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てるてるぼうずはいらない

作者: お梨

朝、雨が降っていたくせになぜか今はやんでいる。

そういうことされると困るんだよなぁ・・・-

そう思いながら、電車の駅に立った。駅に建ててあるパネルのようなものに私が乗る電車の印がピカピカと点滅していた。

せめて、せめて手だけでも振ればよかった。

と思った。今更後悔してもどうしようもないのだが。

雨は降っていないが、今すぐ降り始めてもおかしくないようなどす黒い雲が私の方へ向ってきていた。

早く電車くればいいのに。

そう思う反対側で、もう少し待っていれば君がここを通りすぎるかもしれないと期待をし、

こないでくれと電車に祈るのであった。

知らない女子がこの駅のホームにやってきた。

私の前を黙って横切った。

私が立っているホームの反対側のホームには少し背が低いおばぁさんがベンチに座っていた。


「先輩と付き合うことになったんよ。」と言われたのはつい昨日のことだった。

私は普通に驚いた。普通に。

だってその子は私の一番仲のいい友達で、いつも一緒に遊んでて、

別にそんな感じじゃなかったし、急にそんなこと言われて、

・・・あぁ、置いてかれた・・・。

と思った。本気で。


だから今日、なんだか暗い気持ちでいるわけだが、

そんなところで何かあるわけもなく、

ただいつもする後悔がほんの少し大きくなっただけだ。

電車はまだこない。

手がさびしいので携帯でも取り出してみた。

ぽつん、ぽつんと雨が降り出したのを見て、カバンの中の折りたたみ傘につい目をやった。

結局、降るんかい。

ホームには屋根があるため雨が降ろうと動じず、ぼんやり雨を眺めることができた。


携帯を開く。

メールが来てた。


部室に水筒忘れてるよ\(^0^)/


君だった。

部室に水筒忘れてるよ部室に水筒忘れてるよ部室に水筒忘れてるよ

水筒忘れたのもショックではあるのだが、

そのメール、

なんで君がしてくれたの?

そんなことばっかりぐるぐるぐるぐる・・・

電車がきた。

乗るべきか乗らざるべきかすっごい悩んだ。

でも、乗ることにした。ここからまた更に学校に戻るのはめんどくさかった。


ホントに!?

わざわざごめん汗  

了解しました!メールありがとう


ありがとうの後ろにハートを素直につけれたらどんなにいいことだろう。

ふつーうの普通すぎて怖いほど普通の返信しかできない。

そんなメールを送ったところで返信はくるはずないのだが、返信をずっと期待する自分がいつもいる。

なんか聞くことあるかな・・・・

そう考えても、特に聞くことはないんだ、いつも。

仕方なしに、送信ボタン、押した。

電車はめちゃめちゃ空いていて、余裕で座れた。

5、6人しかいない。

椅子の上にどっしりとカバンを置いて、横によたれかかった。

眠たいわけじゃないんだ。別に。

あーなんで自分こんなんなんだろう。

なんにもできないまま、時間が過ぎてっちゃう。


君は知らないよね?

そうやって頭かかえる私のこと。


雨は時間がたつにつれひどくなり、

窓にぶつかっては流れていきました。



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