第68話 雑草
「にゃ〜♪楽し気にゃ〜♪」
「本当っ楽しそう♪」
「まるでゲーセンね!!ゲヘヘ」
「行こうぜソラ兄!!」
「え?あ、うん」
「おいおい?!」
セイクリッドに向かうハズのメンバー…なのだが…
「月落ちるんじゃねぇのか?」
「大丈夫にゃ短足〜♪」
「短っっ!?」
「月は逃げないにゃ〜」
「そうだな。むしろ向かって来てるしな」
「巧い事言うわね!!ゲヘヘ」
「何なんだその笑いは?!」
「ヴィーナスよ!!ゲヘヘ」
「行くよもう!!」
ルゥがメンバーを引っ張って行った。
夢の街"ワンダーパーク"へ
「…夢の街?」
「楽しみね〜♪」
「どれ乗ろうかしらゲヘヘ」
そこはジェットコースターやメリーゴーランド、大観覧車などなど。楽しそうな乗り物がいっぱいだ。
「ソラ兄!!あれ乗ろうぜ!?」
「へ?」
ルゥの指差す先には
「…ジェットコースター?」
「うん!!」
目を輝かせるルゥ。
ルゥが乗りたいのは三回転式のジェットコースターだ。
「乗らない??」
「…別にいいけど…」
「わ!!じゃ行こうソラ兄!!」
ソラを引っ張っていくルゥ。
「ゲヘヘ」
「にゃ〜お子様にゃ〜♪」
「やめてくれ…目を輝かせるお前を見てる俺が恥ずかしい」
シャーンが言った。
「にゃ〜メガネ!!コーヒーカップいくにゃ〜!!」
「望むところよ!!ゲヘヘ」
コーヒーカップに走っていくアミュとジャンヌ。
「おいおい…」
「…」
「全く…月が落ちるってのに…」
「本当ね〜」
「うんうん…ってええ!?」
シャーンが飛び跳ねた。
「ええええエリア!?」
「?どしたのシャーン?」
「い…いや…」
残っているのはエリアとシャーン。
(待て待て待て待て!?何この展開?!)
ドキドキのシャーン。
「…エリア」
「何?」
「ど…何処か行かない?」
「いいわよ」
(ヤッターー!!春!?春ですか!?やっと俺の春ですか!?)
ははは。感謝なさいよシャーン君。
「じゃ…い行こうか?」
「うん」
人混みに消えるエリアとシャーン。
「…」
「…」
「…」
「…」
「…ルゥ」
「…」
二人は立ち尽くしていた。イメージキャラクターの前に。
「…」
「…」
"155センチ以下のお子様は御遠慮下さい"
「ガーーーーーッッ!!」
「ルゥ?!」
ルゥが叫んだ。
「何故だ?!何故この街はお子様に優しくないんだ!?」
「おおお落ち着いてルゥ?!」
因みにルゥ君の身長は154センチ☆
「ワイかて!!…ワイかて好きでこんなちんちくりんになったとちゃうもんっ!!」
「言葉おかしくなってるよ?!」
ソラがとめる。
「セルシオや…!!セルシオが悪いねん!!」
「理不尽だよルゥ!!」
「オレ替え玉とは言え王子だよ?!王子!!乗せろよ!?ウラァ!!」
「こんなところで権力使わないで!!?」
「わーん!!ソラ兄ー!!」
泣き付くルゥ。
「よしよし。あっちでアイス買ってあげるからね?」
「ソラ兄〜…優しいよ〜」
「よしよし。じゃ、行こうね?」
「…うん…解った」
ルゥの頭をポンポンしながらアイス屋さんに向かうソラ。
端から見れば仲の良い兄弟の様だが忘れてはいけない。ソラとルゥは同い年でしかも十七だ。
「にゃー!!速すぎにゃー!!!!」
「あんま喋ってっと舌噛むぜ?」
ジャンヌは物凄い勢いで回っていた。
コーヒーカップの上で。
「ウチが神よ!!」
「んなことどうでもいいにゃー?!」
「ゲヘヘヘヘヘヘヘヘ」
「やめるにゃ!!チビッコが泣いてるにゃ!!」
アミュが叫ぶ。
「ゲヘヘ!!メルヘンっ!!アイムメルヘン!!」
「こ、困りますお客様っ!!」
係の人が来た。
「コーヒーカップの主旨が違います!!」
「ゲヘヘ!!流行の最先端よ!!」
「ええ!?」
「ごめんなさいにゃごめんなさいにゃごめんなさいにゃ!!!!」
謝りまくるアミュでした。
「…」
「…どうしたのエリア?」
先程から暗いエリアに声を掛けるシャーン。
「…なんでもないわ」
「…」
「…」
「なぁ…」
「?」
「俺じゃ…駄目なのか?」
「え?」
エリアが顔を上げる。
「…俺じゃ…」
「っ!」
顔を赤くする二人。
「……私…」
「おっ!エリア占いだってよ!!行ってみないか?」
「シャーン…」
「なっ?行こうぜ!!」
「…うん!」
怪し気なテントに入っていくエリアとシャーン。
「ゲヘヘ!!ささくれ!!」
「意味解らないにゃ?!」
アミュが突っ込む。
「あ!姉御にパー子!!」
「本当だ」
「にゃ〜ん♪ソラソラ〜♪」
アミュ達と合流したソラ達。
「あ!あれは楽しそうね!!ゲヘヘ」
ジャンヌが言った。
「はにゃ?」
「何?」
「アレよ!!愚民ども!!」
ジャンヌが指差した。そこは
「にゃ〜♪楽しそうにゃ〜♪」
「いひひっ♪これなら入れるじゃん!!」
「やだ」
ソラが言った。
「無理無理無理」
「どうしたのよモヤシ?」
「有り得ない」
「…あ」
思い出すルゥ。
「…ソラ兄…お化け駄目なんだっけ…」
「にゃにゃ?!」
「ゲヘヘ?」
「…」
頭を垂らすソラ。
「にゃ〜…意外にゃ〜!」
「姉御…誰にでも嫌いなものはあるのだよ」
「にゃ〜成程」
「…皆…行ってきていいよ…待ってるから」
自嘲気味にソラが言った。
「何言ってるのよモヤシ!?」
ジャンヌが言った。
「…モヤシ…あんたねぇ…」
「?」
「…自分に拒否権があると思ってるの?」
ニヤリ☆
「や――――――――だ―――――ッッッッ!!!」
こうして強制連行されるソラ君。
グッドラック!!
「結果が出ましたわ…」
紫色のローブを来た女性が言った。
「あなた…」
エリアを見る占師。
「相手に想いが届いてないわ…思い切りが大切よ…」
「は、…はい」
「ふふ…あなたは悩んでいる…」
「だ…大丈夫…です」
「大丈夫…想いは必ず伝わるわ!!」
「!」
「…そしてあなた!」
「はい!?」
急にこっちを向く占師に驚くシャーン。
「…良くない…まったく良くない…」
「は、はい?!」
「そのハリセン…まったく良くない!!あと短足」
占師がハリセンを取り上げた。
「ちょっ!?」
「ふぬぬっ…」
ハリセンを見つめる占師。
「な、何なんですか!?」
「俺のハリセンっ!?」
「ホンダガーーー!!」
バフンッ
「「!?」」
小爆発が起こる。
「…」
「…」
「ふぅ…これで大丈夫ですよ?」
占師がシャーンに返した。
「…俺のハリセン…?」
「はい」
微笑む占師。
「これであなたのレヴェルは仲間に追い付け増田」
「増田!?」
エリアが突っ込む。
「ハリセン…俺の…」
放心状態のシャーン。
それもそのハズ。シャーンが今手に持っているのはハリセンではなく箒だった。
「あなたには大砲もハリセンも適していません…」
「そうなのか?!」
「あなたにはその箒が一番ですよおーほっほ」
高笑いする占師。
「よ…良かったわね?シャーン」
「…箒…ハリセンが箒…」
「御武運を!!」
シュワーン
「「!?」」
占師とテントが消えた。
「…何だったの!?」
「わ!!」
シャーンが叫んだ。
「!?どうしたのシャーン!?」
振り向くエリア。すると
「きゃ!?シャーン!?」
目を丸くするエリア。
「と…飛んでる!?」
シャーンは箒に乗って飛んでいた。
「凄いよコレ!!エリア!!」
「てか何で女の子座り!?」
新しい武器を手に入れたシャーン君でした。
「…」
「…」
「…」
「お化け屋敷が血みどろで恐さ八割増ね!!」
満足そうにジャンヌが言った。
「…僕はジャンヌが恐いよ」
「…本当にね」
「恐かったにゃ〜…」
「ゲヘヘ!!」
ジャンヌはお化け屋敷のお化けさん達を全員まとめて伸してしまったのだった。理由は単純明白。
「キモイ」
ははは。ジャンヌちゃん。お化け屋敷だもん。当たり前じゃないですか。
「モヤシもちゃっかり巻き込んじゃったわね!!ゲヘヘ」
「うんそうだね?」
ぎゅうううう
「痛い痛い痛い痛いほっぺたつねんないでつねんないでごめんなさいごめんなさい」
「あ!シャーンとエリアだ!!」
二人の方へ向かうソラ。
「…モヤシ…侮れないわね…!!」
つねられたほっぺたに手をやりながらジャンヌが言った。
「パー子が…謝った!?」
「恐るべしソラソラ…」
「ルゥ、ジェットコースターは楽しかった?」
エリアが言った。
「…」
「…」
「…え?」
「…乗れんかってん」
ルゥが言った。
「ええ!?」
「155センチ以下は乗れへんねん…なのに154センチ!?笑ろてまうな!?HAHAHA!」
「ルゥ?!」
アメリカンに笑うルゥ。
「お、落ち着いて?!」
「ジェットコースター?知るか?!高い坂登りきったとこで止まっちまえ!!みんなのワクワク潰れちまいな!!」
「る、ルゥ!あのジェットコースターなら乗れるわ!!」
エリアが指差した。そこには
"140センチ以下の方は御遠慮下さい"
キランッ!!
ルゥの目が光った。
「行くよエリ姉!!」
「キャッホー!!」
「ふふっ」
弾けまくりのルゥ。
「良かったわねルゥ!」
「うん!ありがとうエリ姉!!」
「どういたしまして♪」
ジェットコースターから降りる二人。
「は!!」
ルゥが気付いた。
「?どうしたのルゥ?」
エリアが聞いた。
「何してんだよエリ姉!?」
「え?」
「誘うヤツ違うだろ!?」
「?」
「ソラ兄でしょ?!」
ソラ兄でしょ…でしょ…でしょ…(エコー)
「…い…良いのよ…もう…」
「エリ姉!?」
「どうせソラは…私の事なんか…」
うつむくエリア。
「しゃらくせ〜!!!!」
ベシーン
「きゃあ!?」
エリアをビンタするルゥ。
「なっ…何―…」
「馬鹿っ!!エリ姉のくそ馬鹿っ!!」
「ルゥ!?」
「なんだ!?一度や二度失敗したぐらいで!?」
「っ!」
「人間、ボロボロになったヤツ程強ぇヤツはいねぇ!!雑草は絶対に折れても踏まれても負けへんのじゃ!!」
「る、ルゥ…!!」
「立ていエリ姉!!そんなんじゃ全国大会行けねぇぞ!?」
「は…はい!!」
「声が小さい!!」
「はい!!!!」
「よーし!良い返事じゃい!!その勢いでソラ兄を大観覧車にテイクアウトじゃ!!」
「か、観覧車!?」
エリアが言った。
「かかか観覧車って…あの!?
」
「じゃかあしい!!」
「っ!」
「検討を祈る!!」
「は、はい!!監督!!全力出して来ますたい!!」
「よっしゃ!行ってこい!!」
エリアは走り出した。
…何なんですかコレ?
「ソラっ!」
「!…エリア!」
振り向くソラ。
「どうしたの?そんなに慌てて―…」
辺りを見回すエリア。
(よっしゃ!誰もいないわ!!)
言葉遣い直ってないぞエリア。
「…ソラっ!」
「何?」
「か…かか…」
「か?」
「かかか…かんっ」
顔を赤くするエリア。
「か…」
「どうしたのエリア?」
「か…観覧車っ!!」
エリアが言った。
「…観覧車?」
「かかか観覧車…」
「…」
「…」
「…観覧車…乗りたいの?」
「あっ!う、うん!!」
顔を明るくするエリア。
「いいよ?じゃあ…行こっか」
「うん!!」
「にゃ?ソラソラがいないにゃ〜?」
アミュ達が戻って来た。
「はあ?迷子かソラ」
「あんたじゃあるまいし」
「猫テメェ!?」
「あらチビッコじゃない?ゲヘヘ」
「やっほー」
ルゥが現れた。
「?エリアは?」
シャーンが言った。
「え?ああ…買い物するって」
「そうか…」
「にゃ〜?ソラソラ〜?」
「う○こかしら?」
「やめてにゃ?!」
「ゲヘヘ」
「下品だな…三編み」
「妖精だからね!!」
「はあ!?」
「お腹空いたにゃ〜…」
「じゃあご飯にしよっか?」
ルゥが言った。
「「「おー!!」」」
「わぁ!高くなってきたねエリア!」
ソラが言った。
「…」
返事は無い。
「?エリア?」
エリアの方を向くソラ。
「…っ」
「エリア!?」
エリアは自分の肩を抱いてガクガク震えていた。
「どうしたの!?」
ソラが立ち上がった。
「…たし…しょ…」
「え?」
「…っ」
見る見るエリアの顔色が悪くなる。
「わ…忘れてたわ…っ」
「な、何を!?」
ソラが言った。
「…わ…私…」
「…?」
「…高所恐怖っ!!」
エリアが言った。
「っええ!?」
ソラが驚く。
「ななな何で観覧車に?!」
「わ…忘れてたんだもんっ!!」
「まだ半分も行ってないよ?!」
「どどどどうしようソラぁ〜!!」
「どうするってったって…」
ソラが困った。
「…」
「…っう…」
顔が青いエリア。
「…もぅ」
エリアの横に座るソラ。
「…?」
「…これなら…恐くない?」
ソラが言った。
「え…?」
顔を赤くするエリア。
「これならエリアが落ちそうになった時に僕がすぐ守ってあげるられるでしょ?」
微笑むソラ。
「っ…!うん!!ありがとう!!」
エリアの心臓は恐いのと恥ずかしいのと嬉しいのとで破裂しそうだ。
エリアが落ちる?何から?…とかいう質問はしないようにしましょう。
「黄色黄色黄色〜黄色と言ったら檸檬〜♪バナナに辛子に…キリン!!」
クロレカが歌った。
「山吹色にアンモニア〜♪色鉛筆にゴ○ブリさん♪」
クロレカは大釜に次々と材料を入れていく。
「仕上げは仕上げはスイカ♪」
バンッ
爆発が起こる。
「…ステイピットの完…成…」
バタッ
クロレカが倒れた。
「…クロ…レカ…様…」
煙が晴れると、ステイピットが現れた。