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第20話 そ〜でヤンス

怖いもの…それは、この世界の生物全てが持っているものなのではないだろうか?


「此処の林…なんか不気味ね…?」


ソラの隣で辺りを見回しながらエリアが言った。


「ななっ何言ってるんだよエリア!?だ…大丈夫だよ!!」


顔色が悪いソラが応えると


「あ!奥に洞穴があるぜシャーン!!」


ルゥが林の奥を指さした。


「…見るからに怪しいな」


とってつけた場違いな洞穴に肩をすくめるシャーン。


「あ…あはは…そ…そうだね?」


月が綺麗な夜。

とある村に立ち寄ったのでした。


「…?どうしたのソラ?顔色が悪いわよ?」


先程から様子がおかしいソラに声をかけるエリア。


「…もしかしてソラ兄…怖いの?」


そんなソラを見て、ルゥが悪戯っぽく笑いながら言った。


「まふ〜♪」


ルゥの頭の上で同じように笑うガブリエル。


「成程…男な上にその歳で幽霊なんか信じちゃってるのかソラ」


「きき〜」


やれやれと肩をすくめるシャーンとテトラ。


「そっ!んなコトは―…」


ソラが否定しようとした直後。


「わっ!ソラ兄の肩に胃潰瘍の守護霊がっ!!!」


ルゥがソラの肩を指さして叫んだ。


「ええええええっ!!?」


それを聞いて物凄く仰天するソラ。


…胃潰瘍の守護霊?


「…あ」


しまった。本気で驚いてしまった。


「あっはっはっ!!本当に信じてんだな〜!!」


「ききき〜♪」


そんなソラを見て楽しそうに笑うシャーンとテトラ。


「いひひ♪引っ掛かった引っ掛かった♪」


「まふまふ〜♪」


同じようにきゃらきゃら笑うルゥとガブリエル。


「だ…誰だって怖いものくらいあるでしょ?!」


そんな二人と二匹にエリアが言った。


「エリア…!!」


自分を庇ってくれたエリアにじ〜んとするソラ。


すると


「「…!!!」」


突然目を見開くルゥとガブリエルとシャーンとテトラ。


「もう…またそんなことして―…」


呆れたように振り返るエリア。


「っ!!?」


そして彼女も目を見開いた。


「ど…どしたのみんな?」


一点を見つめる三人と二匹に嫌な予感を肌で感じとるソラ。


「も…もう…また僕をからかう気―…」


ギギギと機械のようにソラが振り向くと


『今晩は〜でヤンス』


そこには髪の長い半透明の男が浮いていた。


「!!!!!!!!!?」


ソラは声にならない悲鳴をあげ、メンバーを残して脱兎のごとくその場から逃げ出した。


「幽…霊?」


ソラがいなくなってからしばらくしてからエリアが口を開いた。


『そ〜でヤンス』


コクンと頷く幽霊。


「「…幽霊って本当にいたんだ…」」


驚いたように幽霊をまじまじと見るメンバー。


『…皆さん、あっしが怖くないんでヤンスか?』


幽霊が尋ねると


「「うん。全く」」


「まふ〜」


「きき」


コクンと頷くエリアとルゥとガブリエルとテトラ。


「いや少しは怖がれよ?」


冷静すぎるメンバーにシャーンが突っ込んだ。


『マジでヤンスか!?それなら助けて欲しいでヤンス!!』


その言葉に目を輝かせる幽霊。


「「?」」


メンバーが小首を傾げると


『あっしらの洞穴に突然現れた光る石を取り除いて欲しいのでヤンス!!』


力を込めて幽霊が言った。


「…光る…石?」


確かめるようにゆっくりと聞き返すルゥ。


『そ〜でヤンス!!その石のせいで光が苦手なあっしらは毎日苦しんでるんでヤンス!!』


頭を抱えながら幽霊が言った。


「…」


「…」


「…」


顔を見合わせるメンバー。


「「…宝玉!?」」


「まふ〜!」


「きき〜♪」


探していた宝玉の手掛りを見付けて目を輝かせるメンバー。


「オレらが助けてやるよヤンスくん!!」


ルゥが幽霊にガッツポーズを向けてそう言うと


『本当でヤンスか!?ありがとうでヤンス!!!』


幽霊は嬉しそうにペコペコと頭を下げた。


『ちなみにあっしは"エミリオ"でヤンス!ヤンスくんでは無いでヤンス!!』


無駄知識を得て、メンバーは洞穴へと入っていきました。


『無駄知識?!』



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