第11話 出発
「月が落ちてくるの!?」
信じられないと言うようにソラが聞き返すと
「うん」
コクンと頷くルゥ。
「何か防ぐ方法は!?」
ソラが焦りながら再び質問すると
「あるよ」
頷きながらルゥが言った。
「軽いなっ!?」
いつの間にかボケとツッコミが入れ替わっているソラとルゥ。
「どうすればいいの?」
ソラが尋ねると
「月が落ちてくるってのはこのネィバーランドの斥力…つまり"反発する力"が落ちているせいなんだ。」
ってルゥが説明した。
「斥力かぁ〜…斥力!?」
聞き返すソラ。
「斥力」
頷くルゥ。
「どうしようもないじゃん!!?」
頭を抱えながらソラが言うと
「簡単簡単♪」
にこっと笑いながらルゥが言った。
「え?」
ソラが頭から手を離すと
「この世界にある6つの台座に6つの宝玉を乗せればおっけぇ!」
キャピッとルゥが言った。
「へぇ〜…簡単だな?!」
思わず突っ込むソラ。
「ん〜そうなんだけど、宝玉のある場所知らないんだよね」
頭の後ろで腕を組みながらルゥが言った。
「台座は?」
ソラが小首を傾げると
「ん?これ」
ルゥは自分が座っている台を指さした。
「これかよっ!?」
台座はソラの目の前にあった。
「いひひっ♪台座ってのは"セイクリッド"を中心に5ヶ所、バラバラなところにあるんだ」
そんなソラを見て笑いながらルゥが説明した。
「そのうちのひとつがこれ?」
ソラが尋ねると
「そう。で、これがひとつの宝玉」
ルゥは透き通った綺麗な丸い石を持ち出して
「これを此処に置く。」
台座の上にはめ込んだ。
「!」
すると、台座と石が光り始める。
「わあっ!」
次の瞬間台座と石がカッと光り、一筋の蒼い光の柱になった。
その光の柱は、空に向かってどこまでもどこまでも延びている。
「これでおしまい」
ルゥが言うと
「すごい…」
光の柱を見ながらソラが感嘆の声をあげた。
「で、オレはこの世界を救う為に旅をしているのであった!」
腰に手を当てながら誇らしくルゥが言うと
「わあ偶然 僕もだよ?」
ってソラが言った。
「マヂ!?」
驚いてルゥが聞き返すと
「マヂ」
コクンと頷くソラ。
「したらオレら仲間じゃん!!」
目を輝かせながらルゥが言った。
「うん!これからもよろしくね ルゥ」
にこっと笑いながらソラが言うと
「もち!!」
笑い返しながらルゥが応えた。
次の日の朝
「もう行ってしまうのですか?」
村の門の前で村人が寂しそうに言った。
「はい。昨夜はお世話になりました」
ペコリと頭を下げながらお礼を言うソラ。
「お気を付けて…」
村人が言うと
「ああ!気を付けてくるぜ!」
ソラとルゥの後ろから返事が返ってきた。
「「…?」」
不思議に思って振り向くソラとルゥ。
そこには
「ごめんなさい。昨日の話聞いちゃいました」
「世界を救うんだろ!?格好良いぜー!」
エリアとシャーンが立っていた。
「「って事で連れていってクダサイ」」
ペコリと頭を下げる二人。
「ええっ!?…でも危ないよ?」
困ったようにソラが言うと
「何言ってんだよソラ?二人だけの方が危ないぜ?」
「私、皆さんに恩返しがしたいんです!!」
ってシャーンとエリアが言った。
「だってさ。どうする?ソラ兄」
「まふ〜?」
微笑みながらソラを見るルゥとガブリエル。
「…じゃあ…」
そんな仲間たちを見て、ソラは嬉しそうに
「出発しよう!」
って言った。
「「「おー!!」」」
「まふまふ〜♪」
こうして世界を救う為、四人と一匹の旅が始まった。