第66話 エリア
「ペリッシュオーシャン!!」
「ペリッシュオーシャン!!」
二人の魔法がぶつかり合う。
「…は…はは…全然駄目だね」
「ま…まだまだよ…!!」
エリアが言った。
「そんなんじゃ…おれの…本体に…また負けるぞ…」
「っ!!」
エリアの顔色が青くなる。
「…やっぱり…あなたは…あの"カメ"なの?」
エリアが聞いた。
「そうだよ…おれはアイツの一部だけど…」
『わ!ケーキ!!』
エリアが驚いた。
『どうしたの!?お母さんこれ』
『何言ってるの?今日はエリアの誕生日じゃない♪』
『はぇ!?』
『『お誕生日おめでとう!』』
エリアの母と父が言った。
『わぁ!ありがとう!!』
『いいなぁお姉ちゃん…』
小さな金髪の男の子が現れた。
『プレイスも一緒に食べよう?』
『え?いいの!?』
『当たり前じゃない!私、一人でこんなに食べられないよ〜』
『わぁい!お姉ちゃん大好き〜♪』
『よーし!その前にエリア、お父さんからプレゼントだ!』
エリアの父が言った。
『え!?本当!?』
『嘘はいけないだろ?』
『うん!』
『はい!おめでとう!』
エリアの父はプレゼントを渡した。
『わ!開けていい!?』
『もちろん!』
目を輝かせながらプレゼントの箱を開けるエリア。
『わぁ!白い帽子!』
『前から欲しがってただろ?』
『高くなかった?』
『え…エリア…そこは聞くな?』
『え?あ、ごめんなさいっ』
『さぁケーキ食べましょ?』
『『『は〜い!!』』』
『新しい帽子♪新しい帽子♪』
エリアは白い帽子を被りながら雪が舞い降りる街を歩いていた。
『えへへ♪メラニーちゃん達に見てもらおう!』
小走りになるエリア。すると
ぶわっ
一陣の風が吹いた。
『きゃ!!』
スカートを押さえるエリア。
『あ!帽子!!』
白い帽子が飛んでしまった。
『ああ〜!新しいのに〜っ!!』
走って帽子を追い掛けるエリア。
『まーってよーう!!』
有り得ないぐらいスイスイ街の門の方へ飛ぶ帽子。
エリアは帽子に誘導され街の門の下まで来た。
ぱしっ
門の外にいた青い長い髪の女性が白い帽子を掴んだ。黒いウエスタンハットを被り、前髪は左目を隠している。
『あっ…』
『ふふっ…この帽子、あなたのあ?』
女性が言った。
『うん!ありがとうお姉さん!!』
女性から帽子を受けとるエリア。
『…あら?あなた水魔法が使えるあ?』
女性が言った。
『え?あ、うん!』
『凄いあ!お姉さんに見せてくれないあ?』
女性がしゃがんでエリアと目の高さを合わせた。
するとエリアが初めて気付く。
『お…お姉さん顔色悪いよ!?』
『ふふっそうかしらあ?』
『うん!真っ青!お家においでよ!!』
エリアが言った。
『…どうしてあ?』
『お姉さん、寒いんでしょ?お家にあったかいスープがあるの!ね?来ない?』
エリアが言った。
『魔法…見せてくれないあ?』
『あ!そうだった!いくよ?』
エリアが手を上に挙げた。
『アクアっ!!』
バシュッ
エリアの手から水が現れる。
『!!』
女性が驚いた。
『んね!早く行こう!?』
エリアが女性を引っ張って行った。
『まぁ!大丈夫ですか!?真っ青じゃないですか!』
『ね!お母さんスープあったよね!?』
『はいはい!ちょっと待ってね』
エリアの母がパタパタ走って行った。
『…』
『もうすぐだからね!お姉さん!!』
エリアが言った。
『エリアちゃん?私と戦ってみないあ?』
『え?』
予想外の言葉に驚くエリア。
『な、何言ってるの!?お姉さん真っ青じゃない!!休まなきゃ駄目よ!!』
『じゃあ休んだら戦ってくれるあ?』
女性が言った。
『ま、待ってよ!私、戦えないよ!?』
『どうしてあ?』
『人を傷付けちゃいけないし…怖いもん…』
エリアが言った。
『ふふ…優しいあ…ますます戦いたくなったあ』
『だ、だから戦わないって!!』
その時エリアの母がスープを持って戻ってきた。
『これならどうあ?』
女性がエリアの母に手を向けた。
バシュンっ
『ふふ』
『…え?』
エリアの母が赤く染まりその場に崩れ落ちた。
『な…なんで…!?お母さんっ!!!』
母の元へ走るエリア。
『お母さん!お母さん!』
母を揺さぶるエリア。エリアの手も赤く染まる。
『ふふふふ…さぁまだ戦わないって言うあ?』
『何言ってるのよ!!何なのよあんたっ!!』
『私はサンタの"カメ"あ』
『!?サンタ!?』
『ふふっさぁ戦いましょあ?』
『ふざ―…』
『次はこの子にしようかしらあ?』
『!!プレイス!!』
カメの手はプレイスに向かっていた。
『お…お姉…ちゃん!!』
『ふふ…可愛いい子あ♪震えてるあ…♪』
カメが笑った。
『わ…解ったわ…!』
『そうこなくちゃあ!』
カメとエリアが外に出た。
『お姉ちゃん…』
『プレイス…お部屋に戻ってなさい…』
『…う』
『早く…』
『…うん』
プレイスは家に戻っていった。
『さぁ戦うあ!』
カメが言った。
『待って?ここは街の中よ!?』
『ああ…そうだったあ』
カメが気付く。
街の外へ向かう二人。
『エリア!どうしたんだ!?』
シャーンが声をかけた。
『シャーン…』
『…誕生日おめでとうエリア!!』
シャーンが言った。
『あ…ありがとうシャーン…』
『…どうしたんだ?』
『ふふ…坊やはお家に入ってなさいあ?』
カメが言った。
『っ!?』
シャーンが動けなくなる。
『ちょっ!?シャーンに何したの!?』
エリアが言った。
『…金縛り?』
『ふざけないで!!早く解いてよ!!』
『この坊や…邪魔する気満々なんだもんあ』
『え!?』
エリアがシャーンを見た。シャーンはカメを睨んでいる。
『…っ!シャーン…!!』
『仲良しはいい事あ?風邪ひかないようにお家に入れて置くといいあ』
『っ!!!』
エリアはシャーンを引っ張っていった。
『ご…めんなエリア…』
『大丈夫だよ!ありがとうシャーン』
コンコン
エリアはシャーンの家に着いた。
『あら!エリアちゃん!』
『こんにちはおばさん…あの…シャーンが…』
『ん?あら!!何してんだいシャーン!』
『あの…ええと…道で凍ってました!』
『道で凍ってたぁ!?』
『あぅ…』
無理矢理な嘘がバレたと思ったエリアだが…
『またやったのかいこの子!!』
『ええ?』
『ありがとねエリアちゃん!』
『あ、はい!それじゃ…』
シャーンの家を後にした。
『いくあ!アクア!!』
『あ…アクア!!』
魔法を出す二人。
『ふふ♪なかなか良い出だしあ!!』
『…っ!!』
ガクガク震えるエリア。
『…怖いあ?大丈夫あ!楽しもうあ!』
『ふ…ふざけないで!!こんな…傷付け合いのどこが楽しいのよ!!』
エリアが言った。
『相手が傷付くとこが楽しいのあ♪』
カメが言う。
『あなた…おかしい…!!』
『そんなことないあ?』
青い髪を後ろにやるカメ。
『そんなの…間違ってるよ!!ペリッシュオーシャン!!』
『凄いあ!!最大魔法♪アクア!!』
相殺される。
『そ…そんな…』
『その年で凄いあ♪気に入ったあ!プレゼントあげるあ?』
『っ!?』
カメの方を向くエリア。
『な…に?』
『エリアちゃんの欲しい物をあげるあ!』
カメが言った。
『…欲しい物!?』
『そうあ!』
『…出てってよ』
『えあ?』
『この街から出てって!!』
エリアが叫んだ。
『…良いあ?出てくあ』
カメが言った。
『…欲しい物をあげてからあ!!』
『!?』
『エリアちゃんが欲しい物は"力"と"殺意"と…"癒し"あ♪』
『!?』
カメの人指し指に群青色の光が集まる。
そしてそれを額に突っ込む。
『誕生日おめでとうあ!それで街の皆を治しとくといいあ』
『え!?』
エリアが街を振り返って愕然とした。
『ま…街が…赤い!?』
『エリアちゃんの癒し魔法の練習用あ!!』
『ふざけないで!!』
エリアがカメを振り返った時、カメはそこにはもういなかった。
『っ!!皆っ!!』
エリアは急いで血まみれの街へ向かっていった。
「…で、私の家だけボロボロって酷いよね…」
エリアが言った。
「それはお前の母親が元凶だからだ」
「え?」
「…街をあんな風にしたのはお前の母親だ」
カメが言った。
「そ…そんな…どうしてよ!?」
「おれの本体がお前の母親にかけた魔法は"呪い"だ…街を襲うためのな」
「…酷い」
エリアが言った。
「ああ。酷いな…だからお前はアイツを倒すために…アイツに貰った"力"と最高魔法を使える様になれ!!」
カメが襲いかかる。
「きゃははは!まだまだそんなもんじゃないよ〜!!」
ドラゴンが言った。
「ふにゃ〜負けないにゃ〜!!」
「っていうかアミュ、もう最高魔法使えるハズなんですけど〜?」
「ふにゃ!?」
アミュが驚く。
「アミュが街を吹っ飛ばしたのって最高魔法だよ?」
「にゃにゃ!?」
「さぁ思い出してごらん!」
ドラゴンが空を舞いながら言った。
「にゃ?そんなことしたらドラゴンが…」
「私はいいの!!っていうか私を倒せなかったら話にならない〜みたいな〜!」
「…ふにゃ…」
思い出してみるアミュ。
「ただ、攻撃は続けるよ!!」
「ふにゃ!?」
鋭い爪がアミュを襲う。
「にゃ〜…なんだっけ?」
「思い出せ〜っ!!」
「にゃ〜〜〜〜!!」
ドラゴンの爪を防ぐアミュ。
「とお!!」
そしてカウンター。
「きゃわ!?」
「舐めんにゃ!!」
「そうこなくちゃ!!」
「キタ――――――!!」
エリアが言った。
「うおっ!?」
「キタキタキタキタキタキタキタ―――――ぁ!!」
「よ、良かったな…?」
カメが言った。
「うん!ありがとうカメ!!カメには負けないわ!!」
「おう!頑張れよ!!」
「うん!」
エリアが両手を上に挙げる。
「逆巻け…!!」
エリアが言った。
「ロールスプラッシュ!!」
カメの周りに光が集まる。
ドアッッッッッッッッッ!
「わわ…凄いわね…!!」
ふらつくエリア。
「…カツ丼が…欲しいわ…」
「にゃ〜!!思い出せないにゃ〜!!」
アミュが暴れた。
「強いショックで思い出すとか?!」
ドラゴンが言った。
「にゃるほど!!」
「じゃあいっくよ!!死なないでネ☆」
ニヤリと笑うドラゴン。
「ふにゃ!?」
「いっくよ〜!!」
勢いをつけるドラゴン。
「ウルトラハイパードラゴンアタ〜〜〜〜〜ック!」
「にゃあああああ!?」
アミュが吹っ飛ばされた。
「きゃわ!?大丈夫!?」
ドラゴンが言った。
「まさか…死―…」
「にゃあああああ!!」
アミュが起き上がった。
「インスピレーションにゃ〜!!」
両手を広げるアミュ。
「穿て!!」
アミュが言った。
「サイクロン!!」
「きゃははは!それそれ!頑張ってね!!アミュ!!」
「ふにゃ!!任せてにゃ!!」
ガガガガガガガガガガガガ
「やったにゃ〜!!…お腹空いた…へにゃ…」
こうしてメンバーは皆"最高魔法"を取得出来ましたとさ。
めでたしめでたし。