表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
原点禁書――The Zero’s Forbidden Codex  作者: トランス☆ミル
第二章 神話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/18

第十四篇 瑕疵の発生

天越宇宙オメガバースより派生した数多の宇宙ユニバースは、静かに増殖を続けていた。


創造と破壊、その狭間に揺らぐ観測を「人生」と定義された生命たちは、定められた法則の内側で、無数の選択を重ね、物語を紡いでいった。


だが――その完全であるはずの世界に、最初の歪みが生じた。


それは、法則の破れではなかった。秩序の崩壊でもなかった。


世界の位相が、わずかに重なっただけの現象。本来交わることのない因果、情報が誤って接続された結果。


後にそれは、『バグ』と呼ばれる。




常世とこよ


大君主オーバーロードたちが世界を見下ろす座において、その異変は即座に感知された。


「...なんだ?」


ザイオンは、楽しげとも取れる声でそう呟いた。


揺らぎは、彼にとって忌むべきものではなかった。


定義できぬものこそが、世界の可能性であると知っていたからだ。


「定義されぬ現象は、失敗ではない。それは、世界が自らの限界を越えようとしている証だ。」


その言葉に、静かに応じたのは『位相』を司る大君主オーバーロード――ルナ。


「位相は固定されるものではありません。重なり、ずれ、ほどけることで、新たな層を生む。


揺らぎを縫い止めれば、世界は進化を失うでしょう。」


二柱は、最初のバグを肯定した。


それは異常ではなく、世界が拡張を続けている証、世界の可能性の産物――そう理解したのである。


だが、その判断に沈黙しなかった者たちもいた。


「...否。」


その一人は『境界』を司る大君主オーバーロード――アルマであった。


「可能性であることは否定せぬ。だが、制御されぬ可能性は、やがて世界そのものを喰らう。」


その隣で、冷静に世界の数値を見つめていたのは、『量』を司る大君主オーバーロード――クオン。


「問題は質ではない。量だ。一つの揺らぎは許容できる。だが、増え続ければ、世界は耐えられない。」


世界は、まだ脆い。創られて間もない宇宙ユニバースは、無限の揺らぎを抱えられるほど強くはない。




議論は、長く続いた。


完全な秩序は停滞を生む。完全な混沌は崩壊を招く。


既にバグは世界に伝播しており、世界を一度リセットする他ない状況だ。


だが、直接天越宇宙オメガバースのシナリオに干渉することは、創造主ペアレントによって禁じられている。


では、どうするのか。


その答えを導いたのは、オールとロウであった。


「世界の内側に、均衡を保つ存在を置く。」


「増えすぎた歪みを、世界自身に処理させる。」


それは、神による裁きではない。世界に生きる者自身が、世界を護るという選択。


こうして――後に『祓魔師エクソシスト』と呼ばれる軍隊の設立が決定された。




常世に存在する管理者――天者と地者に、新たな使命が与えられる。


世界を観測するだけの存在から、世界を護る存在へ。


それに伴い、創造と破壊という単一の力しか持たなかった彼らに、多様な力の系統が与えられた。


それらはすべて、世界に与えられた可能性であった。


後に人は、この力を『神ノ加護(フォース)』と呼ぶ。


かくして、バグは消されなかった。


だが、放置もされなかった。


揺らぎは残され、世界は護られた。


完全でも、不完全でもない。選び続ける世界として。


この時、天越宇宙オメガバースは「物語を紡ぐ世界」として、その形を確定させたのである。




――そして、これはまだ序章に過ぎない。


数多の英雄譚と奇譚、光と闇、救済と破滅の物語は、ここから始まる。


少しでも、


「面白い!」「興味深い!」


と思ったら、ぜひ☆☆☆☆☆評価、感想で応援お願いします。


ブックマークがいただけると、大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ