第十五篇 階層守護者の決議
大君主が、楽園の一員として降り立った時、一つの新たな問題が生じた。
――誰がどの階層に着くのか。
常世がそれぞれ七つに分けられたのは、創造と破壊の力の絶大さ故の抑制だったため、誰がどの階層を司るかなどは決められていなかった。
大君主は再び集まると、会議を始める。
円環状に広がる光の座に、それぞれが己の概念を纏って顕現した。
「最上層と最下層は、よもや議論の必要は無いだろう。」
ロウの言う通り、天界の最上層と地界の最下層は、即座に決定した。
天界第七階層守護者ザイオン。地界第七階層守護者モート。
創造、破壊から派生した概念の結晶が、創造、破壊の領域の頂点として君臨すべきなのは、至極当然の理だった。
残る階層に、静かな緊張が走る。
「問題は――その間だな。」
誰かが呟いた。生と死のあいだに広がる、無数の可能性。
因果、定義、秩序、混沌、位相、性質、根源、情報、操作、量、変化、境界
それらは優劣ではなく、配置の問題だった。
「強さで決めるべきではない。」
「干渉力、優位性で序列をつけるべきだ。」
「いや、均衡が最優先だ。」
それぞれの意見が交錯する。
それぞれが己の概念を提示し、役割と責任を語る。
「吾輩とザイオンの次は、ラプラスとロウが適任だろう。」
「オレはそれで構わない。」
モートの指名により、天界第六階層守護者はロウに決定した。
「我は序列などに興味はない。空いた席に座らせてもらう。」
しかし、ラプラスは指名を断り、
「ならば俺がその座をもらう。」
と、ジェストが名乗りを上げた。
「...まぁ、いいだろう。」
モートは静かにそう告げる。
その後も議論は続き、最終的に全ての守護者を決定することができた。
【天界階層守護者】
第七階層:ザイオン『生』
第六階層:ロウ『定義』
第五階層:ルナ『位相』
第四階層:ソル『根源』
第三階層:インペル『操作』
第二階層:クオン『量』
第一階層:アルマ『境界』
【地界階層守護者】
第一階層:アナストロ『変化』
第二階層:クレア『情報』
第三階層:ミスパール『秩序』
第四階層:オール『性質』
第五階層:ラプラス『因果』
第六階層:ジェスト『混沌』
第七階層:モート『死』
最後に残った沈黙の中で、インペルは決議を告げる。
「これより、俺たちは階層守護者だ。」
その言葉と同時に、楽園の構造が確定した。
生から始まり、死へと至る七つの階層。
それは支配のためではなく、世界が世界であり続けるための枠組みだった。
こうして、階層守護者たちは配置され、後に語られることになる――この決議こそが、世界の安定と歪み、その両方の始まりであり、神話の始まりであったと。
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