表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
原点禁書――The Zero’s Forbidden Codex  作者: トランス☆ミル
第一章 誕生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/18

第一篇 基本的三位概念

原点ゼロの夢が、終わりを知らぬまま揺らいでいた頃、世界はまだ一つであった。


分かたれていなかった。区別されていなかった。名付けられていなかった。


だが、夢は永遠ではない。


永遠とは、観測され続けなければ成立しない概念である。


そして観測は、まだ存在していなかった。


故に、夢は歪み始めた。


崩壊でもなく、消滅でもなく、分岐であった。


原点ゼロに宿っていた、「在りたい」という衝動が、一つの意思を持った。


それは、『創造』と呼ばれる。


創造は、世界を生もうとしたのではない。ただ、可能性を形にしようとしただけである。


形とは、制限である。制限とは、秩序である。


創造が形を与えた瞬間、形を失うという概念が、同時に生まれた。


それが、『破壊』である。


破壊は、創造に敵対するものではない。


破壊は、創造が生んだ影であり、必然であり、終点の役割を与えられた同胞である。


だが、創造と破壊が向き合った時、世界は不安定となった。


始まりと終わりが存在するだけでは、その間を保つことはできない。


始まりと終わりの狭間に、見続ける者が必要だった。


その役割を担ったのが、『観測』である。


観測は、創造の様に形を与えず、破壊の様に終わらせない。ただ、在ると認め続ける。


観測されることで、世界は初めて「存在」となる。


観測が目を逸らせば、それは存在しなかったことになる。


創造、破壊、観測。


この三つは、優劣ではない。上下でもない。いずれか一つが欠ければ、世界は成立しない。


創造のみの世界は、終わりを知らず、意味を失う。


破壊のみの世界は、始まることすらできない。


観測なき世界は、在ったとしても、在ったことにならない。


こうして、原点ゼロの揺らぎは、三つの座へと分かたれた。


創造の座。


破壊の座。


観測の座。


後に人は、それらを『基本的三位概念』と呼ぶ。


だが、それらは概念である以前に、役割であった。


意思を持つ存在ではなく、存在を成立させるための必然。


人格も、名も、この時点では存在しない。


それでも、三位は互いを必要とした。


創造は、観測がなければ意味を失う。


破壊は、創造がなければ生まれない。


観測は、両者がなければ、見るべきものを持たない。


この均衡が、後に「世界」と呼ばれるものの、最初の形である。


そして、この均衡が揺らいだ時――世界は拡張され、物語が生まれ、神々が名を持ち、歴史が刻まれることになる。


だがそれは、まだ先の話である。


この章において語られるのは、ただ一つ。


世界は、三つで成り立っている。


それは真理ではない。だが、真理に最も近い、最初の虚構である。


少しでも、


「面白い!」「興味深い!」


と思ったら、ぜひ☆☆☆☆☆評価、感想で応援お願いします。


ブックマークがいただけると、大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
自作品を教典視点からアプローチするというのは、 非常に面白い試みですね。 幾多のなろう作品を読んできましたが、 こういう演出は初めてみました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ