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第76話 遠回り

キラキラした宝石が壁一面に埋め込まれた通路を渡るメンバー。

此処は"遠道"。


「…ジャンケンで決めることないだろ?」


シャーンが言った。


「負けるあんたが悪いのよ!!ゲヘヘ」


「綺麗…」


エリアが宝石にうっとりしている。


「まるでウチみたいね!!」


「ど厚かましいぞパー子」


「どんだけ自分を過大評価してるにゃ?!」


「なんてったって神だからね!!」


「ファイア」


ボッ


『キャイン!!』


ソラの炎はジャンヌすれすれに飛び、ジャンヌの後ろにいた魔物に当たる。


「…ふぅ…危ないよジャンヌ?」


ソラが言った。


「いや俺はソラが危ないと思うがな…」


シャーンが言った。


「此処エンカウント高過ぎーっ!!」


ルゥが叫んだ。


「エンカウント?」


「敵と会う確率の事だ」


シャーンが言った。


「へぇ〜」


「また来たわ!!ゲヘヘ」


再び魔物が現れる。


「アクア!」


『ぐわっ!』


「エアロ!」


『くぅん!』


「ボルト!」


『シャーン!』


「唾液!」


『うえ!?』


「汚っ!?」


「ファイア!」


『きゅーん』


次々と魔物を倒していくメンバー。


「て今魔物が俺の名前叫ばなかったか?!」


シャーンが突っ込む。


「気のせいっしょ?」


ルゥが言った。


「…そか」


「まだまだ来るわよ!!」


ジャンヌが言った。


「面倒にゃー!!」


「多過ぎよっ…!」


「ボルト!」


魔物を蹴散らすルゥ。


「愚痴ってる場合じゃないよ…!」


ルゥがフォークを巨大化させる。


「「「「「!!」」」」」


メンバーが目にしたモノは


「良い反応だなルゥ」


「でも此処で消えて貰うわぁ?」


カーフェイとヴェルナ。


「強くなったんだね…」


「でも…お疲れの様だな?」


メンバーの後ろにはクロレカとセルシオが現れた。


「…!」


「囲まれたわね!!」


「マジかよ…」


「来るよっ!!」


ソラが言った瞬間、四人…トナカイが襲いかかってきた。


ガチン


キン


ガッ


ガイン


4つの武器はメンバーのそれぞれの武器で防がれる。


「レイ!!」


間発入れずカーフェイの魔法が炸裂する。


「フリーズ」


「ダークネス」


「グランドクロス!!」


びゅわっ


ゴッ


バコーン


それぞれの魔法を上手くかわすメンバー。


「ファイア」


「ボルト!」


軽く避けられる初級魔法をセルシオ達に放ち、囲いを解いた。


「…MPが残り少ないのか」


カーフェイの隣に立ったセルシオが言った。


「此処、敵多いもんねぇ?」


「チャンスってヤツ…?」


「油断しちゃ駄目だよっ」


ヴェルナの隣にやって来たクロレカが言った。


「その通りね!!ウッドパイソン!!」


「ブラッティランス」


ジャンヌの魔法がセルシオの魔法に相殺される。


「あらびっくり!あんた、ちゃんと前見えてるのね!!」


「煩いよ」


セルシオが言った。


「その仮面取ったらいいじゃん?」


ルゥが言った。


「断わる」


セルシオが突き放す。


「同じ顔…なのか?」


「当たり前だ…気持ち悪いくらいな」


「…」


「にゃ〜どうりで低いにゃ〜!」


「…」


ビュン


「ふにゃ!?」


アミュがギリギリのところでセルシオの暗剣をかわす。暗剣は標的を無くし、壁に突き刺さった。


「へにゃ…こんなとこまでソックリにゃ〜…」


「ほっとけ猫」


「余裕ねぇ?」


「!」


「危ないっ!!」


バンバンッッ


ルゥがいた場所に二つの穴が空く。


「…たく」


「ありがとシャーン」


ルゥは箒に乗っているシャーンの腕に捕まり浮いていた。


「…あらぁ?見ない顔ねぇ?」


ヴェルナが言った。


「新キャラ?」


「旧キャラです」


即答シャーン。


「ふふっ格好良いわね?」


「どうもっ!!」


バンバンッッ


飛んでくる鉛玉を避けるために素早く横に飛ぶ。


「うぎゃあ!?」


その為ぶら下がっていたルゥは大絶叫。


「悪ぃ」


「大…大丈夫だよ」


「ファイア」


「アクア」


「エアロ」


「ローズホイップ!」


「「「「!」」」」


上に気を取られていたトナカイにメンバーの魔法が次々と襲いかかる。


「ゲヘヘ!!モクモク!!」


ジャンヌの言う通りモクモクと爆煙が巻き起こる。


「!エリア伏せてっ!」


「!?」


ソラの指示通り動くエリア。その頭上を


キュン


危険な輪ゴムが通っていった。


「あ、ありがとうソラ!」


「どういたしまして…来るよ!」


バンバン


ビュン


鉛玉と暗剣がメンバーを襲う。


「ウッドパイソン!!」


「グランドクロス!!」


クロレカの魔法に止められる。


「なかなかやるわね!ゲヘヘ」


爆煙が晴れた。


「ファイア!」


「わっ!?」


クロレカが避ける。


「危ないよジャンヌ」


ソラが言った。


「神は受け入れ難いモノよ!!」


「いや意味解んないよ!?」


「モヤシそこ危ないわよ?ゲヘヘ」


「うわっ!?」


先程ソラの頭があった位置に暗剣が投げた通り過ぎる。


「ありがとジャンヌ」


「エデンの南口よ!!」


「だから意味解んないよ!?」


「レイ!!」


「危ない!!アクアシールド!!」


もわんっ


シャーンが叫ぶとメンバーは水のベールに包まれた。


「「「「「!」」」」」


カーフェイの魔法は水のベールに弾かれた。


「くっ…」


「厄介ね…」


カーフェイとヴェルナが言った。


「魔法が解けるのを待つまでだ」


セルシオが言った。


「いつ解けるの?」


クロレカが問う。


「…すぐだ」


セルシオがメンバーを見ながら言った。



「ぷはっ!」


メンバーが立ち泳ぎをしながら上に顔を出した。


「シャーンが魔法使ってる?!」


いつの間にか降ろされたルゥが言った。


「…お前ら俺が水魔法使いだって忘れてるだろ?」


「だって今まで使ってなかったにゃ!?」


アミュが言った。


「…俺は盾しか出来ないからな…」


「でも凄いわシャーン!!」


「水族館ね!!」


「意味解んないよパー子…ってわぁ!?」


ルゥが叫んだ。


「?どしたのルゥ?」


メンバーの目がルゥに集まる。


「そっ…ソラ兄!!!?」


今度は一斉にソラを見る。すると


「…」


真っ青なソラが沈んでいた。


「きゃあああ!?ソラ?」


「ソラソラが死にそうにゃ!?」


「ナメクジでも食べたのかしら?」


「ソラ?!」


メンバーが駆け…泳ぎ寄る。


「あ」


気付くルゥ。


「ソラ兄…カナヅチやん…」


「「「あ」」」


メンバーが気付く。

そう。此処は水の中。


「わー!?ソラー!?」


「カナヅチですって?ゲヘヘ!!最高ね!!」


「馬鹿言ってる場合?!」


「解除!!」


シャーンがそう言うと水のベールが消えた。

そのまま床に落ちるソラ。


「本当だ!!グランドクロス!!」


「アイスエイジ!」


「ホーリィソード!!」


「ブラッティランス」


シャーンの魔法が消えた瞬間、トナカイの魔法がメンバーを襲う。


「特大鍋の蓋!!」


ブンッ


ルゥのフォークが鍋の蓋に変わる。しかも半端ない大きさ。


ガガガガ


ドシャッ


ドカーン


グシャア


鍋の蓋の前に敗れるトナカイ。


「ソラ!?悪い大丈夫か!?」


「…」


「ソラ兄!?」


「し…死ぬかと思った!!…あとちょっとで死んじゃうかと!!」


ソラが言った。


「よかったぁ!生きてるわ!!」


「びっくりしたにゃ〜…」


「チッ」


「…何の舌打ち?ジャンヌ」


ソラが起き上がる。


「い…行くよ…」


「行かなくていいわよ」


ジャンヌが言った。


「?」


「チビッコ?」


「何さ?」


「それ、解かないでよ?」


「?」


ぶくぶくー


ジャンヌが溶けた。

そのまま鍋の蓋の向こう側に行くジャンヌ。


「ジャンヌ!?」


「危な―…」


ビシーン


バシーン


ビシーン


バシーン


バシーン


ビシーン


バシーン


ビシーン


バシーン


「ゲヘヘ!!」


ドシャッ!!


ジャンヌの笑い声のあとに重いものが倒れる音が四つ…


「…パー子?」


「た、倒したの?」


「オープン・ザ・鍋の蓋!!」


ジャンヌが言った。


シュン


鍋の蓋がフォークに戻る。


「す…スゲェ…」


シャーンが言った。


「一人でにゃ!?」


「余裕よ!!」


トナカイの四人はローズホイップで縛られていた。


「…何故最初からこうしないパー子?」


ルゥが言った。


「熱い魂が今目覚めたのよ!!」


「強いのねジャンヌ!!」


「神だからねウチは神だからね!!」


「MPも三編みと俺以外少なかったしな」


シャーンが言った。


「招き猫ね!!」


「意味解んねぇよパー子」


「…大丈夫なの?この人達…」


エリアがトナカイを向きながら言った。


「ゲヘヘ♪」


ゴキュッゴキュッ


「!?」


薔薇の鞭が膨らんだり萎んだりしてジャンヌの方に向かっていく。


「うぅ…」


トナカイ達がうめく。


「ゲヘヘ!!ツルツル肌☆」


ジャンヌが顔を押さえながら言った。

ジャンヌの肌はツルツルになっていく。


「ジャンヌ!?確実になんか"吸って"るよね!?」


ソラが言った。


「よく解ったわねモヤシ!」


「やめなさいよ?!」


エリアが言った。


「えー?」


「えーじゃなくてね!?」


ゴキュゴキュゴキュゴキュ


「酷くなってるわ!?」


「シャーン…」


溜め息混じりにルゥが言った。


「ん?なんだルゥ?」


「パー子を止めろ」


「はぁ!?なんで俺が…」


「なんでだろうね?」


にやけるルゥ。


「る、ルゥ?」


「行ってこーい!!」


ドンッ


「わっ!?」


押されるシャーン。


「ゲヘヘ!!」


「あわわわ…トナカイが萎れてきてる!?」


「どうしようソラ!?」


「にゃー!!やめるにゃー!!」


「ゲヘヘ」


ジャンヌはどんどん何かを吸っていく。


「…」


シャーンがそれを見て


「三編み?」


「何よ豚足!!邪魔よ!!招き猫よ!!」


「…」


ジャンヌの横に立つシャーン。


「…とう!」


シュパッ


「ふみゅっ!?」


ジャンヌの眼鏡が奪われた。


「へっ!返して欲しけりゃ止めるんだな」


ジャンヌの眼鏡をヒラヒラさせながらシャーンが言った。


「く…見えないわ!!何も見えない!!」


「ジャンヌ僕と視力同じだよね!?」


「返しなさい返しなさい返しなさーい!!」


「はははっ!こっちだ三編み!!」


「小癪な!!」


ジャンヌがトナカイを放してシャーンを追い掛けだした。


「す…凄いわシャーン…!!」


「にゃかにゃかやるにゃ〜…」


「いひひっ♪」


「大丈夫?!」


しおしおのトナカイに向けてソラが言った。


「…」


返事がない。ただの屍の様だ。


「ちょっと待って!?」


「…どうしよっか?」


ルゥが言った。


「大丈夫にゃ〜そっと脇に置いておくにゃ〜!」


「そっとね!」


そっと脇に置いとくエリア。


「…大丈夫かな?」


ソラが言った。


「大丈夫で―…」


ルゥがそう言いかけると何かに気付く


「…なんかゴゴゴゴゴゴーって聞こえない?」


「へ?」


耳をすませるメンバー。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴー


「…聞こえるにゃ」


「何の音かしら…?」


「みんな…ヤバイよ」


ソラが言った。


「な、何ソラ?」


「物凄く振り向きたくないにゃ〜…」


「ナメクジじゃないよねソラ兄!?」


「うん…ナメクジじゃないよねあれは…」


引っ掛かる言い方をするソラ。


「じゃあ…何さ?」


ルゥが言った。


「ゴ○ブリ」


「「「ぎゃあああああああああああッッ!!」」」


「はっ走るにゃー!!」


「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌ーっ!」


「なんでゴキ○リなんだよー!?」


「あっ!ルゥ伏せ字の位置ずらしたら解っちゃうよ!!」


「知るかあああああ!!」


迫り来るゴ○ブリの大群。メンバーは全力疾走を始める。


「にゃー!!メガネと短足!」


途中でジャンヌとシャーンを見付ける。


「何走ってんだお前ら?」


「まるかじりね!!」


「ゴ○ブリにゃー!!!」


「何ぃ!!!?」


「あら本当!あの黒い光沢がキュートよね!!」


「走るぞ三編み!!」


「待ってシャーン!!」


「何だソラ!?」


「ジャンヌ走れないよ?」


「何ぃ!?」


振り向くシャーン。


トテトテトテトテトテトテ


「遅っ!?」


「どうしよっか?」


ソラが走りながら言った。


「シャーン箒に乗せてやれよ?」


ルゥが言った。


「なっ―…」


「それがいいね!頑張ってシャーン!!」


「ちょっソラ!?」


「早くしてシャーン!!ジャンヌがゴ○ブリに呑まれるわ!!」


「にゃー!!嫌ー!!」


「ったく…!!」


シャーンが箒を出した。


「乗れよ三編み」


「パソコンね!!」


「どういたしまして!!」


「逃げろーーーー!!」


「ゲヘヘ!!」







出口目がけて全力疾走する五人と飛ぶ一人。

お食事中の方、あるいはお食事前の方、大変申し訳ありませんでした。








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