第17話 LV.UP
「…ぅ…?」
しばらくしてエリアが気付いた。
「みんなっ!?」
倒れている仲間を見て真っ青になるエリア。
「い…いや…死なないでっ!!」
エリアは杖を出現させると
「トリート!!」
回復魔法を唱え、その温かい光で三人を包んだ。
「まったくなんなんだよアイツ?!」
ソファーに座ったルゥが頭を抱えながら叫んだ。
「あれは痛かったね…ありがとうエリア」
もう痛くなくなった後頭部を押さえながらエリアにお礼を言うソラ。
「う、うん!どういたしまして!」
ソラくんにお礼を言われたことが嬉しかったエリアちゃん。
「あいつ…セイクリッドのヤツみたいだな」
腕を組みながらルゥが言った。
「"セイクリッド"?」
何それ?と小首を傾げるソラ。
バッ
とソラを見るエリアとシャーン。
「え?!」
あまりに勢いがよかったので、ソラが驚いていると
「…ソラ…相当打ち処悪かったのね…?」
涙ぐみながらエリアが言った。
「本当に大丈夫かソラ?」
心配そうに声をかけるシャーン。
「え?え?」
ソラが疑問符を出していると
「…"セイクリッド"ってのは、ネィバーランドのどっち国にも含まれない完全中立国のことだよ」
ルゥが簡潔に説明した。
「へぇ〜」
ソラは頷きながら
(…スイスみたいなもんかな?)
とか思っていた。
「ってかルゥ、なんでそんなこと分かるんだ?」
そこで、ふと思い出したようにシャーンが尋ねると
「へっへっーん♪コレ!」
ジャーン!とルゥが三人に小さなバッジを見せた。
「バッジ?」
ソラが小首を傾げると
「あれはセイクリッドの人達が持ってる物よ」
エリアが説明した。
「へぇ〜」
学習するソラ。
「…手癖悪りぃなルゥ…」
呆れたようにシャーンが言うと
「いやそれほどでも♪」
頭の後ろに左手を当てるルゥ。
((褒めてない褒めてない))
心の中で手を横に振る三人。
「でもどうしてその人が僕らを襲ったの?」
ソラが質問すると
「それは解んないけど…」
バッジをテーブルに置きながらルゥが口を開いた。
「けど?」
ソラが聞き返すと
「人の物盗るのは良くないよネ!!」
黄色の宝玉がなくなった事に対してルゥが言った。
((お前が言えたことではないケドね))
とか思う三人でした。
「でも…ああも瞬殺されちゃあ…アレやるしかないよね?」
溜め息をつきながらルゥが言った。
「アレ?」
またまた首を傾げるソラ。
「アレね!」
パンッと胸の前で手を叩くエリア。
「あんだけ無様に負けたんだもんな…アレしかないよな…」
肩を落としながらシャーンが言った。
「ねぇ…アレって何?」
あんまりいい予感はしないが取り敢えずソラが尋ねてみると
「「レヴェル☆アップ」」
何食わぬ顔でエリアとシャーンが言った。
「その星は何!?」
"レヴェル☆アップ"の"☆"に疑問を抱くソラ。
(ってか"レヴェル"って何!?)
疑問を抱く順序がおかしいソラ。
すると
「はいは〜い☆レヴェル上げたいんですね〜♪まかして下さい!!」
「「うわっ!?」」
突然一行の後ろに黄緑色の髪の少女が現れた。
「シルエリ!?」
ソラが驚いた声で彼女の名前を呼ぶと
「きゃ〜憶えててくれたんですねソラ様〜♪」
ぴょんぴょん跳ねて喜ぶシルエリ。
「どうしたの突然?」
ソラが尋ねると
「や〜皆さんのお手伝いをしようと思いまして♪暇なんで」
って言って、シルエリは小さな瓶を取り出した。
「では皆さん!この瓶に入って下さい!!」
シルエリが言うと
「普通に入れねぇだろ?」
シャーンが大人しめに突っ込んだ。
「ム…」
その突っ込みはシルエリの機嫌を損ねたようで。
「…ソラ様」
「わっ!?」
いきなりシルエリに首根っこを捕まれるソラ。
そしてシルエリはそのままソラを瓶に近付けていく。
すると
ひゅん
ソラが消えた。
「…ね?」
ニヤリと笑うシルエリ。
「え?」
「嘘っ!?」
「ソラ!?」
目を丸くする三人。
そして
「「わ〜不思議瓶だ〜」」
目を輝かせながら三人は瓶の中に入っていった。
「あはは〜皆さん結構馬鹿なんですね〜♪」