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第77話 同じ顔

バシーン


大きな扉が閉まった。


「はぁ…はぁ…はぁ〜…」


「キモスキモスキモス…」


「もうイヤもうイヤ…」


「気持悪すぎにゃこの建物」


「ファンシーね!!」


「…あ」


ソラが言った。


「…?どうしたソラ?」


シャーンが訪ねる。


「トナカイ…」


ソラが呟く。


「「「「あ」」」」


「ゲヘヘ!!今頃ゴ○ブリまみれね!!」


ジャンヌが言った。


「…可哀想に…」


エリアが言った。


「こっちも必死だったもん…仕方ないよ…」


ルゥが言った。


「と…とりあえず…休もうにゃ〜…」




ドカン


「…やっぱり普通が一番じゃねぇか」


シャーンが言った。


「人生に冒険は漬物よ!!」


「黙れ三編み。そして漬物かよ。あと箒返せ」


「はい」


シャーンに箒を返却するジャンヌ。


「よろしい」


「今日はハンバーグよ!!」


「それってMP回復する?」


ソラが聞いた。


「ええ!するわ!!と言うかウチが今食べたい物よ!!」


「ああ…そう…」


「ハンバーグ作るわよモヤシ!」


「うんって僕も!?」


キッチンに強制連行されるソラ。







「待たせたわね!!」


ジャンヌがやって来た。


「にゃ!今夜はハンバーグかにゃ〜♪」


「美味しそう〜♪」


「三編み、料理出来るんだな」


「あれ?ソラ兄は?」


ルゥが聞いた。


「?此処にいるわよ?」


「え?何処?」


「此処」


ジャンヌはハンバーグを指差して言った。


「え!?」


「名付けて"モヤシハンバーグ"☆溢れる肉汁が貴方の人生の希望をそそります!」


「そんなワケないでしょ…てかハンバーグで人生の希望?」


ソラが現れた。


「またの名を携帯コタツと言うわ!!」


「はいはい食べようね」


「「「「頂きまーす♪」」」」


「デストロイ!!」


「何変なポーズしてんのジャンヌ?冷めるよ?」


「頂きま〜す☆」









「あ!ルゥ」


ベランダに出たソラが言った。


「やっほーソラ兄」


先にベランダに出ていたルゥが言った。ルゥはベランダの柵に座って"遠からず近からず"の扉を眺めていた。


「…いよいよだね…」


ルゥが言った。


「…うん」


ルゥの隣に歩いていくソラ。


「いひひっ当たりってのはあの扉の事だよね」


「…そうだね」


柵に寄りかかるソラ。


「ソラ兄は…これが終わったらどうするの?」


「どうしよっか?」


ソラが言った。


「…帰っちゃうよね?」


ルゥが代わりに言った。


「そう…かな?」


「寂しくなるね」


「そう?」


家の方を向くソラ。


『ぎゃあああああああああああッッ!!何持ってきてんだ三編み!?』


『ゴ○ブリ』


『嫌にゃー!!早く捨ててくるにゃー!!何で持ってきてんだにゃ?!』


『記念』


『やめて?!ぶらぶらさせないで!?』


『ゴ○ブリの味ってどんなのかしら?』


『止めろ。それだけは止めろ』


『見れば見るほど涎が出るわね!!』


『頼むから食べないで!?』


『それはウチに食えって言ってるのね?』


『有り得ないにゃー!?』


パリッ


『『『ぎゃああああああああああッッ!!!?』』』


『…しょっぱいわね』


ペッ


『『『ぎゃあああああああああああッッ!!!』』』



「「…」」


思わず無言になるソラとルゥ。


「パー子…ゴ○ブリ食べたのか…!?」


「普通じゃないよね〜ははは」


「笑い事じゃないよねソラ兄…」


ルゥが再び扉を眺める。


「サンタって…強いのかな?」


ソラが言った。


「まぁ…話の流れ的に強いと思うけど…」


「…そっか…」


「どうして…月なんて落とそうとするんだろうね?」


ルゥが言った。すると


「…世界を救う為だ」


「「!?」」


突然下から声がしたので驚く二人。


「こんばんは。イケメン"誠忠"カーフェイだ」


地面から二階にいる二人を向いて言う。


「…イケメン?」


「ムッ?何だルゥその文句あり気なリアクションは?」


「大丈夫だったんですか?」


ソラが言った。何故か丁寧語。


「ああ!大丈夫じゃないぞ?お陰でなんか全身に油ギッシュ感がするしな!!」


「汚っ」


「はっはっはっ!酷いぞルゥ」


カーフェイが笑った。


「あのっ他の皆さんは?」


ソラが訪ねる。


「お?ああ大丈夫だ。今はお寝んねしてるけどな」


「誰が寝てるんだ?」


セルシオが現れた。黒い格好をしているので銀髪しかよく見えない。


「セルシオ!?まだ眠れないのかい!?さっきご本を読んであげたじゃないか!」


「はっ!あんなのウザくてキモいだけだ」


「何で!?白雪姫って感動しない!?」


「お前だけだ。同意を求めるな」


「…白雪姫!?」


ソラが真っ青になる。蘇るハーパンと白タイツ。


「白雪姫なんて…大っっ嫌いだ…!!」


「いひひっ…で?何しに来たのさ?」


ルゥがカーフェイとセルシオに向けて言った。


「戦いたいの?」


「いーや!戦わない!私達は負けたからな」


カーフェイが言った。


「堂々と言うな馬鹿」


「ん?このフローラルの香りは…セルシオ…さては風呂入ってきたな!?」


「当たり前だ。全身を奴が這いずり回ってたんだぞ」


「セルくん冷た〜いっ私も一緒に入るんだったのにぃ!!」


「キモい」


「…酷い」


キツい突っ込みに身も心もボロボロなカーフェイ。


「…じゃあ何しに来たんですか?」


ソラが言った。


「いやいや美少年くんの寝込みを襲おうとしたわけじゃないぞ?」


「…誰も言ってませんが?」


「はわ!!つい妄想を口に出してしまった!!」


「キモいなこの同性愛おっさん」


「全くだ」


「しゅ…守備範囲が広いと言ってくれ…私は女性も大好きだ…!!」


ほぼ同調子の突っ込みをルゥとセルシオから受けるカーフェイ。


「…寝ようかソラ兄?」


「そうだね」


「鍵架けとかなきゃね」


「危ない世の中だね」


「ちょっ…ちょっと待ってくれ!?」


「「?」」


部屋に戻ろうとしたソラとルゥを引き止めるカーフェイ。


「ちょっと…話さないか?」

「…?」


「何さ?」


「どうして我々が月を落とそうとしてるのか?…とか」


カーフェイが言った。


「どうしてですか?」


ソラが聞いた。


「おお!流石美少年くん!!優しい君が大好きだ!!」


「…」


「はっ…はっはっはっ…」


「馬鹿が」


「世界を救う為ってどういう事?」


ルゥが聞いた。


「おおそうだ!…我等がオーブ様方は世界を救いたいらしい」


「らしい?」


ソラが聞き返す。


「そうだ…オーブ様方は今ある世界を滅ぼす事によって世界を救うそうだ」


「「?」」


「つまり…今ある世界を救う気は無いという事だ」


セルシオが言った。


「今ある世界?」


ルゥが聞いた。


「…次に出来る彼奴の理想の世界を救いたいらしい」


セルシオが答える。


「言ってる事滅茶苦茶ですね…」


「大体月なんて落ちてきたらそいつらも死ぬだろ?」


ルゥが言った。


「オーブ様方は死なない…死ぬのは…人間だけだ」


カーフェイが言った。


「「?」」


「…つまり奴らは化け物って事だ」


セルシオがまとめた。


「今の世界も救えないヤツが…次の世界を救う?」


ルゥが言った。


「自分の…理想の為に?」


ソラが言った。


「そうだ」


「ヤバイよなー」


セルシオとカーフェイが言った。


「…貴方達はオーブの意見に賛成していないんですか?」


ソラが問う。


「してないな」


カーフェイが言った。


「してねぇのかよ」


ルゥが突っ込む。


「じゃあどうしてセイクリッドに居るんです?」


ソラが聞いた。


「…長くなるぞ?」


カーフェイが言った。


「手短にお願いします」


「あ…そう…」


「「馬鹿が」」


「う…と、とりあえず…そっちに行って良いか?」


「ソラ兄に手ぇ出さないならな」


「出さないよ!?」


「よろしい」


こうしてベランダにやって来た二人。

三人は椅子に座った。


「あれ?セルくん座んないの?」


カーフェイが言った。


「キモいヤツの隣に座りたくないだけだ」


壁に寄りかかっていたセルシオが答える。


「酷い…」


「で?何なのさ?」


「あ、ああそうだ!」


咳払いするカーフェイ。


「ネィバーランドでは魔法が使える事は知ってるよな?」


「いや知らなかったらただのハゲだろ」


ルゥが突っ込む。


「ハゲ!?」


頭を押さえるカーフェイ。


「続けて下さい」


「お前の事じゃねぇよ」


「あ、はい…」


座り直すカーフェイ。


「…で、その魔法の根源が君達の心臓の中にある"バース"って事も知ってるよね?」


「…心臓の中にあっても大丈夫なのか?」


「…大丈夫って事にしとこう?」


「その"バース"は産まれた時から持っていて、様々な属性がある」


カーフェイが続ける。


「…だから何なのさ?」


ルゥが聞いた。


「その"バース"を持たずに産まれてきたのが俺達だ」


セルシオが言った。


「「?!」」


「…世の中"絶対"なんて存在しないのさ」


カーフェイが言った。


「もちろんネィバーランドで魔法を使えねぇのはただのハゲだ」


「ハゲ!?」


「お前の事じゃねぇよ」


「でも皆さん魔法使えるじゃないですか?」


ソラが言った。


「そうだ。私達が魔法を使えるのはオーブ様方のお陰だ。」


「?」


「オーブ様方は魔法が使えない私達に人工バース、"リバース"を授けてくれたのさ。」


カーフェイが言った。


「だから私達トナカイは昔魔法が使えない落ちこぼれだったのさ」


「?…でもセルシオは使えただろ?」


ルゥが思い出す様に言った。


「そうだな…俺はサンプルだ」


「サンプル?」


「…本物のバースのな」


セルシオが言った。


「つまりぃセイクリッドにはまともなヤツがいないってことねぇ」


「何言ってるの!?セルくんはまともだよ!!」


「「「!!」」」


ヴェルナとクロレカが現れた。


「セルシオは仮面つけてる時点で変人よぉ?」


「何言ってるの!?凄い格好良いんだよ!!」


「聞こえちゃうわよぉ?」


「はわ!?」


真っ赤になるクロレカ。


「喧嘩売ってんのか露出狂?」


セルシオが言った。


「露出狂ですって?!」


ヴェルナが言った。


「今日は大部控えてるじゃない?!それに露出はファッションよ!!」


「ヴェルナちゃん今日も素敵だよ☆」


「コモい」


「…」


落ち込んでいるカーフェイをほっといて


「ならどうして戦ってたんですか?」


ソラが聞いた。


「命令だからよぉ?」


「命令?」


ルゥが聞き返す。


「サンタさんの命令だよルゥくん!…わたし達のリバースはサンタさんが造ったものだから…逆らえないの!」


クロレカが答えた。


「?…でもセルシオは普通のバースだったんだよね?」


ソラが言った。


「…」


「それはセルシオがただのビビリなだけよぉ?」


「そう…なんですか…」


「ん?」


じーーー


「…何さ?」


「そっくり…」


クロレカがルゥを見ながら言った。


「きゃはっ!!セルくんセルくん仮面取って!!」


「断わる」


「取って取って取って〜!!」


「う…」


「取れ♪」


カパッ


「ふざっ―…」


もう一人のルゥが現れた。


「えへへ〜♪並んで並んで!!」


ルゥの隣にセルシオを押していくクロレカ。


「す…凄い…」


「おんなじねぇ〜♪」


「双子…萌えるな…」


「気持ち悪いよカーフェイくん」


今、ルゥとセルシオの同じ顔が二つ並んでいる。


「…本当だ…」


「…返せ」


仮面をつけるセルシオ。


「でもぉ…セルシオのがちょーと高いわねぇ?」


ヴェルナが言った。


・・・



・・・・・・



「はあああああああ!?」


ルゥが言った。


「テメェ!?オレをさしおいて?!」


「はっ!俺の成長期はまだまだ続いてんだよ」


「お…オレだって…オレだって…!」


「お前は俺の五年前の身長と同じだ」


「っ!!」


「何せお前は―…」


何かに気付いて口を閉じるセルシオ。


「…」


「?」


「…なんでもない…それより…」


セルシオが言った。


「トラを倒す気か?」


ルゥに向かって言った。


「おう!」


答えるルゥ。


「…死ぬぞ?」


セルシオが言った。


「いひひっ…心配してくれんのか?」


ルゥが言った。


「…」


「…」


「…行くぞ」


「何処へ?セルくん?」


「負けた奴はセイクリッドには要らない…外だ」


「…そっか」


立ち上がるトナカイ。


「…じゃあな!頑張れ美少年!!」


「応援しとくわよぉ?」


「…」


「頑張ってね!!」


「…うん!」


「任せろ!」


「…行くぞ」


「「「了解〜」」」


こうしてトナカイが去っていった。


「…ルゥ」


ソラが言った。


「いひひっ…もう寝よソラ兄」


「…うん」


ソラとルゥも部屋に戻っていった。








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