《続》ニートの一日
時間つぶしにでも、お読み下さい。2013/02/18訂正
「プリ〇ュア、ファイブッ、GO!GO! 」
俺は今、鼻歌を歌いながら街を歩いている。
曲は、俺の脳内の彼女が出ている女児向けアニメ番組の歌だ。
「ちっ! 見てんじゃねーよ! ニートがそんなにめずらしいのか? 」
俺は歌の間に、コチラを見ていたカップルを怒鳴りつけた。
くそっ! 見た目で俺がニートだって判断しやがった!
「あれ? 荒川じゃねーか! 」
横断歩道の信号待ちをしていた俺が振り向くと、茶髪のイケメンが立っていた……。
デジャヴュ!
「俺だって! 河合 俊だって! いい加減、思い出せよ」
「人違いです」
俺は、華麗に河合の横を通り過ぎようとした。
「待て、待て。俺、今日はお前に渡すモノがあるんだよ」
くそっ! これは、きっとアレだ! マルチ商法とかいうヤツだ!
俺は、幸運のツボなんて買わんぞ!
俺はニートだから、ローンも組めないんだからな!
「ほいっ! 西村が、お前に返しといてくれってよ。預かってきたんだ」
河合の上着のポケットから取り出されたのは、ただの茶色い封筒だった。
こんな茶封筒を高額で買わす気か!?
「……これ、いくらなんだ? 」
値段を言ってみろ!
「はぁ? お前、知ってるだろ? 千円だよ。千円」
……安い! めちゃくちゃ安いじゃねーか!
「よし! 買った! 」
「はぁ? って、ちょっと待てよ! なんで、千円置いてくんだよ! 荒川ー! 荒川ー! 」
俺は、茶封筒を受け取り……千円を河合に渡すと、走り出した。
何か言ってた気がするが、まあいい。
金は払ったんだ。文句はねーだろ!
河合って野郎はしつけーな。ホント、なんで俺をターゲットにしてんだ! 俺は、しがないニートだぜ!?
俺は、街から一刻も早く出るため、走って家まで帰った。
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「なんで、西村に渡した千円を受け取って、俺に千円払ったんだ? 迷惑料か? 」
元クラスメートの西村は、街で会った荒川に千円を渡されたらしい。
西村は、律儀にも荒川に千円を帰そうとした。
だけど、荒川の家に電話をかけても「オレオレめー! 」と言われて、電話を切られるとの事だった。
「西村に頼まれた金は一応返したから、これは俺がもらっとこう。……キリがねぇ」
荒川は奇行は今に始まったことじゃないのだ。
お読み下さり、ありがとうございましたm(_ _)m 荒川と河合と西村は、高校生の元クラスメートです
河合と西村に悪気はありません。荒川は、思い込みが激しく自分で引きこもってます。きっと、誤解が解けることはないでしょう
最後まで、お付き合いいただき感謝しますm(_ _)m