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第52話 モッペ

朝。

いつもの様に朝食を作りにいくソラ君。


「ふぁ…」


「おはようございます」


「うん おはよう」


「あ、大丈夫ですよ!ぼくが作りますから!」


「…?」


異変に気付くソラ君。


(あれ?僕は誰と話してるんだ…?)


「ぼくをこの家に泊めて下さったんですし、これくらいやらないと!」


「誰ぇッッ?!」


漸く突っ込むソラ君。


「あ、申し遅れました。ぼく"ステイピット"と申します。」


ペコリと行儀よくお辞儀するステイピット君。前回の新キャラ君です。


「あ、えっとソラです。よろしく」


つられてお辞儀をするソラ君。


「よろしくお願いしますね!さぁソラさんはゆっくりしておいて下さい。ここはぼくが作りますので」


「え?」


目を丸くするソラ君。


「今…なんて?」


「朝食は、ぼくが作ります!」


ステイピットが無邪気な笑顔で再び言った。


「っ!!」


ソラに衝撃が走った。


「ステイ!!」


「!? ど、どうしました?!ソラさん!」


ステイを抱き締めたソラ。目を白黒させるステイ。


「凄い!凄いよその言葉!僕は幸せだよ!!!」


「え?え?」


「ありがとうステイ!!」


ポケッとするステイ。


「…い、いえ!大丈夫です!ソラさんは休んで下さい!」


「ありがとうステイ!!!」


上機嫌で部屋に戻っていくソラ君。


「…」


胸に手を当てるステイ。


「…初めて"ありがとう"って言われました…」


ステイの心臓は高鳴っていた。


「…嬉しい…です…!」










「美味し〜い♪凄いにゃステっち!!」


「そ、そんな!と、とととんでもないです!」


「アミュ…そのあだ名は危ないわ?」


「えへえへエリたんは黙ってるにゃ!!」


「うっ?!」


赤面するエリア。


「幸せだなぁ…!」


「ソラ兄…疲れてたんだ?」


「うん」


「イヤン ソラ言ってくれればよかったのに」


「蛇に何が出来る?コラ」


「んだと?!チキン!!」


「はい、ルゥさん牛乳です!」


「ぎゃあああああっ!?」


「えええ?!ご、ごめんなさいッッ!!!」










夕方。

メンバーは北に向かっていた。



「にゃ〜月が綺麗だにゃ〜♪」


「本当ですね〜」


「でも…確実に前より近付いてるわね…」


エリアが不安そうに言った。


「そだねエリ姉。…急がないと」


「? 何のお話ですか?」


ステイが訪ねた。


「月が落ちてくるんだって。」


ソラが簡潔に説明した。


「ええええ?!ほ、本当ですか!?」


慌てるステイ。


「お…お願い事しないといけませんね…!」


「そうにゃ〜!ステっちは何をお願いするにゃ?」


「えっと、えっと…のど飴が沢山欲しいです!!」


「にゃ!?それじゃあたしはフルーツ味の方を頂くにゃ〜♪」


(…サ○マドロップス?)


ソラが心の中で突っ込む。


「…えへえへて…恥ずかしい…」


「エリ姉…世の中にはいろんな人がいるんだよ?」


「えへえへ言う人も?」


「え…うん…いやどうだろう…?」


「…恥ずかしい…」


その時、ルゥの視界が急上昇した。


「うあっ?!」


「「ルゥ!?」」


エリアとソラが叫んだ。

ルゥは網の中に捕えられ、木にぶら下がっている。


「何してるにゃ〜?ルゥちん ダイエット?」


「どうしてこれで脂肪が燃えるの姉御?!」


「にゃ〜?エリたんを見るにゃ!」


ルゥがエリアを見る。


「だ…ダイエット…!! いいなぁ…」


「エリ姉?!騙されないで?!」


「大丈夫ですかルゥさん!!!」


「る〜らららららっ♪」


「「「「「「?!」」」」」」


明らかに不自然な笑い声が木から聞こえてきた。


「やったるら!やったるら!」


ルゥがかかった罠の上に小柄な少女が現れた。


「るらららららっ♪早速ボスに届けるるら!」


そう言って少女はルゥを担ぎ、もの凄い速さで走り去っていった。




・・・



・・・・・・




「「「「「わああああ?!」」」」」


「まふまふ〜!!」


「ききき!!」


「何してるにゃ〜!!追うにゃ〜!!」



そう言ってメンバーは歩き出した。…いやせめて走ろう?!










「見て!町よ!!」


「ルゥちんはあそこかにゃ〜?」


「きききっ」


「行ってみましょう!」


「だなコラ」


「まふ〜」


「…港町"ハイ☆テンション"?」


ソラが門の文字を読んだ。


(…果てしなく入りたくないなぁ…)


さてさて…どうなることやら。










「もが〜っ!!」


「るららららら♪見て下さいボスぅ!るらが捕まえて来ましたるら!」


少女がルゥの口にガムテープを貼りながら言った。

ルゥは今、ガッチガチにロープで腕と足を縛られている。


「あんらぁ?かんわいいコねぇん♪やるじゃないアマンダ」


角刈りで、青髭が素敵にキモいおっさんがメイクしながら言った。


「るららららら♪でしょでしょ?」


アマンダはルゥのフォークを没収しながら言った。


「もが〜っ!!」


「るららららら♪あんたもう動けないるら!」


今度はルゥを檻に入れながらアマンダが言った。


「もがもが〜っ!!」


必死に叫ぶルゥ。しかし"もが〜"ってしか聞こえない。


「る〜ららららら♪魔法使おうったって無駄無駄ぁ!そのロープ、魔縛りのロープだるら!」


「もが?!」


するとオカマ口調のおっさんが近付いてきた。


「んふ♪かんわいいコ☆食べちゃいたい♪」


ルゥの顔が青くなる。


「んふ♪良い体してるわね…完全にアタシのタ☆イ☆プ♪」


おっさんはルゥの胸のあたりを人指し指でくりくりしながら言った。

ルゥの体に戦慄が走る。


「んねぇあなた何てお名前?アタシは"エリザベス"よん♪」


「もが〜〜〜〜!!!?」


有り得ない名前に突っ込むルゥ。


「"モガ"きゅんね♪ス☆テ☆キ♪」


再びルゥの体に戦慄が走る。


「るららららら♪コイツが今日のアレでするら!」


「んふ♪お客も喜ぶわん♪こんなかんわいいコだもの♪」


「るららららら♪」


「…ちょっと名残惜しいわん…」


「るら?やるなら今のうちるらボスぅ!」


「も゛っ!!!!?」


すんごい嫌な予感。

すんごい嫌な予感。

すんごい嫌な予感。

すんごい嫌な予感。

すんごい嫌な予感。


「モガきゅんに一度…抱かれてみたい…☆」


そう言って上着のファスナーを下ろしていくエリザベス。


「もが―――――――――――ッッ!!!!!!」


ルゥの叫び声が虚空に木霊した。










ぴくんっ


猫耳を敏感に動かすアミュ。


「むむ?!今ルゥちんの叫び声が?!」


「きききききき!!」


「本当アミュ?!」


エリアが聞いた。


「うにゃ!近いにゃ近いにゃ〜!!」


「すげぇなコラ」


「まさか猫娘が役に立つなんて予想だにしてなかったよ。」


「黙れ蛇。」


「ま、まふ〜!!」


「お、落ち着いて下さい!!」


「でルゥは何処なの?」


「うにゃんソラソラ〜!こっちだにゃ〜♪」










「…カジノ?」


ソラが言った。


「うにゃ〜!楽しそうにゃ〜♪」


「本当にここなの?」


エリアが聞いた。


「うにゃ!」


「凄いです!」


「まふまふ〜♪」


「賭博で捕まるぞコラ」


「ちっと黙ってろチキン」


「行くにゃ〜♪夜のファンタジー☆カジノへ!!」


「…何言ってるのアミュ」


「サタデーナイトフィーバーね!」


「エリア?!」


いざ、カジノへ!









『レディース エンッッ ジェントルメェ〜ン!!いよいよ今夜の"モッペ"が始まるるら!!クモン ベイベェ☆』


いきなりハイテンションなアナウンスが聞こえてきた。


(…"モッペ"?)


「ふにゃ〜♪"モッペ"だにゃ〜♪」


「?!何"モッペ"って?!」


「"モッペ"かぁ!ついてるわね私達!!」


「"モッペ"ですか!ぼく初めてです!」


「"モッペ"かコラ!!」


「"モッペ"だね!」


「まふまふ〜♪」


「ききき!!」


目を輝かせるメンバー。


『チェケラ☆そこのクールな彼女?ダンディーな彼?皆参加しようゼ セニョルゥイ〜タァ☆』


「「「「「イエア!!」」」」」


「みんな?!」


突然テンションが高くなったメンバーに驚くソラ。しかもテンションが高くなったのはメンバーだけではなく、ソラを除いた会場の全員だった。


『もち!賞品もガッツリ用意してあるるら〜!!楽しみだねバンビィ〜ナァァ☆』


「「「「「イエア!!」」」」」


「…」


「早速参加にゃ〜♪」


「もちろんよ!!」


「ぼく初めてです!」


「キバってこいよコラ!」


「頑張れ!」


「まふまふまふまふ〜!」


「きき〜ききき!!」


ソラを残してメンバーは受け付けへと走っていった。


「…だから…"モッペ"って何さ?!」








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