第38話 イオ
「ふにゃ〜良い風にゃ〜♪」
「セイクリッドの人達は何故月を落としたいのかしら?」
「さあ?でも"門番"ってのが六人で、その上が"見張"に"監視"で、更に上が"誠忠"に"妖艶"に"酷薄"に"無垢"がいるんでしょ?」
「渡る世間は敵ばかりにゃ…」
「なんか著作権引っ掛かりそうだからそういう発言は控えましょ?」
「ふにゃ〜… ?ソラソラは?」
「ソラ兄なら船酔いでゲロゲロだよ」
「にゃにゃ!?看病するにゃ〜!!」
「待ちなさい?」
青い空。光る波。白い太陽にそよぐ風。メンバーは只今船の上。目指すは隣国の"ソング大陸"です。
「まっふまふ〜!!」
「ききき〜ききき!!」
「? どうしたの?ガブにテトラ」
「ききき〜!!」
見ると、テトラに紐が巻き付いていた。
「何やってるにゃ〜?」
その紐をとってあげるアミュ。すると
「シャーーーーーー!!」
「にゃーーーーーー!?」
「まふ〜!!」
「蛇!?」
「なんかオレンジ色の玉が付いてるわよ?」
「んなコトどーでもいいから助けるにゃ〜!!!!」
「「あ、ああうん!!」」
蛇から解放されるアミュ。
「ふにゃ…助かったにゃ…」
「まったく、人のコト摘み上げるなんて何考えてんの?」
「「「!!」」」
「…何ボク見て驚いてんの?失礼だな」
「へ、蛇が…」
「「喋った?!」」
そう。メンバーの目の前にいる、灰色と紫のしましま模様の蛇は言葉を発していた。しかも、額と顎の下と尻尾の先に、オレンジ色の玉が付いている。
「何?蛇が喋っちゃいけない?」
「いや…いけないってか…」
「君ボクと同じ雷使いだね?」
「? 蛇も魔法使えるのか!?」
「ボクをそこらの蛇共と同じにしないでくれる?因みに、ガブリエルとテトラも使えるだろ?」
「「「嘘!?」」」
「まふ〜!!」
ボッと口から火を吹くガブ。
「ききき〜!!」
バシュっと水を発生させるテトラ。
「し…知らなかった…」
「凄いにゃ!!一緒に戦えるにゃ〜!!!!」
「そう言えば、テトラって私が勝手に山賊からとって来ちゃったんだっけ…」
「で、ボクが雷」
バチバチっと雷を体に帯る蛇。そのままルゥに巻き付く。
「うわ?!」
「ふーん…君の"バース"なかなか珍しいね」
「「「バース?」」」
「何も知らないの?ボク等が魔法使えるのは心臓にバースが入ってるからなんだよ?」
「バースって何さ?」
「力の結晶だよ」
「な、なんでそんなコト知ってるにゃ!?」
「魔法使うヤツの心臓を喰ったことがあるからね」
「「「怖っ!?」」」
危ない発言に突っ込む三人。
「君のバース、気に入ったよ。仲間になってあげる」
「は?何言ってんの蛇!?」
「ボクはイオ。よろしくね」
「にゃ〜♪仲間が増えたにゃ〜♪」
「物知りなイオがいてくれて助かるわ!」
「え?ちょっと!?」
部屋に戻るメンバー。
「あ…おかえり」
真っ青なソラ。
「そう言えば、ソラ兄って違う世界から来たんだよね?」
「うん。地球から」
「じゃあバースは無いハズよね?」
「?」
「なんで炎が出せるにゃ?」
「え?なんのコト?」
ソラにバースの説明をするメンバー。
「へぇ〜…そうなんだ。この世界にいれば皆使えるのかと思ってたよ」
「まふまふまふまふ〜」
「…ガブが…ソラにバースを突っ込んだんだって…」
イオが訳す。
「あー!だから最初会ったとき胸をぶち抜かれたのか〜ははははは」
「まふふ〜♪」
「あれはマジ死ぬかと思ったよ〜ははははは」
「まふふまふ〜♪」
(((笑い事じゃないと思うが…?)))
「す…素敵…」
「「「は?」」」
「うわあ!蛇だ!」
「ききき〜」
「僕、爬虫類好きなんだ〜♪」
「イヤン恥ずかしいっ♪」
呆然とするメンバー。
え?コイツ雌だったの?
…てかそれより…
「ソラソラ!酷いにゃ!あたしがいるのに!!」
「へ?」
「あ…あんまりだわソラ…!!」
「え?」
「はんっ どうやらボクの勝ちみたいだね?」
鼻で笑うイオ。
「「殺ス!!!!」」
「わっ!?」
そう言ってアミュとエリアはイオを追っかけて行った。
「え?何??」
「…まふ」
「駄目だね…ソラ兄」
「きき…」
「??」
「あ、ねぇルゥ?」
「んー?何?ソラ兄」
「シャーンは?」
・・・
・・・・・・
「「ああーーーーーーーーーーーーーー!!!!」」
「ま、まふ〜!!」
「ききき〜!!」
「ど、どどどどうしよう!!!?」
「わ、わわわわ忘れてたーーー!!!!」
結論。
「「ま、いっか!」」
はははは。
シャーン可哀想。