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第84話 黒い箱

タンタンタン…


朝、ソラが階段を降りてきました。


「ふぁ…」


タンタンガッ!!


「うわ!?」


ドテッ


階段で転んでしまったソラ。


「え?何!?」


起き上がりながら振り向くと


「わあぁ!?ルゥ!?」


階段にはルゥが変わり果てた姿で横たわっていた。


「ルゥ!?何が起きたの!?奇跡!?」


ソラがルゥを揺すりながら言いました。


「ルゥ!?奇跡!?奇跡なんだね!?」


早朝のせいか、テンションがおかしいソラくん。


「ソ…ソラ兄…」


ルゥがあえぎながら口を利いた。


「ルゥ!よかった…!!!…何がルゥの身に起きたの?」


ソラが尋ねた。


「…」


口を閉ざすルゥ。


「ルゥ?」


心配そうにソラが呼んだ。


「…………………………………思い出すのもおぞましい…………………………」


ルゥが呟いた。


「?どういう―…」


ソラが言いかけると


「…シャーンのローリングアタックにパー子のゲヘヘブラスト…フィニッシュはエリ姉のデスクラッシャー…」


「…!」


なんだかよく分からないが恐怖を覚えるソラ。


「駄目だソラ兄…!!オレもう帰る!!」


「な、なな何言ってるのルゥ!?」


ソラが焦る。


「オレ…もう怖くて…!!あの三人が怖くて…!!」


ルゥが言った。


「落ち着いてルゥ?」


ソラがルゥの肩を掴んだ。


「ソラ兄…?」


「思い出して?いつものルゥなら…今、何をするか」


ソラが優しい声で言った。


「いつもの…オレ?」


「そう。ルゥならまず何をする?」


「オレ…オレなら…まず」


目を閉じるルゥ。


「…」


「…」


「!!」


閃くと邪悪な笑みを溢すルゥ。


「…オレなら…奴らを叩きのめす…!!」


ルゥが言った。


「そう!それでこそルゥだよ!!」


ソラが言った。


「いひひっ…ありがとソラ兄…」


そう言ってフォークを巨大化させるルゥ。


「殺ってくる!!」


「いってらっしゃ〜い…気を付けてね…ふぁ…」


欠伸しながらソラはふと考えた。


(…あれ?僕は何を言ってたんだっけ…?)


ルゥの会話が思い出せないソラ。


(…まぁなんか感謝されてたし…いっか)


つまりソラくんは寝惚けていた。だからその後、シャーンの部屋から叫び声がするのを知るよしもなかった。


「そだ!…朝御飯作らなきゃ」


何事もなかったかの様にキッチンへ向かうソラ。

すると


ピンポーン♪


「!」


家の呼び鈴が鳴った。


『おはよー!!』


外からクロレカの声がした。


「…クロレカ?」


ソラが気付く。


『開けて〜』


「はいはぁい」


玄関に向かうソラ。


ガチャ


「おはよう」


「おはよーソラくん!」


クロレカが現れた。


「どうしたの?朝早くか―…」


「これっ!!」


「?!」


ソラはクロレカに黒い箱状の機械を押し付けられた。


「…何これ?」


「ゲーム!!」


「へ?」


ソラが聞き返す。


「ゲームだよー♪秘密の通路見付けるのにまだまだ時間がかかるから、これで暇潰ししてて♪」


クロレカが言った。


「え?そんな…手伝うよ?」


「いーの!!てか寧ろ邪魔だから引っ込んでろみたいな?」


笑顔でキツイことを言うクロレカ。


「…」


「えへっ♪それ、わたしが作ったんだぁ♪」


「ええ!?凄いね!?」


「でしょー?えへっ♪じゃ!そーいう事だからっ!!」


クロレカが言った。


「う…うん…頑張ってね!」


ソラが言った。


「うん!ありがとうソラくん!…あ!」


クロレカが思い出した様に言った。


「それ、時々バグるから気を付けてね!!」


そう言うと扉の奥へ帰って言った。









「「「「「ゲームぅ?」」」」」


メンバーが言った。


「うん…そうみたい」


ソラが言った。


「にゃは〜♪楽しそうにゃ〜♪」


「うわぁ!オレ初めて!」


「…シャーンと昔やった憶えがあるわ…」


「メルヘンって感じね!!ゲヘヘ」


「久しぶりだなぁ!」


シャーンが言った。


「…シャーン?」


「何だ?ソラ」


「黒いよ?」


ソラが言った。

シャーンは黒焦げになっていた。


「聞くなっ!!生傷が痛む!!」


「え?う、うん…」


言われた通りにするソラ。


「ってかルゥ!お前なんで俺にしかやらねぇんだよ!?」


シャーンがルゥに言った。


「はぁ?」


ルゥが返す。


「エリアと三編みだってやってたじゃねえか!?」


シャーンが言った。


「オレは"ジェントルマン〜紳士〜"だからね」


「うわコイツ素で"ジェントルマン"とかほざきやがった!?しかも"〜"がウゼェ?!」


「じゃあ僕は朝御飯作ってくるね?」


ソラが言った。


「「「「「はぁい♪」」」」」


ソラがキッチンへ入っていった。


「…これ、どうやって動かすにゃ?」


アミュが言った。


「さぁ?…シャーン分かる?」


エリアが聞いた。


「お、おう…これか?」


プチッ


シャーンが黒い箱状の機械のボタンを押すと


ばふんっ


「「「「「わ!」」」」」


すると黒い箱から巨大なスクリーンとコントローラーが三本現れた。


「べ、便利ね…!?」


「凄いにゃ〜♪」


「ゲヘヘ!!」


「…で、ここだな」


ポチッ


シャーンが押すと、画面に様々な色が浮かび上がった。そして


"スーパー★メルヘン"


「「「「…」」」」


「いいタイトルね!!ぞくぞくしちゃうわ!!」


ジャンヌが言った。


((((本当にぞくぞくするのは何故だろう…))))


メンバーが思った。


「さぁ!豚足?始めなさい?」


「なんで俺だよ!?」


「プロでしょ?」


「!」


ジャンヌが言い放つと


「し、仕方ねぇな…♪」


(((…この悲しみはなんだろう…)))


悲しくなるルゥとエリアとアミュ。


「おしっ!行くぞ!!」


「不思議なコントローラーね…?」


エリアがコントローラーを持ちながら言った。


「そだねー…何このマイク?」


ルゥが言うと


カチッ


シャーンがスタートボタンを押した。

その瞬間画面が豹変した。


「「「「ぎゃああああああああああああ!?」」」」


「ゲヘヘ!!メルヘン!」









「みんな〜ご飯出来たよ?」


ソラがリビングにやってきた。


「?どしたのアミュ?固まっちゃって…?」


ソラが言った。


「にゃにゃにゃ…にゃ!?」


「え?」


「ゲヘヘ!!不思議メルヘン!」


「意味分かんないよジャンヌ!?」


すると気付くソラ。


「あれ?…シャーンとルゥとエリアは?」


ソラが尋ねると


「そこにゃ…」


「?」


アミュが画面を指さした。画面を見るソラ。


「ええええええええ!?」


「にゃー!!どうしようにゃー!!!?」


「メルヘンの二乗!!」


画面を見ると


『どうなってんだァー!!!!!?』


『いやー!!なんなのコレー!!!?』


『出せー!!今すぐ!!アットワンス!!』


という吹き出しが声つきで現れた。吹き出しにはそれぞれ"シャーン"、"エリア"、"ルゥ"と付いていて、それを出している三人はドット絵だがこれは確実に


「シャーン!?エリア!?ルゥ!!!?」


だった。


「何故ゲームの中に!?」


ソラが言った。


「奇跡ね!!ゲヘヘ」


「どうするにゃー??!」


「あ、そう言えば…」


ソラが思い出した。


「クロレカが時々バグるって言ってたな…」


「バグるのレベルかにゃ!?」


「ゲヘヘ!!動きなさい!!」


「「!」」


ジャンヌが十字キーを押した。


『うおわ!?』


『『シャーン!?』』


シャーンが突然走り出した。


「わぁ!凄い凄い!」


「感心してる場合かにゃソラソラ?!」


「ゲヘヘ!!あんたらも動かしなさい?」


ジャンヌが言った。


「ゲームは目によくないよ?」


ソラが返す。


「余裕よ!!一時間ごとに小休憩を入れれば!!」


説明書みたいな事を言うジャンヌ。


「あと、部屋を明るくして離れて見るのよ!!」


「素晴らしいにゃメガネ!!にゃは〜ん♪やってみるにゃ〜♪」


カチッ


アミュがコントローラーのAボタンを押した。


『きゃああ!?』


『エリ姉!?』


突然エリアが転がり始めた。


「にゃは〜♪あたしはエリたんかにゃ〜♪」


「ちょっとアミュ!?エリアが可哀想だよ!?」


「ゲヘヘ!!」


『うわぁあぁあぁ!?』


ゴチーン


ぼてっ


シャーンが壁に激突して倒れた。


「シャーン!?」


ソラが焦る。


「ゲヘヘ!!最高ね!!」


「にゃ〜♪ソラソラもやるにゃー!!」


アミュが言った。


「ええ!?いいよ?!」


ソラが言った。


「なんでにゃ〜?」


「僕やったことないし…」


「ゲヘヘ!!面白い設定ね!!」


「わ!?」


ジャンヌがソラに残りのコントローラーを押し付けた。と、同時に


『イエーイ☆…って何やってんのオレ?!』


ルゥが画面に向かってピースした。


「ご、ごめんルゥっ!!なんかRボタン押しちゃって…」


コントローラーを持ちながらソラが言った。すると


『ソラ兄!?何処に居るの!?』


聞こえたのか、ルゥがこちらに話しかけてきた。


「え?え?」


焦るソラ。


「成程にゃ〜♪このマイクであっちに声が届くみたいにゃ〜♪」


アミュが言った。


「ゲヘヘ!!豚足、死になさい?」


ジャンヌが言った。


『て?!三編み!?何処だ!?』


シャーンが言った。


「画面の前よ!!」


『え?』


エリアが言った。


『どういう事?』


「にゃ〜♪なんかあたし達がみんなを操れるみたいにゃ〜♪♪♪」


アミュが言うと


『『『はぁあい!?』』』


三人が叫んだ。


「ど、どうやって戻るんだろ!?」


ソラが言った。


「画面に向かって走って来ればいいにゃ?」


「実践!!ゲヘヘ」


ジャンヌが素早く十字キーの下を押した。


『おわ!?』


シャーンが頭を押さえてしゃがんだ。


『何してんだよシャー…イエーイ☆って馬鹿ーソラ兄ー!?』


「あわわっ!?ごめんルゥ!!!」


「ゲヘヘ!!なかなかやるわねモヤシ!!」


ジャンヌは上機嫌だ。


「駄目かにゃ…じゃあクリアすればいいんじゃないかにゃ?」


アミュが言った。


『ええ!?何する気アミュ!?』


エリアが言った。


「クリアするにゃ〜♪」


『や、やめ…きゃああ!?』


再びエリアが転がった。


「やるしかないわね!!」


『ちょっ、やめろ三編み!?冷静に…冷静になれ!?』


シャーンが言った。


「冷静に…?」


ジャンヌが聞き返す。


『そうだ!冷静に…クールに!!お前は今、最高にクールだ!!!』


「ゲヘヘ!クール!!」


カチッ


Bボタンを押すジャンヌ。


『アクアシールドぉ!!!っておいっ!?』


「愉快ね!!」


『ふざけんアクアシールドぉ!!』


「ゲヘヘ!!」


「ジャンヌっ!!シャーンが可哀想だよ!?」


『ソ…ソラぁ…!!』


シャーンが涙ながらにこっちを向いた。


『いひひっシャーンはパー子に操られてんのか』


ルゥが言った。


『で、オレはソラ兄で…エリ姉が姉御か』


『ええ!?そうなの!?』


エリアが言った。


『アミュー!!もっと丁寧に扱いなさいよー!?』


『ふざけんな三アクアシールドぉ!!って意味分かんねぇよ?!』


「ゲヘヘ!!あんたはウチの操り人形よ!!」


『うわーん!!』


シャーンが泣いた。


『…よかった…一番三人の中でソラ兄がゲームやったことありそうだよね…』


ルゥが胸を撫で下ろ―…


「え?無いよ?」


『ふざけんなーっ!!!?イエーイ☆って馬鹿ー!!!?』


「ご、ごめんルゥ!!死ぬかも!!」


『縁起でもねぇよ!?頑張ってよソラ兄!?』


「覚悟なさい?豚足」


『こんなところで死んでたまるかアクアシールドぉ!!畜生っ!!!!』


「にゃ〜♪安心するにゃエリたん!」


『そ…それはきゃああ!?』


再びエリアが転がった。


「さぁ出発にゃー!!」


『『『クリアしたら憶えてろよ畜生!?』』』


「クリア出来たら、ね?」


ジャンヌが言った。


『『『殺されるうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!?』』』


そんなこんなで"スーパー★メルヘン"の始まり始まり。










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