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第72話 MP

「弱いですね」


ポライトが言った。


「お前がな」


ルゥが言った。

ポライトは床に仰向けに倒れていた。


「止め刺さないんですか?」


「刺しません」


ルゥが応えた。


「何故ですか?」


「何故でしょう?」


質問に質問で返すルゥ。


「あなたも動けないんですね?」


「そうなのよ」


ルゥは片膝を付いて体をフォークで支えていた。


「ルゥ!勝ったのか?」


シャーン達が現れた。


「おう!さっきな」


「チッ」


「何に対しての舌打ちだパー子」


「凄いにゃ〜!!ルゥちん見直したにゃ〜!!」


「そうね!三秒で消滅すると思ってたのに!!」


「どんだけオレを低く見てんだパー子」


「こんだけ?」


「身長じゃねぇよパー子」


「立てるかルゥ?」


「お…おう」


ヨロヨロと立ち上がるルゥ。


「じゃあなポライト」


「…」


メンバーは上の階を目指す。









「わ!みんな勝ったんだね!よかった〜!!」


ソラが左腕を押さえながら言った。


「お…おう…」


「…勝ったにゃ」


「よかった〜みんな無事で…」


エリアを見るソラ。


「わ!エリア大丈夫!?」


「大丈夫にゃ…MP切れにゃ」


「そっか…よかった」


安心するソラ。


「…ソラ兄…クルーエルと戦ったんだよね?」


ルゥが言った。


「うん」


「…無傷でか?」


シャーンが言った。


「ううん。左腕をパックリ」


ソラが左腕を押さえていた右手を離した。


ドクドクドクドクドクドク


大出血。


「「「ぎゃああああああああああああ!!!?」」」


「うわぁ酷いな〜スリッパってこんなに危ないんだね〜」


自分の血を眺めるソラ。


「そそそソラ兄!?何平然と自分の血を眺めてるの!?」


「ははは〜なんか白いチカチカしたものが見える〜♪」


「ちょっ!?ソラ!?逝くな?逝かないでくれ!?」


「わ〜母さん久しぶり〜!」


「ししし止血にゃー!!」


「…」


「にゃ〜メガネも手伝うにゃー!!」


「そそそそうだよパー子!!」


「面倒い!!」


「…兎に角、早くエリアを起こそうぜ?」


「「解った」」


「シカトね!!」










「め…めめ…メディケーション」


暖かい光がソラを包む。


「…ふぅ…止まったねエリ姉」


「…ええ」


フラフラするエリア。


「MPがー…無くなったー♪」


エリアが壊れた。


「おいエリア!?」


「お、お家出そうにゃ〜」


「う…うん」


こうしてセイクリッドにお家が建った。










「はいカツ丼!」


ソラが人数分カツ丼を差し出す。


「い…生き返ったわ…!」


「頂きまーすにゃ♪」


「ソラ兄大丈夫?」


「うん ありがとうエリア」


「どういたしまして♪」


「お代わりよ!!」


「速ぇよ三編み?!」


「はいはい」


瞬時に替えを出すソラ。


「速ぇよソラ?!」


「ゲヘヘ!ミルキーね!!」


「どういたしまして」


「どんな会話だ!?」


「MP切れにはやっぱりカツ丼だね」


ルゥが言った。


「あ、そう言えば」


ソラが言った。


「"MP"って何?」


・・・




・・・・・・




「…え?」


「ほ…本気かにゃ…?」


「知らないのソラ兄!?」


「え?うん」


「MPって言ったら…あれ?何の略だ?!」


シャーンが言った。


「な、何言ってんだよシャーン!!」


ルゥが言った。


「MPって言ったら…あれ?」


「ちょっ…大丈夫かにゃ〜ルゥちん?」


アミュが言った。


「MPって言ったら…にゃ!?」


「何言ってるのよ皆…」


エリアが言った。


「MPって言ったら…ええ?!何!?」


「ええ?!みんな解んないの!?」


ソラが驚く。


「馬鹿の集団ね!!ゲヘヘ」


ジャンヌが言った。


「ムッ…パー子は解るのかよ?」


ルゥが言った。


「解るわ!!」


「本当!?」


メンバーの目がジャンヌに集まる。


「"マゾポイント"よ!!」


・・・




・・・・・・




「え?」


「マジかよ…俺…マゾポイントが高いのか…!?」


フィーナとの会話を思い出すシャーン。


「んなワケねぇだろ」


ルゥが言った。


「…ほ」


「ええ?!ジャンヌも知らないの?」


「じゃあ"味噌ぽん酢"?」


「黙れパー子」


「"メインパーティー"じゃないかにゃ?」


「そうだったら俺が消える事はまず無いぞ猫」


「"マッシュルームポイント"じゃないかしら?」


「エリ姉!?」


「なかなかやるわね♭(フラット)」


「フラッ!?」


突っ込み途中ではっとなるエリア。


(フラット…"半音下げる"…もう一つの意味は…………………………"平ら"…)


「うわーん!!ジャンヌの馬鹿ーっっっっっっ!!」


「気付いたわね!!ゲヘヘ」


「??」


意味が解らない上にMPってなんだって顔してるソラ。


「ソラ兄…MPは…多分"マジックポイント"の事だと思うよ?」


「ああ!成程!!」


納得するソラ。


「よかった…俺マゾとか味噌ぽん酢とかメインパーティーとかマッシュルームじゃなくて…ん?いやいやメインパーティーにはなりたいな…」


一人そんな事を呟くシャーン。

ははは。大丈夫だよ。多分もう消えないから。多分。










ギイッ…


メンバーが寝静まった頃、奥の扉が開いた。


「…」


メンバーの家の前に立つ陰。


「月の落下まで…あと一ヶ月…」


陰が呟く。


「キロロの仇…残りの一ヶ月…さ迷うがいいわ…」


紫色の光が集まる。


「…シャングリラ」







キラキラキラキラキラキラ







キラキラがメンバーの家を包み込んだ。










チュンチュン…


清々しい朝。小鳥達のさえずりが聴こえてきます。


「う…ん…」


ムクッと起き上がるルゥ。寝癖がついております。


「あれ…?何処…此処?」

ルゥは白い箱の中に居りました。


「…狭い」


箱はユラユラ揺れながら進んでいる様です。


「うわ!?」


急に上昇するルゥ。


「え!?何!?どうなってるの!?」


どうやらルゥは引きずられている様です。

ガタガタ揺れています。


「…お…止まった…」


やっと一息着くルゥ。


「何なんだよ…全く…」


ギランッ!


「うお!?」


安心したのも束の間、ルゥの頭上に鉛色に怪しく光る鋭利な刃物の刃先が出現しました。


「これはもしかしてもしかしなくても包丁ではないですか!?」


焦るルゥ。


ぐっ


「んん?!力入ってますよねコレ!?完全にぐっていいましたよね!?」


ルゥが言った次の瞬間




ストーーーッッッッッッン




「やっと割れましたわ!」


上品な言葉遣いのお婆さんが言った。


「さあ開いてみましょう!」


パカッ☆


ドバーーーッッッッッッ


巨大な白い箱…桃が割れると同時に水々しい果汁―…もとい生々しい鮮血が溢れ出した。


「まあ!桃から男の子が産まれましたわ!!」


お婆さんが驚いた。


「は…母上様!?」


ルゥが左肩を押さえながら言った。


「あらあら…帝王切開ですわね!ふふっ」


「笑い事ではありません母上様」


「名前を付けなければなりませんわね…」


「その前に包帯を付けなければなりません母上様」


「桃から産まれたのですから…ルクレツィアなんてどうでしょうか?」


「桃が全く関係ありません母上様」


「そうですわね…ではお前の名前は"桃太郎"です!」


「いえルクレツィアで結構です母上様」


「まあ桃太郎どうしたのですかその怪我は?」


「貴方の仕業です母上様」


「血が出てますよ?」


「見たら解ります母上様」


「絆創膏が必要ですわね!」


「全然必要無いと思います母上様」










そんなこんなで鬼退治に旅立つ桃太郎。


「どんだけアバウトなナレーションだよコラ」


カルシウム不足ですか?牛乳でもどうです?


「表出ろテメェ」


こうして桃太郎の旅が始まりました。


「肩痛てえ…」


桃太郎が肩を押さえながら歩いていくと、


「ん?あれは…」









「やーいやーいノロマの亀やーい!」


「マジお前邪魔だし!!」


「起き上がれないでやんの!!だっせぇ!!」


三人の少年が亀をいじめていた。


「やめろっ!!」


そこへ赤髪の男の子…浦島太郎が止めに入りました。


「なんだお前…」


「オレらとやろうってのか?」


少年達が浦島太郎に向かって言った。


「はぁ?亀いじめてんじゃねえっつってんだよ!!」


強気に返す浦島太郎。すると


「ぷっ…ギャーハッハッハッ!!」


「!?」


少年の一人が笑いだした。


「コイツすげぇ短足なんですけど!!」


「なっ!?」


「マジだー!!だっせぇ!!」


「やーいやーい短足やーい!!」


「ちょっ…!?」


今度は浦島太郎を取り巻く少年達。そして先程の亀同様に浦島太郎をいじめ始めた。


ドカドカ


バシバシ


ゴッ


スパァン


バシーン


「…テメェら…」


浦島太郎が言った。


「調子こいてんじゃねえよ…?」


「「「ひっ!!」」」


物凄い怖い声を発する浦島太郎。


「逃がさねぇぜ?」


ぶわんっ


浦島太郎の周りに赤い魔法陣が現れる。


「燃える赤―…」


「ストーーーッップ!!」


ドオオン


浦島太郎に桃太郎が突っ込んだ。


「った…ルゥ!?」


浦島太郎が言った。


「何してんだよシャーン!?」


「成敗」


「ガキ相手に!?」


「うわーん!!」


この隙に逃げ出す少年達。


「チッ」


「危ないヤツだな!?」


「ルゥ…何してんだ?」


浦島太郎が言った。


「え?」


「俺は"浦島太郎"らしいんだけど…」


「…オレは"桃太郎"だ」


驚く二人。


「一体何なんだこの世界…!?」


「オレが聞きたいよ…」


ガックリする桃太郎。


「…行くか…」


浦島太郎が立ち上がった。


「何処へ?」


桃太郎も立ち上がる。


「他のヤツらを探しにな」


「いひひっ…楽しみだね…みんな何になってるのかな?」


「ははっそうだな」


こうしてダブル太郎は歩きだした。


「「ダブル太郎?!」」










「お婆さんに…ワインとパン?」


金髪蒼目の赤ずきんが言った。


「何なのよ全く…」


そうして森に入っていく赤ずきん。すると


「わあ!綺麗なお花!!」


花畑で立ち止まる赤ずきん。


「…ソラがいたらいいなぁ…」


只今赤ずきんの頭上にホワンホワンしたものが出現しました。


[ははは〜待て待てエリア〜]


笑顔で走るソラ。


[うふふ〜捕まえてごら〜ん?]


笑顔で走る赤ずきん。


[ははは〜捕まえたよエリア♪]


[やぁんソラ〜♪]


バフンッ


「は!…いけないいけない!!」


我に返る赤ずきん。

顔が赤い。


「お婆さんの家に行かなくちゃ!」


そう言うと、赤ずきんは走りだした。


ざしっ


『グフフ…美味そうなヤツだ♪』


赤ずきんに忍び寄る怪しい陰。

どうなる赤ずきん!?










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