの頭上に現れた。


「黒の台座なら…なんとかなるかもな?」


「「「「「「!!」」」」」」


メンバーが上を向く。


「行ければの話だが」


そしてピンキーが叫んだ。


「ケロリンパ!!」









ドカアアアアアアアアアン







メンバーが吹き飛んだ。そこへピンキーの魔法が再びふりかかる。









ドカアアアアアアアアアン







「メディケーション!」


煙の中のメンバーを温かい回復魔法の光が包んでいく。


「ありがとうエリア」


「うんっ!」


「おかしな魔法ね!ケロリンパ☆」


「…強」


「流石ラスボスって感じ?」


「負けないにゃー!!」


メンバーが立ち上がり、魔力を込める。


「ペリッシュオーシャン!!」


「エアリアルアイオロス!!」


「ファスチネィションサンダー!!」


「バーンバニッシュ!!」


「ウッドパイソン!!」


それぞれの魔法がピンキーに向かう。


「フハハハ!!まだまだぁ!!ケロリンパ!!」


にゅるっとした魔法でメンバーの魔法を包み込み身を守るピンキー。


「ケロリンパ!!」


そしてそれをこちらに飛ばす。しかも今度のケロリンパはメンバーの魔法のおまけ付きだ。


「ソラ以外アクアシールド!!」


もわんっ


ソラ以外のメンバーが水のベールに包まれる。

何故って?それはソラが溺れてしまうからさ。


「捕まれソラ!」


「うん!」


箒に乗ったシャーンの腕を掴み、魔法の範囲から逃れるソラ。


「ありがとうシャーン!」


「おう!解除!」


ソラを降ろすとシャーンはメンバーを向きピンキーの魔法が切れた事を確認すると魔法を解き、空中に浮いた状態で目を閉じて集中し始めた。


「フハハハ!!上出来だ!ケロリンパ!!」


「羨ましい技名ね!!コンっ!!」


魔法と魔法が相殺する。


「なかなか良い魔法を持っているな?ニュルリンパ!!」


「羨ましすぎるわね!!コンっ!!」


「手伝うわ!ペリッシュオーシャン!!」


「ヴォルテックホープ!!」


「サイクロン!!」









ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン







激しい魔法の衝突で凄まじい爆煙が巻き起こる。


「おまけっ!バーンバニッシュ!!」


最後に炎の剣が煙の中に突き刺さった。


「…やった?」


「フハハハ!!甘いわ!!ニュルリンパ!!」


「っ!!」


煙の中から炎の剣を包んだにゅるっとした魔法が飛んでくる。


「炎を…ありがと!」


ソラが左手を前に出すと共にピンキーの魔法の動きが止まる。


「焼き尽せ!メテオフレア!!」


ピンキーの魔法は火力を上げ、再びピンキーの方へ飛んでいった。













ドカアアアアアアアアアン









再度爆煙があがる。


「今だよシャーン!」


ソラが言った。


「おう!…終結の黒…!」


ぶわんっ


シャーンの周りに黒く光る魔法陣が出現した。


「…ω(オメガ)!!」


シャーンが叫ぶと、辺りを眩しい黒が支配した。











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