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第23話 猫耳お姉さん

メンバーがリアラと対峙している時、一人のお姉さんが村にやって来た。


「はにゃ〜ん 静かな村だにゃ〜」


そのお姉さんは猫のような手を額に当て、辺りを見回した。


「うにゃ?」


すると、お姉さんの尻尾が立った。


尻尾…そう。そのお姉さんは頭に猫耳があり、顔には猫髭があり、お尻には尻尾があった。


「にゃは〜ん♪この匂いは!!」


お姉さんはにやりと笑うと林の方へ歩き出した。









「ふっ二人とも!!私は大丈夫だから逃げて!」


エリアがルゥとシャーンに向かって叫んだ。


「何言ってんだよエリア?!」


「そんなこと出来るワケないじゃん!!」


それに対してシャーンとルゥが叫び返す。


「…死になさい」


その時、リアラが静かに言った。


グッ


ソラの手に力が入る。


「ソラ!!」


「ソラ兄!!」


シャーンとルゥの声も虚しく、ソラは勢いをつける為に、一旦エリアから剣を遠ざけた。


「くっ…!!エリア!!」


その時、シャーンが駆け出した。


ガシッ


「シャーン…!!」


「…へっ!どうだっ!!」


操られているソラから素早くエリアを奪還するシャーン。


「シャーン格好良い〜!」


シャーンの活躍に目を輝かせるルゥ。


「あ、ありがとう…!!」


驚いたようにエリアがシャーンにお礼を言うと


「…ふふ」


背後から笑い声が聞こえてきた。


「「!?」」


嫌な予感がしたのでメンバーが再びソラの方を向くと


「…」


「「!!」」


ソラはまだ剣を構えたままだった。


「い…いや…」


「ま…まさか…!?」


「や…止めろよソラ?!」


ソラを止めようとするメンバー。


しかし、操られているソラにはその声は届かない。


ソラは遠ざけた剣を勢いよく引き寄せた。









ドスっっっ!!!









「いやああああああ!!」


頭を抱えて悲鳴をあげるエリア。


「そ…んなっ!?」


「…ソラ…兄…!!」


真っ赤に染まってゆくソラを見て絶句するシャーンとルゥ。


ドサ…


その場に力なく倒れ込むソラ。


「「ソラ!!」」


「ソラ兄!!」


急いでソラの元へ駆け寄るメンバー。


「…ふふふ」


そんなメンバーを見て無表情に笑うリアラ。


「「っ!…テメェ!!」」


ルゥとシャーンが決まりを忘れて武器を構えた。


そしてリアラに攻撃を仕掛ける二人。


しかし


「バオォ…!!!」


「「?!」」


突如現れた巨大な魔物によって、二人の攻撃は掻き消されてしまった。


「…残念ね?」


リアラがそう言った直後


ひゅわっ


一陣の風が吹いた。


「にゃは〜!!やあ〜ぱり宝玉だったにゃ〜♪」


それと同時に猫耳お姉さんが現れた。


その手には、しっかりと白い宝玉が握られている。


「「・・・」」


突然現れた猫耳お姉さんに驚いて固まるメンバーとリアラ。


「…にゃはん♪バイバイにゃ〜♪」


そんな間抜け面の皆さんに手を振ると、猫耳お姉さんは素晴らしい速さでその場から逃げ出した。


「…追うわよ」


「バオオ!!」


我に返ったリアラは、宝玉奪還を最優先にし、メンバーを残して猫耳お姉さんを追い掛けていった。










「トリート!!!」


エリアが力一杯回復魔法を唱えた。


「…?」


しばらくすると、ソラが目を覚ました。


「「! ソラ!!」」


「ソラ兄!!」


喜びに目を輝かせるメンバー。


「? どうしたのみん…って痛ったぁ!!!?」


起き上がろうとしたソラの胸に激痛が走った。


「う、動いちゃ駄目だよっソラ兄!!!」


慌てて起き上がろうとしたソラを横にするルゥ。


「え?」


ソラが小首を傾げると


「トリート!!!」


エリアが再び回復魔法を唱えた。


「自分で剣を突き刺したんだぞ?」


混乱しているソラにシャーンが言った。


「ええ?嘘?!馬鹿だな僕!?」


ソラが言うと


「…本当だよぅ…ソラのばかぁ…!!」


エリアが泣きながらソラに抱きついた。


「エリア?!」


エリアのそんな行動に顔を赤くしながら


(…何故僕は自殺しようとしたんだ?)


とか思うソラでした。

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