第58話 怪盗☆アミュ
「「「「わああああ!!!?」」」」
ドシーンっ
「痛い…」
「重い…」
「酷い…」
「悪い…」
「一言会話反対にゃ〜!」
ハイ先程のは順にソラ、ルゥ、エリア、ルゥの順でした。
「ネィバーランド?」
ソラが聞いた。
「ネィバーランド!」
ルゥが答えた。
「ネィバーランド!?」
エリアが言った。
「「ネィバーランド!」」
楽しそうに笑うソラとルゥ。
「わけ解んないにゃ〜!どんな会話が成り立ってるにゃ〜!!!?」
「…此処は?」
ソラが言った。
「あの暗い部屋じゃないわね…?」
「どこかにゃ〜?」
「…ヤバイ…ここは…」
「「「?」」」
ルゥを見る三人。
「…何処だろう?」
「「「なら黙れ?」」」
『ビー!ビー!ビー!ビー!ビー!』
「「「「!?」」」」
部屋が赤く点滅し始めた。
『侵入者発見!!侵入者発見!!』
「ええ!?こ、これってヤバイくない!?」
ソラが言った。
「軽くヤバ〜イ?」
ルゥが言った。
「重くヤバ〜イ!」
エリアが言った。
「ふざけてる場合!?」
『警備兵!宝物庫へ。警備兵!宝物庫へ』
「にゃ〜♪楽しい夜になりそうにゃ〜♪」
アミュが目を輝かせている。
(((…そう言えば泥棒って設定だったっけ…)))
「こう言う場合は〜まず目当てのお宝を探すにゃ〜♪」
「「「何ちゃかり物色してんの!?」」」
「ふにゃ〜♪宝玉だにゃ〜♪」
アミュが三つの玉を取り出した。
「ええ!?って事は此処ってセイクリッド!?」
「どんだけ都合良いの!?」
「グッジョブ姉御!!」
「ふにゃ〜♪敵さんのおでましだにゃ〜!!」
「「「!!」」」
見ると、曇ったドアガラスの向こうに大量の人影が。
「ど!どうする―…」
「ソラソラしーっ!」
「!」
そう言ってソラの口を押さえるアミュ。
「ふにゃ〜♪任せるにゃ〜♪」
ばんっ
『出てこい!!泥棒!!』
警備兵が入ってきた。
『!? いない!?』
部屋には人影が無かった。
『馬鹿な!!探せ!!』
『…やつらは何を盗んだ?』
『!た、隊長!!』
『?どうした?!』
『ほ…宝玉がありません…!!』
『何ぃ!!!?』
「にゃ〜〜ははははははははははははははは!!」
『『『!?』』』
外から高笑いが聞こえてきた。
「宝玉は頂いたぜ〜とっつぁん!!」
見ると、外にはパラシュートを着けたアミュが宝玉を持って下降していた。
『!何奴!?』
「あたしの名はショパァン三世!!またな!とっつぁん!!」
アミュがそう言うと
「エアリアルアイオロス!!」
最大魔法をお見舞いした。
『待ぁてショパ〜〜ン!!』
『警部!!』
視界が晴れた時には、怪盗ショパ…ごほんっ…アミュの姿はなかった。
『…ヤツめ…とんでもない物を盗んで行きおって…』
ノリノリだなオイ。
セイクリッド近くの森にて
「にゃは〜♪久々に楽しかったにゃ〜♪」
「アミュわざわざ顔見せるコトなかったんじゃないかしら?」
「バレバレじゃん…」
「にゃ〜エリたん、ルゥちん…分かってないにゃ〜!あーゆー方がスリルがあって楽しいにゃ〜!」
(…て完全にル○ン三世じゃん…)
一人げんなりするソラでした。
「?どうしたにゃ?ソラソラ?」
「え?あーなんでもないよ…それより何食べたい?」
「「「ボブ!!」」」
「ハイハイ。パエリアね」
「「「やたー!!」」」
そう言ってキッチンに入っていくソラ。………??ボブ=パエリア?!
こうしてメンバーの夜は更けていくのでした。
次の日。
「あらあらあらぁ?"門番"まで負けちゃったの〜?」
ボロボロの門番を見てヴェルナが言った。
「意外と強いのねぇ?あのコ達」
「…"門番"が弱いんだろ」
セルシオが門番達を見て言った。
門番達は今、檻の中に入っている。
「酷いです!折角わたしが作った"愚か"を壊すなんてっ!!」
「仕方ないわよぉ〜あのコ敵とお友達になっちゃったんだから」
「で〜も〜…」
クロレカが言った。
「"愚か"だけでも創るのに一日掛ったんだよ?」
頬を膨らませるクロレカ。
「…すみませんでした」
クルーエルが言った。
「"残忍"か…もう駄目でしょ!? め!」
「…」
「お前ら…何の為の"門番"だ?」
セルシオが言った。
「「「「「…」」」」」
「…挙句、宝玉が盗まれたぞ?」
「「「「「…」」」」」
「え?そうなの!?」
「…色惚けは黙ってろ」
「なっ!?」
カーフェイ、ショック。
「でぇ?どぉするの?」
「ぶ〜…"人型"ってとっても珍しいのに〜…」
「…諦めろ…クロ」
「…セル君が言うなら…」
顔を赤くしてクロレカが言った。
「…お熱いね…」
「黙れ色惚け」
「うっ…!」
「…だ・か・らぁ!!」
ヴェルナが言った。
「「!!」」
カーフェイとクロレカがビビった。
「…"見張り"と"監視"がいるだろ」
セルシオが言う。
「あ…忘れてたわぁ!」
「エフラム君とリアラちゃんね!」
「今何処にいるんだ?」
「…そこにいるだろ?」
セルシオが部屋の扉の向こうに向けて言った。
すると音もなく扉が開いた。
「…ただいま参りました」
「…何用ですか?」
エフラムとリアラが現れた。
「…奴らを消しとけ」
「…奴ら?」
「ソラ君にルゥ君にエリアちゃんにアミュちゃんだよ!」
「…」
「?どうしたエフラム?」
「…了解」
そう言うとエフラムが消えた。
「え!?今のってシカト!?」
「そんなのも解んないのぉ?」
「…シカトだな」
「ぐ…」
「リアラちゃんも、行ってらっしゃい!」
「…了解」
同じ様にリアラが消えた。
「私達は行かないのぉ?」
ヴェルナが言った。
「…珍しいなヴェルナ」
「はぇ?」
「いつも面倒臭がるだろお前?…太ったか?」
「そうそう最近お腹の周りが…って余計なお世話よぉ!!」
「行こっか?」
クロレカが言った。
「そう言えば何の為に呼び出したのぉ?クロ」
ヴェルナが聞いた。
「…」
「…クロ?」
「ライラちゃんなんて知らないもんっ!!」
「は?」
「「…」」
「だってだって…ライラちゃん…」
『ライラちゃん!ソラ君に変身よ!』
『ちょんま!』
『何!?変身出来るのか!?』
カーフェイが聞いた。
『うん!』
『ちょんま!』
ぐにょっとライラの周りの空間が歪む。
『!』
カーフェイとクロレカの前に、ソラが現れた。
『す、凄い…!』
『えへ〜♪ね!なんか喋って!!』
すると
『僕に惚れると火傷するゼ☆』
・・・
・・・・・・
『…クロ?』
『そ…ソラ君てこんなキャラなの!?』
『いやいやいや!?』
『―何故なら僕は炎使いだからね☆』
ソラは左手でピストルを作り、ウインクしてばーんってやった。
〔〔うぜぇぇぇ…〕〕
『ら、ライラちゃん!次はエリアちゃんよ!』
『ちょんま!』
ソラの声でライラが言った。
再びぐにょっと空間が歪む。
『おーほほほほ♪さぁ私を満足させて?』
エリアは鞭を持ち、床をピシャーンって言った。
『…え?本当!?』
『喜ばないで?!カーフェイ君!』
『おーほほほほ!良いわ♪もっと良い声で鳴きなさい?』
『ライラちゃん!』
『ちょんま!』
三度ぐにょっと空間が歪む。
ルゥが現れた。
『モヒカン』
〔〔…〕〕
『アフロ』
〔〔…〕〕
『パンチパーマ』
『わーーーー!!ライラちゃんの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ー!!』
クロレカの手に突然巨斧が現れた。
『クロレカ!?』
『このポンコツーーーーーーーーー!!!』
どかぁぁぁぁぁぁぁぁん!
「「…」」
「…」
「…行くぞ」
「「「…うん」」」
そうして四人の姿が消えた。
「…船」
真っ青なソラ君。
「大丈夫?ソラ…」
エリアが言った。
「慣れない…どうしても慣れられへんねん!!」
「ソラ!?落ち着いて!?言葉変よ!?」
エリアが言った。
「そろそろ危ないかもね…ソラ兄…」
「にゃ!?ルゥちんにゃに言ってるにゃ!?エリたんなんかに負けないにゃ!!」
「姉御も頑張ってね?」
「あ、あったりまえにゃ!!ソラソラ〜!!」
アミュがソラに抱きつこうとしたその時
「そう言えば、ガブ達は?」
ソラが言った。
「「「……………あ」」」
わぁ!忘れてた!
「ど、どうしよう!?僕らもう船の上だよ?」
「も、もしかして置いてきちゃたの!?」
「にゃ〜!!どうするにゃ〜!!!?」
「…………」
ルゥが考えこんだ。そして
「…よし!」
「「「?」」」
「そのうち会うだろ!」
「「「ええ!?」」」
「だって…どうせまたセイクリッドに来るし」
「?…どういうこと?」
ソラが聞いた。
「黒の台座はセイクリッドにあるんだもん」
「「「ええ!?」」」
「いひひっさぁ!行こう!!」
「にゃ〜面倒にゃ〜…」
「またあそこに行くの?!」
小さくなったセイクリッドを見ながらソラが言った。
「いひひっ♪ってかソラ兄もう大丈夫なの?」
「? 何が?」
「船酔い」
「……………………うぷ」
真っ青になるソラ。
「と、トイレ!!」
口を押さえて自分の部屋へ走って行った。
「…大丈夫かしら?」
「さぁね?気になるならついてってみたらエリ姉?」
「な!何言ってるのよ!?」
顔を赤くするエリア。
「行ってくるにゃ〜♪」
「待ちなさい?」
「いひひひひ♪」
「まふ〜!!」
「きき〜!!」
「離せよ馬鹿!!」
「おいコラ!」
小動物達は黒の台座にくくりつけられていた。
すると
「きゃは☆久しぶりぃ小動物達☆」
緑色の髪をした、ピンク色の制服を着た女性が現れた。
「…誰だお前?…顔色悪りぃぞコラ!」
「なっ!酷〜い!!忘れたの!?しかも今…ちょっと黙ってて?」
カチンっ
「…」
「…」
「…」
「きゃは☆眠った眠った♪」
小動物達は突然眠り始めた。
「何してるんだま?ドラちゃん」
「わ!トラ!!」
クセっ毛ロン毛の金髪男がシルクハットを被って制服を着て部屋に入ってきた。この男も顔色が悪い。
「相変わらずキモいねトラ☆」
「ええ?!そんなま!?」
「特にその顎髭!やめてくんない?」
「これは俺のチャームなポイントだま!!」
「キモトラ☆」
「ドラちゃん酷いま…」
「ドラが剃ったげる♪」
ヴィーン☆
髭そりであろう巨大なチェーンソーを取り出した。
「ちょ!?やめ!?俺のチャームなポイントをま!!」
「煩いわよ二人ともあ」
「「! カメ!!」」
長く青いサラサラヘアの上に制服を着、黒いウエスタンハットした女性が入ってきた。やはり顔色が悪い。
「ドラ…またやってるのあ?」
「うん☆だってキモいんだもん♪」
「ドラちゃん?!」
ヴィーン☆
再びチェーンソーを取り出すドラゴン。
「うわま!?」
カチャ
「…」
パタン
「…トリ…来なさいよあ」
カメが言った。
カチャ
「…」
短い赤髪で白い面をつけた制服男が入ってきた。顔色は仮面で解らない。
「…」
「きゃは♪相変わらずムック〜だねトリ☆」
「…」
トリは喋らない。
「トリ助けてま〜!!!」
トラが言った。
「…」
トリは喋らない。
「…座りましょうあ」
「「はーい♪」」
「…」
トリは喋らない。
「うわ!キモトラとハモった!?キショ…」
「ドラちゃん?!」
「席に着きなさいあ」
「「…はい」」
「…」
四人が席に着いた。
その時
「皆さんちゃんと席に着いてますね!偉い偉い♪」
シルエリが入ってきた。
「さぁどうぞ…オーブ様」
シルエリの後ろからオーブが現れた。
小さい蛙、ピンキーを乗せて。
「おはよう」
オーブが言った。
「「「「おはようございました」」」」
「…」
「…ました?」
オーブが聞き返した。
「だって〜もうお昼ですよ?」
ドラゴンが言った。
「だから過去形ま♪」
トラが言った。
「…そうか」
納得オーブ。
「ごほんっ…では本題に入るぞ」
「月を突き落とせ〜☆」
「ドラちゃん…洒落ま?」
「馬鹿!ダジャレだよ!!」
「同じよドラゴンあ」
「ほぇ?」
「…」
「…皆さん…月を落とす理由ちゃんと解ってるんですか?!」
シルエリが言った。
「…」
「大丈夫よあ」
「もちろんま」
「はれ?何だっけ?」
ドラゴンが言った。
「「「「「…」」」」」
「…きゃは♪」
「駄目だねま…ドラちゃん」
「本当です〜!!駄目じゃないですか!」
「ええ?!だってだって〜もう何年も前の話じゃん?」
「…そうかま?」
「…」
「はぁ…良いあ?我達が月を落とすのは、」
カメが言った。
「世界を救う為あ」
「あ!そっかそっか!!ドラ思い出したよ☆」
「では、"監視"が捕まえてくれたお前達の一部を食せ」
「「「「…」」」」
黙ってガブを取るトリ。
黙ってテトラを取るカメ。黙ってイオを取るトラ。
黙ってクリオルを取るドラゴン。
そして
「「「頂きます」」」
「…」
でっかく口を目一杯開けて一口で小動物を食した四人。
「…これで皆さんは、完全体ですね♪」