第87話 ラスボス
『んっふ〜♪デルちゃん登場〜♪呼んだシャーンちゃん?』
(((((えええええ?!)))))
シャーンの前に牛の頭をもった筋肉質な獣人"ミノタウロス"が現れた。
それが女言葉を使ってるのでメンバーは引きまくっている。
「δ、みんなを癒してくれ」
(((((!?)))))
無理難題を言いなさる。この姿で癒される奴が何処に居るのですかシャーン?
『んっふ〜♪任せてシャーンちゃん♪』
(やめて!?)
(い、いやぁ!!来ないで!?)
(スーパープリチーね!!)
(有り得ないにゃー!!?)
メンバーが焦る。
『んふっ♪何この子?ちっちゃくって可愛いい〜♪』
δがルゥを見て言った。
「…んだと?」
ルゥが喧嘩口調で言った。
『んふっボウヤ?怒りっぽいのは良くないわ?』
「誰がボウヤだ?」
『デルちゃんのミルクでも飲んでリラックスなさい?』
「喧嘩売ってんのかテメェ?」
『生憎、今、品切よ』
「…ただでさえ牛乳が嫌いなオレに新たなトラウマ増やす気か?」
『トラウマ?』
「お前という名のトラウマだ」
『大丈夫!デルちゃんのミルクは甘くて美味しいのよ?』
「お前のミルクの味なんざ知ったこっちゃねえよ。つうか牛乳はどれも同じだろ」
『何言ってるの?牛乳は牛ごとに全然味が違うのよ?』
「知るか」
『馬鹿ねあんた。舌が腐ってるんじゃない?』
「上等だテメェ」
『あん?やんのかコラ?』
「…おいδ早くしろよ?」
シャーンが言った。
『んもう!せっかちね?』
δが言った。
『いくわよ!!』
手を前に出すδ。
『絞り立て!産地直送ロンリィ☆ミルク!!』
ポンッ!!
「っ!?」
メンバーの目の前に巨大な牛乳ビンが6つ現れた。
『デルちゃんのミルクを飲みなさい?』
δがそう言うと
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
ルゥが叫んだ。
自分から飲まないルゥには牛乳ビンが強制的に口の中にガンガン牛乳を流し込んだ。
「ゲヘヘ!!なかなかの味ね!!」
「…ぷはっ!本当!美味しいにゃ〜♪」
「あの人?の牛乳かしら…?」
「…気持悪くなってきた」
「ええ!?ごめんなさいソラ!!」
『んふっ♪美味しいでしょ?デルちゃんのミルクには癒し効果と豊富なカル―…』
「戻れδ」
しゅぱんっ
δが消えた。
「わ!なんか知らないけど傷がなくなってる!?」
ソラが言った。
「本当!MPも回復してるわ!?」
「デルちゃん凄いにゃ〜♪」
「ウチも絞ってみようかしら?」
「やめろ三編み」
シャーンが言うと
「召喚魔法か…」
オーブが言った。
「…無駄な事を…トゥウィンクルスター!!」
「バーンバニッシュ!!」
「エアリアルアイオロス!!」
「ペリッシュオーシャン!!」
「コンッ!!」
ドカァアァアァアァアァン
「何っ!?」
オーブが魔法負けした。
「にゃ〜♪なんかパワーアップした気がするにゃ〜!!」
「δの魔力のお陰だな」
「…凄い牛乳なのね?」
「ウチも絞ってみようかしら?」
「やめろ三編み」
シャーンが言うと
「まだじゃ…カオスメテオ!!」
「ロールスプーラッシュ!!」
「コンッ!!」
「サイクロン!!」
ドカァアァアァアァアァン
オーブが吹き飛んだ。
「…ふにゃ?どうも魔法の数が少ないにゃ〜?」
「本当ね…?」
「何してんのよモヤシにチビッコ!!」
ジャンヌが振り向くと
「ルゥ!?しっかりして!?」
ソラがルゥを揺すっていた。
「ソラ…兄…?」
ルゥが目を開けた。
「ルゥ大丈夫!?」
ソラが言うと
「ソラ兄…オレを探してくれたのか?」
「へ?」
「ありがとう…寒かったろう?」
「る、ルゥ?」
「おいで?ソラ兄…」
「へ!?」
「オレ…少し疲れたみたい」
ルゥが言った。
「…なんかな…とても眠いんだ」
「フ○ンダースの犬!?」
ソラが突っ込むとルゥが目を閉じた。
「ルゥ!?寝ちゃ駄目だよ!?死んじゃう!!死んじゃうよ!!?」
ソラがルゥを揺すった。
「ルゥ!?ルゥ!?」
「…」
返事が無い。
「ルゥ!?ちょっ、みんなっ!!助けて!?」
ソラがメンバーを向くと
「グスッ…」
「!?」
メンバーは感動していた。
「か、悲しすぎるわ…」
「ルゥちん〜死なないでにゃ〜!!」
「くそっ!目を開けろよルゥ…!!」
「センチメンタリズムね!!」
「ちょっ感動してる場合!?ル―…」
ソラが再びルゥを向くと
「!?」
五人の小さい天使がルゥの周りに舞い降りていた。
「ちょっと待って?!」
「いやー!!ルゥ死なないでー!!」
「ルゥちんー!!」
「ヤベぇ銀のエンジェルが五人集まったわ豚足!!」
「ヤベぇ三編み!早くハガキに貼って応募しなきゃ!!」
「トゥウィンクルスター」
ドカァアァアァアァアァン
メンバーが吹き飛んだ。
「お…お前ら…」
オーブが震えながら言った。
「戦闘中に失礼じゃぞ!?」
叫ぶオーブ。すると
「チッ…いい場面だったのによォ…!!」
ジャンヌが言った。
「今ので銀のエンジェルいなくなっちまったじゃねえか…?」
「知るか!?」
オーブが突っ込むと
「…これだからジジィは」
ゾワッ
「「「「「!」」」」」
ジャンヌから殺気が溢れる。
「な、何―…」
「テメェ…月落とそうとしたり銀のエンジェル逃がしたりウチらの邪魔したり…何様のつもりだ?」
「だから最高権力者にゃ―…」
「引っ込んでろ毛玉!!」
「は、はいにゃっ!?」
引っ込むアミュ。
「な、何者じゃお主!?」
オーブが問うた。
「はっ!!…ウチか?」
ジャンヌが言った。
「ウチはなぁ…」
場に緊張した空気が流れる。
「変人、だ」
ジャンヌが言った。
(((((本当に自覚してたー!!)))))
「変人…じゃと?!」
オーブが動揺した。
「おうよ!」
「威張れる事じゃねえぞ三編み?」
「本当変わってるね〜」
「パー子はやっぱりパー子なんだな」
「にゃは〜♪楽しくていいにゃ〜♪」
「そうね!!」
「ゲヘヘ!!いくわよ!」
ジャンヌが手を狐にした。
「ちね☆」
(((((なんか可愛いく決めたー?!)))))
バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ
「ゲヘヘ!!続きなさい?愚民ども!!」
ジャンヌが言った。
「め、メテオフレア!!」
「ヴォルテックホープ!」
「サイクロン!!」
「ロールスプラッシュ!!」
ドカァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァン
「っ…!!」
ドサッ…
オーブが倒れた。
・・・
・・・・・・
「か、勝ったの…?」
エリアが言った。
「そうっぽいわね」
さらりとジャンヌが言った。
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
数秒の間。
「…や、やったぁ!!!」
「勝ったのにゃー!!」
「きゃー!凄い凄い!!」
「オーブに…勝った!?」
「あんたは何もしてないけどね」
「召喚したもん!!」
「牛乳は美味しかったわ」
「だろ?」
「ウチも絞ってみようかしら?」
「やめろ三編み」
「やったにゃー!!!!」
「じゃあ…」
ルゥが言った。
「…早く黒の台座に行って…世界を救おう!!」
「「「「「おー!!」」」」」
そしてメンバーが扉に向かって走り出した。
「待て…愚か者どもめ」
「「「「「「!?」」」」」」
メンバーが一斉にオーブを振り向いた。
「…?」
「なんにゃ?」
しかしオーブは倒れたままだった。
「フハハハ!!…ソイツはもう動かないぞ?」
また先程の声がした。
「だ、誰!?」
ソラが言った。
「…私が誰だか分からないのかソラ?」
声が問うた。
「さっぱり」
即答。
「ちょっ…もうちょっと考えろよ?!」
「えー?面倒臭い」
「…っ!」
「出てくれば?」
ソラが言うと
「フハハハ…我だ!!」
ぴょんこ
メンバーの目の前に現れたのは
「「「「「蛙ぅぅぅ?!」」」」」
メンバーの目の前にオーブの肩に乗っていた蛙が現れた。
「…ピンキー?」
ソラが言うと
「我の名を憶えていてくれたか…嬉しいぞ?ソラ」
ピンキーが言った。
「ってか喋れるんだ?」
「フハハハ!!驚いたか?我はお喋り蛙、ピンキーなのさ!!」
ピンキーが笑うと
「…ネーミングセンスねえな…」
ルゥが突っ込んだ。
「う、煩い!!」
ピンキーが言った。
「つうかオーブの蛙が今更なんの用だよ?」
シャーンが聞いた。
「…フハハハ!!オーブは我が操っていたのさ!!」
「「「「「「!?」」」」」」
メンバーが驚いた。
「…って事は…蛙のオーブ!?」
シャーンが言った。
「世の中何が起こるか分かんないわね!!」
「ああ。お前が一番分かんねえ」
「オーブが…操られていた?」
エリアが言った。
「…君は…一体?」
ソラが問うと、ピンキーは邪悪な笑みを溢した。
(やっと本題に入れた…!)
なんだか知らないがご機嫌なピンキー。
「我こそがラスボスだ」