第22話 形勢逆転
郷に入っては郷に従いましょう。
「「あった〜!!!」」
「まふ〜!!」
「ききき〜!!」
白い宝玉を発見して喜ぶメンバー。
『ありがとうでヤンス!』
宝玉を取り除いてもらえて喜ぶエミリオ。
「いひひ♪どういたしまして♪」
ルゥが笑いながらそう言うと
『これであっしらも救われたでヤンス!!』
エミリオが目を輝かせながら言った。
「「…あっし"ら"?」」
メンバーが聞き返すと
『はいでヤンス〜』
ぶわっ!!!!
エミリオの返事と共に、物凄い数の幽霊が洞窟じゅうに現れた。
「…は…ははは…よかったね〜ソラ兄連れてこなくて…?」
「ほ…本当ね…」
「…失神ものだな…」
「まふ〜…」
「きき…」
流石に鳥肌が立つメンバーでした。
宝玉を手に入れたメンバーが洞穴から出てくると
「…宝玉奪還」
「うわ?!」
外で待ち構えていたリアラがそう言って、先頭にいたルゥに傘を向けた。
「ちょっ…ちょっと?どなたか存じあげませんが、傘は尖った部分があるから常に周囲の安全を確認してご使用下さい?」
傘を向けられたルゥが冷や汗を掻きながらリアラに言った。
「敵…っ」
少女が着ているゴスロリチックなドレスの襟についているセイクリッドのバッジを見てエリアが呟いた。
「く…っ」
反撃することが出来ないルゥは、悔しそうな声を出した。
この世界には、街の中で武器を使ってはいけないという法律があるのでした。
「ちなみに傘は日用品だから武器と見なされません」
「だから誰に説明してんだルゥ?」
画面に向かって説明したルゥにシャーンが軽く突っ込みを入れると
「…何故渡さないの?」
リアラが静かに質問した。
「…敵に宝を渡す奴が何処の世界に居るんだよ?」
その質問にルゥがそう答えると
「…そう」
リアラは無表情のまま目を細めると
バッ!!
「きゃあ?!」
傘を開き、ルゥの後ろに立っていたエリアを吹き飛ばした。
「エリア!!」
「エリ姉!!」
シャーンとルゥが声を張ると
ガサッ
飛ばされたエリアのところにソラが現れた。
「! ソラ!?」
「ソラ!!こんな非常時に何処行ってたんだよ?!」
突然のソラの登場に驚くエリアとシャーン。
「いひひ♪主人公登場♪」
頼もしい助っ人の登場に俄然強気になるルゥ。
「…」
リアラは静かに傘を閉じると、右手で空中を撫でた。
すると
「…」
ぐいっ
ソラがエリアを抱き寄せた。
「そっソラ!?」
突然の密着状態に真っ赤になるエリア。
「何…考えてるのソラ兄…?!」
その時、ルゥが言った。
「…え?」
エリアが顔を上げると、そこには銀色に光る刃があった。
ソラは剣を引き抜き、エリアに向かって剣を突き立てていた。
「ソ…ラ…?」
「…」
エリアが名前を呼んでも、ソラはまったく反応しなかった。
「…傀儡魔法か…!!」
シャーンがリアラを睨むと
「…形勢逆転」
無表情なリアラが楽しそうに言った。