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第69話 メロンクリームソーダ

「そろそろかなエリ姉…」


ルゥが時計を見ながら言った。


「?何がにゃ〜?」


「…何でもないよ姉御」


「ふにゃ?」


「何だ何だ?隠し事か?」


「チビッコの身長の事?」


「黙れパー子」


「ゲヘヘ!怒られちった!!」


「何キャラだ三編み!?」


「神よ!!」


「だから何なんだそれは!?」


「神である事がウチ自身のアイデンティティーよ!!」


「何言ってんの!?自惚れも大概にしろ!?」


「ゲヘヘヘヘ!!」


四人は街中を歩いていた。


「にゃ!!風船にゃ〜♪」


アミュが言った。


「おいおい姉御…何歳だよ?」


「19にゃ」


「マジで!?一番歳上か!?」


シャーンが言った。


「にゃっ!失礼にゃ?!」


「ゲヘヘ!ウチのが上よ!!」


「にゃ?そうなのにゃ?!」


「て事はパー子成人なの!?」


「嘘だろ!?いくつだよ?!」


バシーン


「うおっ!?」


ローズホイップで打たれたシャーン。


「な、何すん―…」


「レディ〜に対して年齢を聞くなんて失礼にも程があるわ!!」


「自分で"レディ〜"て言っちゃった?!」


「まったく…短足はこれだから困るわ!!」


ジャンヌが言った。


「え?え?」


シャーンが二人を見る。


「…まったくにゃ」


「駄目駄目だよシャーン…」


「おい!?ルゥテメェさっき猫に対してなんて言った!?」


冷たい視線を浴びさせられるシャーン。


「…あんたにウチの歳なんか教えないわ!!17よ!!」


「言っちゃった!?ってか年下じゃん!!!?」


「奇跡ね!!」


「馬鹿!?ねぇ馬鹿!?」


「馬鹿とは失礼ね!!ウチはカバよ!!」


「本当馬鹿だな!?」









二人が言い合ってる頃


「にゃ〜い風船にゃ〜♪」


「なんでオレまで…」


風船を持っているイメージキャラクターに向かって歩いていくアミュとルゥ。


「にゃ〜♪にゃ〜♪」


「黙れ猫」


「ルゥちんもうすぐにゃ〜♪」


イメージキャラクターの所に着いた二人。


「風船下さいにゃ〜♪」


「おいおい…小学生以下って書いてあるぞ?」


「心は少女にゃ!!」


「…」


イメージキャラクターがこっちを向いた。

すると


「ハイ、坊や!お姉さんの言うことちゃんと訊くんだよ?」


赤い風船を手渡されるルゥ。


「にゃふっ…!!」


吹き出すアミュ。


「…っ」


風船を持ちガタガタ震えるルゥ。


「にゃっ!?ヤバイにゃ!!」


ルゥを掴んで人がいない方へと駆けていくアミュ。


「…風船」


ルゥが呟いた。


「…小学生以下…だってね」


殺気ゲージが上がり始める。


「やってくれるじゃん…?」


「にゃ〜っ!人がいなくなったにゃ!!」


人がいない所に出た二人。


「ルゥち―…にゃ!?」


アミュがルゥを振り向いて驚いた。

ルゥの周りはなんかバチバチ電気がショートしてる。


「…誰が…」


(ヤバイにゃっ!!)


走ろうとするアミュ。


「誰が小学生じゃああああああああああああ!!!」


「にゃっ!?」


「ヴォルテックホープうううううううううう!!!」


「にゃああああああああああああああああああ?!」




バリバリバリバリドカアアアアアアアアアアン!!!







その頃


「いねぇなぁ…ルゥ達」


「見失ったわね!!ゲヘヘ」


「…なんでコイツと…」


「不思議箒ね!!」


ジャンヌが言った。

シャーンは箒に乗り、地面から少し浮いていた。


「何なの?その座り方?」


ジャンヌが聞いた。

箒に乗ったシャーンは女の子座りをしている。


「…そのまま跨ぐと痛てぇだろ?」


シャーンが言った。


「何がよ?」


「…アレだよ」


何だコイツと思いながらシャーンが言った。


「ああ!アレね!!ウチのはデカいわよ!!ゲヘヘ」


「いや!?お前には付いていない物のハズだぞ!?」


「あるわよ普通に」


「あるの?!お前男!?」


「レディ〜よ!!」


「レディーはそんなはしたない事は言わん!!」


「あ!無いわ」


「確認するな?!」


「ゲヘヘ」


「もぅコイツやだ!!!」









「…凄い雷だったね…」


ソラが言った。


「…」


「?どしたのエリア?もう終わりだよ?」


「…ソラ」


顔を下に向けたままエリアが言った。


「?」


「こ…」


「こ?」


「…腰が…抜けたわ…」


「ええ!?」


最高に顔を赤くするエリア。


「高い所に…いすぎたせいで…た…立てないわ…」


「ほ、本当!?」


ソラが焦る。


「どどどどうしようソラ!?」


涙目でソラを見るエリア。


「ど…どうって…」


ゴンドラの扉が開いた。


「お、降りなきゃ…」


エリアが言った。


「っ!や…やっぱり…駄目だわ…!!」


「…はぁ…仕方ないな…」


ふわんっ


「きゃっ!?」


エリアを持ち上げるソラ。赤面するエリア。


「そそそそソラ!?」


「…何?」


「おっ!降ろしてっ!?」


「歩けないんでしょ?」


「そっ…そうだけど…」


「なら黙る」


「う……」


お姫様だっこされているエリア。


(きゃー!!いやー!!早く降ろしてー!!いや降ろさないで?いや降ろしてえええ!?でも降ろさないで!!やっぱり降ろしてえええええええええええ!?)


暴走するエリア。


(……重…いやいや失礼だなそれはゴメンエリア…)


エリアには絶対聞かせたくないソラの心境。









「エリア!」


シャーンが箒に乗って現れた。その姿は魔法使い宛ら…いや魔法使いか。


「シャーン!」


エリアはベンチに座っていた。


「一人か?」


シャーンが聞いた。


「う…ううん」


「わ!シャーンが浮いてる!?」


ソラが飲み物を二つ持って現れた。


「そ…ソラ」


急に寒くなるシャーンの心。


「どうしたのその箒?」


ソラが聞いた。


「あ、…これは…」


「新しい武器よ!!ゲヘヘ」


「うわ!?ジャンヌ!?」


ジャンヌが地面からぶくぶくーって現れた。


「くっ…撒いたと思ったが…」


「甘いわね豚足!!ゲヘヘ」


「豚足だと!?」


「ゲヘヘ…あら?メロンクリームソーダね!!」


ジャンヌが言った。


「え?あ、うん。はいエリア」


エリアに渡すソラ。


「あ、ありがとうソラ!」


顔を赤くするエリア。


「…う」


顔を白くするシャーン。


「…」


「…ジャンヌ?」


ジャンヌはソラを見ていた。


「…」


「…」


「…これ…欲しいの?」


ソラがもう一つのコップを指して言った。


「ゲヘヘ…ウチの好物を見破るとは流石モヤシね!!」


「じゃあ、どうぞジャンヌ」


「トライアルね!!ゲヘヘ」


「どういたしまして」


嬉しそうにメロンクリームソーダを頂くジャンヌ。


「…自然だ…!!」


あまりにも普通なので驚ろくシャーン。


「ジャンヌ?座りましょ?」


横にずれるエリア。


「アンドロメダね!!」


「ふふっどういたしまして」


エリアの横に座り、美味しそうにメロンクリームソーダを飲むジャンヌ。


(ちょっ待て?…普通に可愛いくないか?)


ジャンヌを見ながらシャーンがふと思った。


「ってはぁ!?何考えてんだ俺!?」


「!?どうしたのシャーン?」


突然叫んだシャーンに驚くソラ。


「い…いや…なんでも…」


「?顔赤いよシャーン?」


「ななななんでもないって!!」


自分の思考が信じられないシャーン。


「?…そう?シャーンは何にする?」


「え?」


「飲み物」


「あ、ああ…じゃあブラックで」


「解った。プラスミルク三杯に砂糖三つだよね」


「サンキュー」


ソラが人混みに消えた。









「ソラ兄!」


「あ、やあルゥ」


ルゥと会ったソラ。


「ソラ兄…観覧車…乗った?」


「?うん」


(やったな!!エリ姉!!これで少なくとも県大会だ!!)


「…?!アミュ!?」


ソラが驚いた。


「ん?ああ、コレ?」


ルゥが引きずっていた黒コゲのアミュ(だったもの)を見た。


「な、何で黒コゲ!?」


ソラが聞いた。


「さぁ?知らね」


「ええ!?」


「…にゃ」


アミュの口から灰色の煙が出た。













「フラフラフラっとフラミンゴ〜…くるくる回ってくるりんぱ〜…♪」


クロレカが頭に濡れたタオルを置いてベッドに入ったままうわ言の様に言った。


「…大丈夫ぅ?クロレカ」


ヴェルナが言った。


「だいろーぶぅ!あひがとへるなひゃん」


「…"人型"なんて造るからよぉ?」


ヴェルナがタオルを取り替えながら言った。


「えへへ〜…向こうでセルくんが笑って手招きしてる〜…♪」


「ハイハイ良かったわね」


「ピカピカ電気につぶつぶ苺〜…ぷるぷるプリンがこんにちは〜…♪」


「…大丈夫かしらぁ?」










「初めまして。ぼく、"人型"タイプ"スイカ"のステイピットです。」


ステイピットが言った。


「…よろしくな。お前も今日から"門番"だ」


「はい。クルーエル」


機械的に喋るステイピット。


「…まだ定着してませんね」


「はい。ポライト」


「大丈夫かよ?」


「あははっ大丈夫ですよ!クロレカ様が造ったんですから」


「はい。ルード、ケアレス」


「じゃ!お部屋に案内するでしゅ!!」


「はい。オーネスト」


オーネストに付いていくステイピット。


「…」


「…」


「…」


「…同じですね…ステイピット…」


ケアレスが言った。


「アタシらも…あんな風に簡単に造れちまうんだよな…」


ルードが言った。


「気味が悪いですね…完全に人間では無いのですね僕達」


ポライトが言った。


「…」


「仕方ないですよ〜僕らは"人型"なんですから…その時点で人間じゃないでしょ?」


「「…」」


クルーエルが立ち上がった。


「…どったのクルーエル?」


ルードが言った。


「…寝る」


クルーエルが歩き出した。


「おやすみなさい」


挨拶をするポライト。


「ああ…」


クルーエルが部屋に戻って言った。


「…」


「…」


「僕達も寝ましょうか」


ポライトが言った。


「はっ!何言ってんのよ?…アタシら…眠れないじゃない…!」


「…ルード」


「あはは〜兎に角お部屋に戻りましょう?」


「「…」」


門番達が部屋に戻っていった。










「…ぼくは…ステイピット…」


ステイピットが呟いた。

部屋を見回す。


「…」


胸に手を当てるステイピット。


「…ぼくの中にいる…君は…誰?」










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