第49話 試練〜エリア編〜
『一定の場所ごとに問題がでます。間違えると魔物と戦うことになるので気を付けて下さい。』
「…成程ね」
そう言ってスタート地点に立つエリア。
『では第一問、あなたの名前は?』
「…エリア・フラント」
『正解。百歩進んで下さい。』
(…馬鹿?)
百歩進んだエリア。
『第二問、貴方の身長は?』
「…163.6センチ」
『正解。二百歩進んで下さい。』
(楽勝じゃない…♪)
『第三問、貴方の体重は?』
「っ!!」
(言えない…言えないわ!!)
『不正解。魔物と戦って下さい。』
『ウラーラーラーぁ!!』
「きゃあ!?」
『ウラー!!!』
エリアに襲いかかる魔物。
「キモいっ!!」
ボカボカっ!!
『ウ…ラ』
杖で強打されフラつく魔物。そこへ
「アクア!!」
魔法が打ち当たる。
魔物が消えた。
「やったあ!」
『三百歩進んで下さい。』
「はーい」
『第4問、貴方は貧乳ですか?』
「っ!!」
(何この問題っ?!)
『不正解。魔物と戦って下さい。』
『ラリラリホ〜ラリホ〜ラリラリホ〜!!』
「ノリノリね?!」
『ラリホ〜!』
踊りながら魔物が襲いかかる。
「マリンショット!!」
エリアが叫んだ。
『ラリホ〜!!』
しかし魔物はピンピンしていた。
「!…効かない!?って事は…!」
ザシュッツ!!!
杖のとがってるとこで魔物を突き刺すエリア。
『ラリ?!』
お!効いた効いた!
ザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュッツ
「ふふふっ楽しくなってきたわ♪」
…あまりにもグロいので早送りしましょう。
『第六問、今何問目?』
あら第五問目まで飛ばしちゃった。
「やっとクイズっぽくなったわね…って今"第六問"って言っちゃったじゃない!!」
『正解。四百歩進んで下さい。』
・・・
・・・・・・
『第九問、1+1=?』
「…2でしょ」
『不正解。魔物と戦って下さい。』
「なんで!?」
『"田"だ、ばーか』
「レベル低いわね?!」
『ばーむくーへーん!』
「…作者の魔物への飽きをひしひし感じるわね…ハイドロキャノン!!!」
激しい水のビームが魔物に直撃する。
『ばーむー!!!』
しかし魔物はそれを吹き飛ばした。
「っ!?飽きてるクセになかなかやるわね?!」
ザンッッツ!!!
「きゃああ!?」
ばーむくーへんの鋭い爪がエリアを襲った。血が噴き出る。
「…!…メディケーション!!」
素早く回復魔法を唱えるエリア。
『へーん?!』
みるみる回復していく。そして
「ペリッシュオーシャン!!」
エリアの最大魔法が魔物を襲う。
『ばーむくー!!!』
波に呑み込まれるばーむくーへーん。
「や…やったわ!」
『第十問、"牛"ってなんて読む?』
「…馬鹿にしすぎだし、さっき貴方自分で"うし"って言ったじゃない…」
『正解。カメの所に進んで下さい。』
「! カメ…!?」
青ざめるエリア。
(でも…行かなきゃ…!)
ギイ…
扉を開けるエリア。
「よぉ遅せーんだよ」
(!…良かった!アイツじゃない!!)
紺色の短い髪の男の子を見て安心するエリア。
「暇すぎて読み終わっちゃったじゃん」
「へぇ"H2"ってなんの本?」
少年の持っていた本の題名を読むエリア。
「エロ本」
「ええ?!」
焦るエリア。
「…遅いと言えばお前の発育も遅せーよな」
「な、なんですって!?」
その瞬間カメが消えた。
「え?!」
「…これだもんな」
下を向くエリア。そして
「きゃあああ!?」
叫んだ。
何故ならカメがエリアの胸に手を当てていたから。
素早く飛び退くエリア。
「…-Aカップ」
「ま、マイナス?!それじゃへっこんでるじゃない!!」
顔を真っ赤にするエリア。
「おおそうだ。茶髪に興味あんならもっと頑張れよ」
「っ!」
顔を更に赤くするエリア。
ザンッッッ
「きゃ!?」
カメの鋭い爪に吹っ飛ばされるエリア。
「隙だらけだよ…バブルインパクト!」
カメの魔法がぶっ飛んでるエリアを襲う。
「っ!ハイドロキャノン!!!」
体勢を立て直し、応戦するエリアだが
「全然ダメだね…ハイドロキャノン!!」
エリアと全く同じ技を使うカメに相殺された。
「ナメないでよ!!ペリッシュオーシャン!!」
突然の最大魔法に怯むカメ。
「…っ!」
「私だって…結構頑張ってるんだからぁ!!」
エリアの魔法がカメを呑み込んだ。更にその後カメを押さえ付け、杖を構えた。
「毎日お風呂あがりに牛乳飲んだりっ!!」
ゴスッ
「ヨガとかやってみたりっ!!」
バシッ
「…ぺったんこって解んない様な服とか選んでるんだから!!」
ドカッ!!
「…そっちこそナメんじゃねぇよ!!」
ガシッ
カメがエリアの髪の毛を掴んだ。
バサッッツ!!!
「「!」」
カメの鋭い爪で掴まれたエリアの長い髪は切れてしまった。
「……………………酷い」
エリアが泣きそうになる。それを見て
「ちょっ…待て…い、今のはおれが悪かった!」
「…っ」
エリアの長かった髪は今、変に斜めに切れている。
「…か」
「え?」
焦るカメ。エリアに近付いた瞬間、
「馬鹿――――――――っ!!!」
「うをっ!!!?」
どかぁあああぁんっ!!
カメがぶっ飛んだ。
…?どかん?杖で?!
「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿〜〜〜ッッ!!」
暴れるエリア。
「折角…折角…っ!………ペリッシュオーシャン!!」
再びの最大魔法。
「ペリッシュオーシャン!!」
え?もう一発?!
「ペリッシュオーシャン!!」
三連発!?
三倍の勢いになった荒れ狂う波が容赦なくカメを襲う。
「ぎゃああああッツ!?」
「…折角…」
涙を拭うエリア。
「…ソラに"綺麗だね"って褒められたから…折角ここまで伸ばしたのに――――――――っ!!!」
叫ぶエリア。
おやおやソラ君、いつの間にそんな事言ったんですか?
「…け…健気…!」
カメが言った。体はエリアの三連発魔法のせいで動けなかったが
「…ごめんな…髪の毛…」
エリアに謝った。
「…馬鹿ぁ………!!」
力なくその場に座り込むエリア。
斜めに切れている髪を掴みながら。
「…魔法で…治らないのか?」
カメが問う。
………て無理だろ?
「あ!そっか!!」
ちょっと!?
「トリート!!」
優しい光りに包まれる髪の毛。なんと、くっつきそうだ!
「「!」」
顔を見合わせる二人。
そしてくっついた!
「「!!」」
カメの顔に。
「おわ!?髭が生えた!?」
「ふっ!なんでそっちなのよ…!!」
微笑むエリア。
「とって!今すぐとって!!」
「なんで?…格好良いわよ?」
エリアが言った。
「マジで!?」
いや乗るなよカメ?!
「良かったわね!」
「ああ!ありがとうエリア!!」
…こうしてカメはまた一つ大人に近付いたとさ。
めでたしめでたし。